(The Oldest Bar at Ohyama District)

May 2020.5



Shotbarピーポッポより緊急報告№5! 
2020年5月30日

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止として、
東京都はバーに、休業要請しております。
当店はこの要請に応え、全面的に協力し、4月11日から、休業しております。
当店はロードマップに従い、引き続き休業いたします。

大変に長い休業になりますが、
ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
皆様と元気に笑顔で、再会できる時を、楽しみにしています。
マスター&ママ


芸術は人に力を与える!
2020年5月25日

2001年9月のことだった。
ママが病気で、最初は43日入院、のちに入退院を、2回繰り返した。
その入院のさなかの11日、アメリカで同時多発テロ事件が起こり、世界が震撼した。

ママはそのとき、病院のベッドで、テレビに流れる事件を、リアルタイムで目撃した。
やがてママは無事に退院し、幸運にも半年後くらいに、店に復帰した。
手術の前、執刀医の女医さんに、私は告げられた。

「手術後は、今までのように、店に復帰するのは、無理かもしれませんよ」と。
私はその時点で、ママが復職するのはあきらめた。
そのころ、私の家庭は、一番お金のかかる時期だった。

長男と長女は大学生、次女は高校生だった。
1人でも店を続けるより、方法はない。
そのときから、通勤は自転車になった。

家から店まで、30分くらいかかる。
毎日、自転車で店に行き、途中で必要なものを買う。
そのあと店のスタンバイをすまし、当時大塚にあった病院まで、見舞いに行く。

その帰りに、夕食をして、夕方の6時に、店をオープンした。
店を終え、自転車で家に帰ると、朝4時か5時だった。
電気を点け着替えをし、子供たちが寝静まった家で、1人お酒を飲んだ。

そのとき、部屋に1枚の絵が、正面に飾ってあった。
その絵は10年くらい前に、偶然に購入した、2枚の絵のうちの1枚である。
どこかの国の海と高層ビルと、路面電車や様々な人たちが、元気に躍動している絵である。

音のない深夜、その絵を見てると、不思議と力が湧いて来た。
よし、明日も頑張るぞ、そして美味しいお酒を、飲ましてもらおう!
今でもその絵は、家の壁に飾ってある。

その絵を見ると、今でも思う。
あのとき、この絵に力を貰ったな、と。
絵は人に勇気を与え、明日に向かう、エネルギーを与えてくれる。

偶然に購入した、作家の名前は知らなかった。
インターネットで、調べてみたら、Peter Kingstonという、オーストリアの作家であった。
作品のタイトルはBussy Kong(1987)と、Peak Fitness(1987)のスクリーンプリント。

私より3歳年上、1943年生まれの画家だった。
作品は私が店を開いた、3年後に書かれた作品である。
絵を含め、芸術にはそんな力がある!


美人女優は女学生時代からすでに美貌の持ち主!
2020年5月19日

小林信彦著『日本の喜劇人』を読んでいたら、藤田まこと主演、『すちゃらか社員』の項が面白かった。
それは1961年4月2日から、1967年4月30日まで続いた、上方コメディー。
朝日放送でテレビ放映された、人気番組である。

ミヤコ蝶々が社長、横山エンタツは支店長、人見きよしの課長、そして若い社員役が藤田まこと。
その恋人役の事務員が、長谷百合という、大柄な美人であった。
ある日のこと、レギュラーの長谷百合子が、突如、出演できなくなった。

役柄は若い女性事務員であり、代わりの女優が、急遽、必要になった。
すると、東映京都撮影所に、番組見学に来ていた、女学生が目に留まる。
そして交渉し、出演してもらうことになった。

作家いわく、「年齢のわりに色気のある顔立ちで、陰気であり、足が太かった」と書いている。
その女学生は後に、東映映画の任侠映画『緋牡丹博徒シリーズ』で、一世を風靡した藤純子、現在の富司 純子。
夫は歌舞伎俳優、七代目尾上菊五郎、長女は女優寺島しのぶである。

また他の女優の話で、こんなエピソードもある。
練馬区桜台に住む女学生が、私立川村女学園に通っていた。
父親は元軍医で、地元で有名な大地主の息子、家の敷地は広大で、高い塀に囲まれ、ひときわ目立った。

その文字通りの「箱入り娘」は、美貌の持ち主。
女学校へ通う電車は、彼女の乗車する時間帯にかぎり、なぜか学生服姿で溢れたという。
その女性は、後の佐久間良子、夫は俳優・故平幹二朗で、平岳大の母である。

また別の話になるが、第二次世界大戦のころ、女学生は父の仕事の関係で、仙台に疎開していた。
そして、仙台で有名な宮城県第二女子高等学校に通っていた。
となりの進学校仙台一高の新聞部に 、井上ひさしがおり、一年先輩に菅原文太がいた。

その高校時代を、舞台に書かれた作品が、井上ひさし作『青葉繁れる』で、ヒロイン・若山ひろ子が登場する。
全ての高校生が、ヒロインに淡い恋心を寄せる、青春小説である。
井上ひさしが、書いている。

体育会の最後の仕上げは、高校一周で終わる。
だが、校庭を出た生徒は、誰も戻ってこない。
探しに行かせたはずの生徒も、出たきりで戻らない。

高校の近くに、お茶屋があり、夏にはアイスクリームを売っていた。
そこにアルバイトの女学生が、アイスクリームを売り、高校生の憧れのマドンナだった。
その女学生こそ、後の大女優で、建築家の故黒川紀章の妻、若尾文子である。

若尾文子は、『青葉繁れる』に登場する、ヒロイン若山ひろ子のことは否定しているが……。
しかし後の大作家・井上ひさしと、日本を代表する映画俳優たちが隣り合い、高校生活を送っていたのだ。
高校時代にすでに、輝ける美貌の少女であったのだ。
後の美人女優たちは、若いころからすでに、美の質が違ったのであろう。

併記
自伝的小説『麻雀放浪記』の著者・阿佐田哲也は、1988年に 色川武大の名で名作『狂人日記』を発表した。
その作家は、浅草六区全盛時代を、こよなく愛した。
ユーモアと愛情をこめて、下町の芸能人たちを描いている。


著名人の政治的な発言は大きな影響力を持つ!
2020年5月12日

昨日くらいから、急激に検察庁法の改正案が、マスコミで報道され始めた。
総理大臣さえ逮捕できる権限を持つ、検察庁のトップを、内閣が恣意的に決定可能な、改正案である。
だが新型コロナウイルス感染症の、報道一色だたマスコミは、この法案をほとんど無視し、報道しなかった。

時の政権への忖度と、視聴率に最大の価値を置くマスコミが、今なぜ報道するようになったのか。
それはSNS上で、ミュージシャン、俳優、演出家などの有名人が、声を上げたからだ。
そしてハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」を含むツイートが、5月11日時点で、500万件を突破したと言われる。

外国では有名なアーチストが、堂々と政治的な発言をするが、日本では大変に珍しい現象である。
日本の有名人たちが、大きな声を発したことで、マスコミは無視できなくなった。
さらに、視聴率を稼ぐこともできる。

著名なアーティストたちが、政治的な発言をしたことで、検察庁法の改正案の詳細が、頻繁に報道されている。
これからも、時あるごとに、勇気ある大きな声をあげてほしい。
その影響力は甚大であり、日本の政治や法制度の、改悪を阻止する力となる。



歯を食いしばってだけでは耐えられない!
2020年5月10日

東京都は新型コロナ禍のため、第二次自粛要請を発令した。
私の店も要請に応え、自粛休業をした。
そしてまた、引きこもり生活が始まった。

毎日、本を読み、日が暮れれば映画を見て、時折、ラジオを聞く。
子供の時は、まだテレビもない時代。
ラジオで連続ドラマを、聞いていた世代である。

ラジオを聞くと、ほっと気持ちが和むのは、幼い時代の郷愁に、誘われるからであろうか。
さて、20年前を振り返れば、私の家族は5人で、息子と長女は大学生。
次女は高校生の育ち盛りだった。

一番お金のかかる時代である。
その時、今のようなコロナ禍に襲われたら、と考えるとゾッとする。
自粛休業すれば、その瞬間から無収入である。

子供たちの成長は、待ったなしである。
生活費はもちろん、学費も必要である。
収入が閉ざされれば、家庭崩壊を意味する。

現在、子供たちはすでに成人し、社会人として働いている。
私たち老夫婦が、我慢をすればいいだけの、話である。
旅行に行くな、外出するな、人と会うな、の三拍子。

お金の使いようもない。
だから、歯を食いしばらなくても、何とかなる。
店も二人だけで、従業員もいない。

だが、従業員を抱える中小企業、家庭を支える個人事業主、手広く飲食業を経営する人たちの、苦境ははかり知れない。
自粛要請で大幅減益、自粛休業で無収入になれば、経営破綻は必然となる。
「歯を食いしばって」だけで、頑張れる問題ではない!

Shotbarピーポッポよりお知らせ 
2020年5月7日


新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止として、
東京都はバーに、再度休業要請をしました。
当店はこの要請に、全面的に協力し、5月7日から5月31日まで、休業いたします。

大変に長い休業になりますが、
ご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
皆様と元気に笑顔で、再会できる時を、楽しみにしています。

マスター&ママ

非日常に日常の正気が必要!
2020年5月1日

昨日は久しぶりに、公園へ散歩に出かけた。
私の家の近くに、広い都立公園がある。
ケヤキ、コナラ、サクラ、スギ、クヌギなど、武蔵野の面影を、今に残している。

快晴の散歩日和、公園の散策道を歩く。
雑木林の木々は、新緑の葉叢が、さわさわと風にそよぐ。
木道のアップダウンを行くと、広いグランドが見えた。

何時もなら、サッカーやバトミントンなどをする、人たちがいるのだが、誰もいない。
閑散としたグランドは、寂しげである。
グランドの入り口は、閉鎖されていた。

グランドに沿って、さらに行くと、全ての遊具は、使用禁止になっている。
公園をぐるりと回る遊歩道は、ジョギングやウォーキングの人たちが、行き交う。
花壇には色とりどりの、チューリップやパンジーが咲き、遠くに花菖蒲田が見える。

花菖蒲田には、名残の花菖蒲が悲しそうに、花穂を垂れていた。
公園では家族連れが遊び、ベンチにはお年寄りが、言葉少なに座っていた。
噴水前のベンチの上に、藤棚があり、薄紫に枝垂れた花房が、ゆらりゆらりと揺れている。

そして優艶な匂いが、微風に乗って流れてくる。
ベンチに座り、長編小説を読む。
風にそよぐ新緑の下で、遠くに小鳥の囀りを聞く。

ツツジ花咲くこの季節、ここには変わりない、平和と安らぎがある。
新型コロナウイルス感染症により、日本は閉塞状態にある。
だが、この国難にあって、日常の正気を失ってはいけない。

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