2008.9.21撮影・根津嘉一郎氏旧別邸「熱海起雲閣」にて
Today's Comment
SEPTEMBER 2009.09


小さな旅&日記
「芸術の秋・板橋混声合唱団演奏会」
2009年9月28日


ハゲタカと、はげたか!
2009年9月24日

昨日、目黒で鍼灸院を開院しているKさんがやってきた。
早いもので、開院して2年以上も経っている。
大学は私の後輩で、偶然にも、学生時代から来店している。
卒業後、建設関係の営業をしていた。

そして、ある日、会社を退社。
その後、好きなインドへ、2度目の旅に出た。
やがて、帰国するや、鍼灸の学校へ通い、現在の開院に至った。

昨日の来店は、2か月ぶりくらいだろうか?。
「マスター、最近、面白い小説、読みましたか?」
「最近は、昔の小説の短編を読んでいるね。とても劇的で、陰影が深くて勉強になるな。
芝居をしている頃、もっともっと読んでいればよかったと思う」

「そうですか。映画は何か観ました?」
「最近は観てないな。観始めると、次々と観たくなるのだけど」
「最近は『ハゲタカ』を観ました。例のハゲタカファンドのハゲタカです」

「そう、そんなに面白かった。でも、ママも僕の頭を指差して、はげたかって笑うのよ」
それを聞いたママが、堪えきれずに、おおいに笑った。
こういう単純な駄洒落って、当り外れが大きい。


敬老の日によせて
2009年9月21日

通勤途上、電車に座っていた。
すると、私の前の席に、制服姿の高校生が座っていた。
次の駅に電車が停まると、私と同じくらいの年齢の夫婦が乗って来た。
そして、高校生の前に、ご夫婦は並んで立った。

すると、遠慮がちに、少し照れながら立ち上がり、ご夫婦に「どうぞ」と席を譲った。
だが、ご夫婦は顔を見合わせ、きょとんとしている。
勿論、座る気配はない。
立ち上がった高校生はいたたまらず、電車の中を、背中を丸めながら移動していった。

私たち団塊の世代は元気な人も多い。
元気自慢、体力自慢の精力的なオジサン、オバサンも、巷には溢れている。
でも、一歩下がって、客観的に見れば、頭頂部は薄く、頭はゴマ塩、白髪頭なのだ。
若者から見れば、立派な年寄りなのだ。

折角の若者の行為を、
「ありがとう。でも、私たち立ってますから、座ってね」と言ってあげられなかったのか。
人が見ている中、席を譲るにも、それなりの勇気がいる。
それを、敢えて、暫しの逡巡の後、席を立ちあがり、席を譲った高校生。
何故、優しく受け止める豊かな感性を、ご夫婦は持ち合わせていないのだろうか。

余りにも鈍感な、団塊の世代の「初老」のご夫婦に、小さな怒りさえ覚えた。
きっと、これに懲りて、高校生は、2度と、席を譲ることはしなくなるかもしれない。
だが、これに懲りることなく、優しい善意の行為は続けてほしい。
何処にでも、無理解なご老人もいれば、心優しいご老人もいるのだ。


小さな旅&日記を更新
2009年9月18日


「片付けられない症候群」
2009年9月15日

お店のお客様で、何故か2年ごとに引っ越しをする女性がいました。
賃貸マンションの更新時に、わざわざと、かなり離れた土地に移っていました。
いったい、何が原因なのだろうか、とても不思議に思っていました。
そして、ある日、来店した折に、訊ねてみました。
「それにしても、よく引っ越しをしますね。何か理由があるのですか?」

すると、少し恥ずかしそうにして言った。
「私、物を片付けられないのです。家の中がいっぱいになると、仕方がなくて引っ越すんです」
私は吃驚した!
そんなことってあるのかなと。
「私、引っ越しに、かなり無駄遣いしています」

彼女は、引っ越しても、段ボールに詰めた荷物は、開けないと言っていた。
だから、また新しい物を少しずつ買い、また荷物が段々と溜まる。
最期には、玄関まで物が溢れる。
嫌なのは、宅配便だとも言っていた。
なぜなら、物に溢れたごちゃごちゃな部屋を、覗かれたくないのだと。
荷物を貰う時、微かに開けて、さっと手を出して受け取るそうだ。

そんな話を、ある時、店で話していたら、独身女性のお客様が、「私もそうなんです」の発言。
彼女も、引っ越した当初は、部屋は広々と快適。
しかし、日が経ち月も変わるたびに、部屋の中が散乱し始める。
テーブルの上も物で溢れ、食事をすることさえ儘ならない。
最期には、座るはずの椅子で、食事をするありさま。
自分で、自分の事が情けなくなると言っていた。
他にも、そんな状態の人を知っているが、何故かみんな女性のような気がする。
これははたまた、偶然の現象なのであろうか?


私たちの09.11
2009年9月12日

アメリカの同時テロから8年たった。
私のママは病院のベッドの中、リアルタイムで、テレビ映像で目撃した。
手術の傷も深い、1週間目のことだった。
私はもちろん店で仕事、翌日、事件を知り驚愕した。

やがて、ママは退院するのだが、手術以来の5年間は長かった。
9.11が来るたびに、また1年頑張ったんだなと、家族全員で安堵した。
さらに、あと1年、あと1年と頑張る内に、8年が経過した。
そして、8年前の恐怖から、少しづつ解放される。

死の恐怖と向き合うことの恐ろしさは、本人でしか解らないことだろう。
しかし、その恐怖を乗り越え、強い生への渇望が、大きな病も克服してくれる。
もちろん、先端医療技術があってのことだが。

振り返れば、あの時は、私にも試練の時だった。
大学生2人に、高校生1を抱えていた。
そして、ママと私と2人で切り盛りしていた店を、私だけでやることとなった。
毎日、家から店、スタンバイを終えて、病院へ自転車で直行した。
帰りの朝まだき、人気ない道を、自転車で帰った。

だが、降りかかったこと、誰も悪くはない。
神さまがもっと強くなれと、試練を与えてくれてるのだと思い、辛くもなかった。
やるっきゃない、頑張るだけと、自分に気合を入れた。
毎日の行き帰りの道を変えたりしながら、小さな楽しみを味わいながら。
人間の人生、節々に、いろいろな試練はやって来る。
その試練を苦しみながらも、乗り越えることにより、人は進歩し豊かになれる。

私は頑張るという言葉は好きだ。
でも、今の時代、他人に頑張れと言ってはいけないらしい。
頑張るという言葉は、分かりやすくて明快だ。
人生、頑張る時には、頑張るしかないではないか。

今年も無事、9.11日を迎えることができた。
これからも、たくさんの、9.11日を迎えたい。
人間の命は尊いもの。
まずは生き続けること。
その後には、必ず、楽しいことがやって来ると、信じきることだと思う。
今は毎日、ママと2人で、楽しく仕事をさせていただいている。
人生、ありがたいことに感謝!


え? 両親は18違い?
2009年9月10日

先日、29歳の女性が来店した。
私のお店がある板橋区大山へ、練馬区から、半年前に引っ越して来たという。
オーダーはモスコミュール。
そこで、私の店の、本物のモスコミュールをお薦めした。
銅のマグカップに、ぎっしりと氷を詰め、スミノフウォッカをたっぷりと注ぎいれる。
ライムをぎゅっと絞り、マグカップに入れて、ジンジャービアーを注ぎ入れる。

そして、2杯目めに、マスターのお薦めのカクテルときた。
そこで、私はモヒートを、作って差し上げた。
やがて、私は何となく、お母さんの歳を訊いてみた。
すると、なんと、母親の歳は48歳だった。
ママは吃驚!
「すると、貴方は、お母さんが、19歳の時の子供ね」

最近来店する若いお客様の両親は、我々より年下の事も多くなった。
でも、私たちの長男と同じ歳の女性の母親には、余りにも若すぎる。
そこで、私はさらに訊いてみた。
「お父さんの歳は幾つなの?」
するとすると、これまた大いに吃驚!
「お母さんより、18歳も年上です。(笑いながら)犯罪ですね」
父親は今や、年金生活の66歳。
私よりも4歳上だった。

すると、ママ、「何人兄妹なの?」
「4人です」
私は何故か、意味の分からない発言!
「それはお父さん、立派だね!」
「・・・・・」
すると、ママがフォローした。
「小子化の時代、4人も育てるなんて、ご両親立派よ。私の家は3人だもの」


バーテンダーと和尚と芸人は、古いほど味が出る
2009年9月7日

作家の荻野アンナさんが、金春亭馬生さんのお伴で、筑波山一乗院に行った時、
酒好きの和尚さんに、いろいろと聞いた話の中。
和尚さん曰く、「和尚と芸人とカボチャは、古いほど味が出るんですよ」
そこで、私もはたと思った。

我々バーテンダーも、古くなれば古くなるほど味が出る。
確かに、バーテンダーは、技術を売る商売である。
酒に関する技術と知識がなければ成立しない。
しかし、それだけではない。

様々なお客様のお話を聞いて、たまにはアドバイスを差し上げる場合もある。
齢を重ねれば、その分だけ、良きにつけ、悪しきにつけ、様々な経験を積む。
だから、私より若いお客さまは、
自分よりうんと年配の、マスターやママが聞いてくれているだけでも安心するらしい。

私もすでに還暦を越している。
それなりに、いろいろな仕事をし、しなくてもいい苦労を、好き勝手にやって生きてきた。
だが、何時の時も、自分なりに、一生懸命生きてきたおかげで、
今ではそれが、自分の栄養になったみたいだ。
人間、幾つまで生きられるのかは誰も知らない。

毎日元気に生きて、愉しく仕事をさせていただき、
少しは人のために生きられるならば最高だろう。
幸い、私の仕事、バーテンダーは、古ければ古いほど味が出るらしい。
ならば、シェーカーを持てば、自動的に手が震えるほどの歳まで、現役でいよう。
若いお客様によく言われる。
「マスターは、俺たちが死んでも、まだまだ生きているような気がする」
でも、友達が先に逝き、自分だけ残るのも、何処か寂しいことだが。


間の身体、庇うのではなく、鍛える
2009年9月4日

この一か月ほど、奥歯が少し痛い。
医者に行くほどでもないので、痛い歯で、余り噛まないようにしていた。
しかし、微痛であっても、歯というやつは気に掛る。
気にすればするほど、さらに気になる悪循環。
この負の呪文から、逃れるのは、なかなかの至難の業だ。

10ヶ月ほど前、革ジャンパーを着る時、左肩を少し不自然に捻ってしまった。
それ以来、肩がある角度の時だけ、ビク!と激痛が走る。
別に、普段の生活には、なんら支障を来さない。
だから、もちろん、医者に行くなど考えも及ばない。

そこで、私ははたと気が付いた。
左肩を庇って、ある角度で動かさないように気をつけて来た。
しかし、それは、私の身体論理から考えれば、外れていると認識。
庇うのではなく、逆に、左肩を、大きくゆっくりと回転させるようにした。
それを毎日繰り返した。
すると、左肩の痛みは徐々に鎮まった。

それを奥歯にも応用したのだ。
歯茎をトレーニングして、鍛えてあげれば治るだろうと。
人には見せられない口の運動。
口を大きく開け、開けたままで、下顎を前後左右に、大きく、ゆっくりと動かす。
それを毎日繰り返す。
すると不思議や、奥歯の痛みは薄れ、その奥歯、でしっかりと噛めるようになった。
人間の身体、庇うのではなく、鍛えることだと、あらたに再認識をした。


台風一過、日本の舵取りは?
2009年9月1日

昨日は台風11号が関東を襲った。
上陸の直撃は避けられたが、伊豆の島々や房総、茨城はかなりの被害にあったようだ。
幸い猛威をふるうほどではなかったようで、人ごとながら安心する。
最近の天変地異や大雨などは、計り知れない甚大な被害をもたらす。
取りあえずは、平穏無事に、台風一過の今日を迎えられた。

残暑厳しくてあたり前の8月の終わり、如何したことか寒い日が続いた。
そして、昨日の台風。
さすがに、台風が過ぎ去れば、青空が広がる。
気温もぐんぐんと上がり、30度を超す夏日となった。
街を歩けば、若いスリムな女性は、黒のタンクトップ。
そして、身体にぴったりとフィットした黒のジーンズ。

だが、すでに、黒の長いブーツを履いて、颯爽と歩いていた。
日差しは強いが、渡り行く風は秋の匂い。
自民党の政権は大きく覆り、民主党が政権を握った。
はたして、激動の時代の舵取りは、任せられるのだろうか。
党首の鳩山由紀夫氏は私と同じ歳。
団塊の世代といわれる者たちの、底力を見せてもらいたいもの。


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