Today's Comment
February.2014.2


小説「たで食う虫」は谷崎潤一郎の民衆演劇論でもある
2014年2月25日



谷崎潤一郎(1886年-1965年)のエッセイ「陰翳礼讃」を読んでいたら、文楽の話が出て来た。
それは氏の小説「たで食う虫」の中に描かれている場面である。
そこでエッセイを読んだ後、早速「たで食う虫」を読むと、主人公の妻の父と、父の年若い妾と主人公が、淡路島で淡路人形浄瑠璃を観るくだりである。

それは当時の人形浄瑠璃の世界を彷彿とさせ、谷崎潤一郎の人形浄瑠璃論が展開されている。
さらに読み進むと、日本の伝統演劇における「型」の意味するところを、氏は平明に分かりやすく語る。
日本の伝統演劇における「型」が、日本の民衆演劇を支えていると。

能や歌舞伎などには「型」がある。
特に歌舞伎などの「型」を真似ることにより、素人であってもそれなりの出来栄えの、歌舞伎が可能となる。
江戸時代など地方と都市の間には、文化の隔絶があった。

そして都市部から遠い遠隔の地には、娯楽が少なかった。
そんな地域の娯楽が、農閑期や祭に興行される、農民や町家等の地元衆が演じる歌舞伎や文楽や能であった。
玄人が演じる「型」を模倣することにより、日本の津々浦々に、歌舞伎や能等の伝統芸能が演じられた。

谷崎潤一郎が「陰翳礼讃」で闇と光が、日本の伝統の美の本質であることを語った。
そして「たで食う虫」で日本の伝統芸能の「型」が、民衆芸能支えていることを平明に書き述べた。
これは谷崎潤一郎の立派な民衆演劇論である。




豚物語とモルトウイスキー・ホグスヘッド
2014年2月22日



かつて中世のヨーロッパ大陸は深い森に包まれていた。
食糧事情は悪く、オークから稔り落ちるドングリなどの木の実は、豚の大切な餌となった。
豚は人々のかけがえのない食料であり、厳しい冬を乗り切る死活の食糧であった。

こちらからどうぞ↓
http://www.p-poppo.jp/1sake-porc





誠に勝手ながら、本日21日(金)は、19時50分より営業いたします。
井上ひさし作「化粧」を板橋文化会館で観劇します。
鵜山 仁演出 
平 淑恵

 劇作家・井上ひさしが旗揚げした劇団「こまつ座」が、創立30周年を記念して書きあげた一人芝居です。
2014年2月21日



偏食に酒と健康と
2014年2月19日



私の店のお客様で、野菜と刺し身を食べない人がいる。
とても趣味の多い人で、時計やジーンズに関しては、まさに玄人の領域、その専門性に仰天する。
プロレスも去年は150回位は、観に行っているであろう。

それも福岡や仙台の興行などは、日帰りで観戦し、関東圏で試合が重なる時は、とんぼ返りの観戦である。
プロレス界においては知人も多く、その付き合いの広さにも圧倒される。
しかし決して暇人ではなく、東京と福岡の会社を経営している実業人である。

自分の好きなことには、寸暇を割いてでも、時間とお金をつぎ込む姿勢に魅力を感じる。
さて偏食に戻るが、そんな彼は現在47歳で、いたって健康であり、精力的な生活をしている。
私ごとになるが、私もほとんどが外食であり、健康に必要なカロリーとか、黄緑色野菜等のバランス良い摂取などと無縁である。

だがほとんど1日1食の夕飯時、食事に集中し良く咀嚼をして、美味しい美味しいと頂くことに勤めている。
私の健康のバロメーターは、食事を美味しく頂けることである。
私は20年くらい前に、酒の飲み過ぎで、アルコール性肝障害になった。

その時以来、酒は一滴も飲んではいけないことになっている。
しかし好きな酒を止め、ストレスをため、免疫力を落とすよりは、命を少々づつ削っても、愉しい人生の方がよい。
タバコは個人的なものであるが、お酒には社会性があると勝手に認識している。

酒のあるところには人がいる。
酒を愉しみながらのコミュニケーションは、この上なく愉しい。
だがやはり年には勝てない。

年と共に酒量は自然と下がり、少ない酒で酔いは同じであるから、とても経済的になった。
その酒量の少なさが、翌日の目覚めを快適にしてくれるから、さらに嬉しい。
人間は歳につれ、食の嗜好の変化があると言われる。

甘酸辛苦塩と味の好みの変遷がある。
歳をとると究極的には、塩味を好むと言われる。
だが私などは若い頃は肉類が駄目で、もっぱら魚類を好んで食べていた。

しかし食味の変遷に逆らうように、今では肉類を好み食べるようになった。
かつては歳をとったら、さっぱりした食事が良いと言われていたが、最近は肉類を食することが、老化を防ぐと言われているから面白い。
タバコは20年くらい前から1本も吸っていない。

別に禁煙しているわけではなく、吸いたくないから吸わないだけで、かつてはかなりのヘビースモーカーだったこともある。
だから他人がすうタバコには、いっさい気にならない。
そして喫茶店やレストランに入る時は、空いていれば喫煙室に入ることにしている。

禁煙室は静かなことが多く、私のようながさつ者には肩が凝る。
だから健康に一番悪いとされている副流煙は、至る所で相当な量を毎日吸い続けている。
それでも67歳も近い初老の私は、いまだに健康で入院は勿論したこともないし、血圧以外は一切薬を飲まない。

人間の命は分からない。
決して油断しているわけではないが、私の健康に何時? 黄信号がともり赤信号に変わるかもしれない。
その時は潔く、大口をたたきまして、済みませんと謝るつもりだ。

でも現在まで高校時代と体型は変わらず、体重とウエストの太さも全く同じです。
悪くなったのは血圧と記憶力か?
増えたのは皺であり、減ったのは髪の毛です!




東京の冬に雪は似合う
2014年2月16日

先週と先々週の週末は、驚愕の大雪といえるであろう。
最近の天気予報の精度が高く、予報通りの結果となった。
私の店も雪には勝てず、臨時休業となってしまった。

雪が降ってる間は情趣に溢れる。
やがて森羅万象が雪化粧をし銀世界が広がる。
日が陰り夕闇とともに、一面の雪が陰りを含みながら、灰白色に滲む雪原に変わって行く。

私の住む東京近郊には、林や竹藪があり武蔵野の面影を今も残す。
先週の雪は降りやむこともなく、朝方まで降り続いた。
すでに家々の屋根には厚く雪が積もり、車も通らなくなった道路も雪に埋まり始める。

時折通り過ぎる車の轍が、雪を切り裂くように深く刻まれる。
深夜になると音のない沈黙の世界が、地上を支配する。
去年の夏は短く酷暑であった。

その影響であろうか紅葉も浅く短かった。
鮮やかに里山を錦繍に染めることもなく、忙しなく過ぎ去っていった。
その影響なのであろうか、2週に渡る週末の大雪。

日本の四季は人々を感動させる、自然の韻律の躍動がある。
季節ごとの自然の律動が、鮮やか奏でられることで、日本の四季が彩られる。
最近は地球温暖化が叫ばれている。

だが東京にも大雪が降った。
立春は過ぎたが、大雪により冬の厳しさを、いまさらながら教えてもらった。
日本の冬、そして東京の冬には、やはり雪が似合う。

金曜日に臨時休業したので、本日の日曜日、ショットバー・ピーポッポは営業いたします!




大雪のため、本日の14日(金)は臨時休業!
2014年2月14日

先週に続いて今日も大雪、困りました。
まことに勝手ながら、本日の金曜日は臨時休業いたします。
明日の土曜日は営業し、明後日の16日(日)は代替営業いたします。
皆様のご来店をお待ちしております(^^)



長谷川利行も島崎こま子も収容された、かつての板橋区の養育院
2014年2月12日

井上ひさし作の戯曲「太鼓たたいて笛吹いて」を読んでいたら、面白いことを発見した。
こちらからどうぞ↓
http://www.p-poppo.jp/1diary2014-2-13-medicalcenter.html




8日(土)は大雪予報、ピーポッポも臨時休業
2014年2月7日

立春を過ぎて3日、今日は温かな春日和。
梅の蕾も大きくふくらみ、やがて来る開花を待つばかり。
ところが明日の天気予報は、なんと大雪!

東京は一日中雪が降り続き、降雪は15センチに達すると言う。
一面の銀世界、子供たちは雪合戦を、久しぶりに楽しむことができるであろう。
日が落ちると辺り一面は、幻想的な世界に変わり、家の近くの竹藪は、幽玄な景色を映し出す。

だがその雪は交通網を遮断し、東京は交通麻痺となる。
明日の大雪に備え、8日の土曜日は、ショットバー・ピーポッポも臨時休業致します。
翌日の日曜日は、振替営業をしますので、ぜひご来店ください。




再々・・・入荷、大山地ウイスキー「大山」で乾杯!
2014年2月6日

大山ウイスキーは地元・大山を愛する、BarOasis(池袋)の鈴木博行さんと、
代々続く生粋の板橋っ子、島村尊光さんが勤務する、板橋区に本社を持つスコッチモルト販売㈱が、
「地域交流のきっかけに」という願いをこめて、誕生した地ウイスキーです。


華やかな香り、フルーティーでエレガントな、シングルモルト・ウイスキーです。
グラスを近づけるとフローラルな香りが広がり、口に含むと滑らかな熟成感が溢れ、飲み込むと戻り香が雅に漂います。
2013.7.4に発売された「大山ウォーカー㈱角川マガジンズ」で、ショットバー・ピーポッポと一緒に紹介されました。

大山・池袋の10店舗でだけ飲むことができます。
市販はされていません。

ぜひ一度お試しのほどを、きっとファンになることでしょう



三寒四温、春の足音
2014年2月4日

昨日のこと、駅に梅の開花を知らせるポスターが貼ってあった。
それは東武東上線から越生線へ乗り継いだ、越生駅にある越生梅園である。
かつて2回ほど出かけたことがあるが、2度ともすでに観梅の時期は過ぎていた。

越辺川(おっぺがわ)沿いに咲く、名残に近い梅の花が、何処か寂しげであった。
そして時折吹きわたる微風が、梅の香を微かに漂わせながら、流れ来たのを思い出す。
今年は2月中旬から、3月下旬が開花期のようだ。

関東の今頃は蝋梅の季節であろうか。
柔らかく黄色に咲く蝋梅の木は背が低く、梅園に近づと妖艶な匂いがあたり一面を包む。
鼻先を蝋梅に寄せると、艶然と雅な匂いが漂う。

それにしても昨日は暖かな一日であった。
都心では18度を越すところもあったようだ。
そして昨日は節分。

昭和30から40年代の東京は、今のようにマンションはなく、平屋の家屋が多かった。
町の辻々に街灯がともり、町に帳が落ちる頃、何処やらか豆まきが始まる。
すると遠く近くの家々で、豆まきの声が聞える。

家に年男や年女が居れば豆をまき、いなければ一家の主人がまく姿は、威厳とユーモアをないまぜにして愉しかった。
今では豆まきは神社や寺の境内で行われ、家庭からは姿を消しているのはいささか寂しい。
今日は立春である。

いよいよ梅の便りが、南の国から届き始める。
その花々の蜜を、メジロが啄む姿が目に浮かぶ。
静岡県熱海では熱海桜が梅と共に、桃紅色も華やかに開花する。

各地の桜の花々の蕾も、日々大きくふくらみはじめ、3月の開花を待つ。
桜が散ると桃の花が咲き、雪を頂いた南アルプスを背景に咲く、山梨県御坂の桃園は絶景である。
立春の今日、昨日の暖かさから一転、東京には雪が降り、瞬時ではあるが銀世界が広がった。

幸い雪も止み今は氷雨に変わっている。
昨日聞いた春の足音も、一瞬にして消えた。
だがこれからは三寒四温、やがて暖かな花の季節が到来するであろう。


2014 2014.01
2013 2011.12 2013.11 2013.10 2013.09 2013.08 2013.07 2013.06 2013.05 2013.04 2013.03 2013.02 2013.01
2012 2011.12 2011.11 2012.10 2012.09 2012.08 2012.07 2012.06 2011.05 2012.04 2012.03 2012.02 2012.01
2011 2011.12 2011.11 2011.10 201109 2011.08 2011.07 2011.06 2011.05 2011.04 2011.03 2011.02 2011.01
2010 2010.12 2010.11 2010.10 2010.10 2010.08 2010.07 2010.06 2010.05 2010.04 2010.03 2010.02 2010.01
2009 2009.12 2009.11 2009.10 2009.09 2009.08 2009.07 2009.06 2009.05 2009.04 2009.03 2009.01
2008 2008.12 2008.11 2008.10 2008.09 2008.08 2008.07 2008.06 2008.05 2008.04 2008.03 2008.02 2008.01
2007 2007.12 2007.11 2007.10 2007.09 2007.08 2007.07 2007.06 2007.05 2007.04 2007.03 2007.02 2007.01
2006 2006.12 2006.11 2006.10 2006.09 2006.08 2006.07 2006.06 2006.05 2006.04 2006.03 2006.02 2006.01
2005 2005.12 2005.11 2005.10 2005.09 2005.08 2005.07 2005.06 2005.05 2005.04 2005.03 2005.02 2005.01
2004 2004.12 2004.11 2004.10 2004.09 2004.08 2004.07 2004.06 2004.05 2004.04 2004.03 2004.02 2004.01
2003 2003.12 2003.11 2003.10 2003.09 2003.08 2003.07 2003.06 2003.05 2003.04 2003.03 2003.02 2003.01

2002.05-12