Today's Comment
June.2011.06

このたびの地震により、被害を受けられた皆さまへ、謹んでお見舞い申し上げます。

そして、一日も早い復旧と復興を、心よりお祈りいたします。






小さな旅&日記を更新
茨城県潮来「前川あやめ園」を訪ねて
2011年6月25日






土と人との大切なお付き合い
2011年6月17日


先日、植木屋さんのkさんが来店した。
早いもので、Kさんが最初に来店して、すでに17年位になるのだろうか。
その頃はまだ独り者で、今の奥さんとは結婚してなかった。
週末になれば、2人は仲良く来店し、Kさんは豪快にウイスキーやジン等、アルコール度数の高いお酒を飲んでいた。

やがて2人は結婚し、Kさんは今では、元気な双子の男の子のパパでもある。
さすがに最近は、昔に比べて酒量は落ちているようだ。
それでも私の店で飲むお酒は、やはりジンが多い。
そして好きなジンを飲むKさんと、なんとなく土の話になった。

東京で道路工事に携わる人に、東北出身の出稼ぎの人が多いと言う。
官庁等の年度末3の月頃の真夜中、あちらこちらで、道路の突貫工事も多く、道路が掘り起こされる姿をを目にする。
その時、工事に携わる人は、掘り起こした土のあり様に驚き涙するらしい。
余りにも、故郷の土とは違いすぎ、土が異様な臭いを発している。

道路の下に埋もれた土は、呼吸も出来ず、窒息し腐敗しているのだ。
最近は、小学校の校庭なども、土埃を防ぎ、水はけが良くなると言って、校庭をコンクリートで、固めてしまう所も随所にある。
きっとコンクリートで固められた下の土が、呼吸も出来ずに、苦しがっていることだろう。
それでなくとも、都会では子供たちが土に触れ、土と遊ぶ機会はとても少ない。

私たちの子供の頃は、東京の至る所に草むらがあり、雨降りの後などは、剥き出しの赤土がぬかるんでいた。
裸足になり、泥んこになりながら、服を泥だらけにして遊んだものである。
子供たちと土との触れ合いのなか、子供たちは自然を感じ、生命の根源を学ぶのである。
かつて農業は日本の原風景であったが、今では愚かな農業政策により、遊休地や休耕田が、無責任に増やされている。

一度放棄された畑を、元に戻すためには、とてつもない時間と費用がかかる。
土は大切に愛情を持って、手入れをしなければならないのだ。
栄養たっぷりの土が、緑あふれる森を育て、豊かな森が滋養に満ちて新鮮な水を作り、流れ行く果ての海が、海の幸の恵みとなる。
人と自然と土の共生が、人々に豊饒な幸を齎してくれるのだ。

するとKさん「マスター、神奈川県の丹沢の黒土は、素晴らしいですよ。栄養たっぷりで、黒光りしています」
「へー、良い土っていうのは、真っ黒なんだ?」
栄養たっぷりの土は黒く、そこに育つ植物は病虫害にも強く、健康に逞しく育つらしい。
物質文明に窒息しかけている今こそ、土と人との関係を、もっともっと真剣に考えなければならないであろう。






小さな旅&日記
那須茶臼岳・八幡崎ヤマツツジ園&殺生石を訪ねて
2011年6月11日





老人への贈り物
2011年6月7日


先週の日曜の追突事故以来、近くの整形外科に通ってリハビリをしている。
後頭部下の痛みが、リハビリのお陰で、少しずつ軽くなってきているような気がする。
追突事故の後遺症には、気をつけなくていけないですよと、多くの人がアドバイスしてくれるので、気長に通うつもりだ。

それにしても、病院通いなどにはまったく縁のない私が、整形外科でリハビリとは、自分ながら笑ってしまう。
リハビリの機械に首を乗せると、ゆっくりと機械が上下する。
その時間は約10分あまり。

何もすることがないので、リハビリセンターの中を眺め渡す。
殆どの人が、私より少なくとも10歳くらいは上だろうか。
色々な機械に向かって、言葉なしにじっと座り治療をしている人たち。

ベッドの上で足腰をゆっくりと伸ばす人。
ご老人が長い枕のようなものを背中に当て、ころころとマットの上で、柔軟体操をしている。
どの人の動きも、とても緩慢である。

私がここにいること自体が、少し場違いなような気がしてくる。
しかし、決して人ごとではないのだ。
私も歳から言えば、遠からず充分にそんなご老人達の、予備軍であることも間違いない。

世の中には不平等は多いが、老いることは平等であり、この世に生を受ければ、必ず死が訪れる。
整形外科に通うことになり、初めて高齢化社会が、確実に現実の問題であることを認識する。
さらに健康であることのありがたさを、改めて再認識した。

高齢化社会の到来と共に、アンチエイジングの様々な方法が語られることが多い。
健康に歳をとりながら、豊かな日常を愉しむことができる、美しい歳のとり方のメソッドなのだろう。
だがアンチという響きが、どうも好きになれない。

アンチ(anti)の抗という否定的な意味合いが、どうも気になる。
老化することに抗うことよりは、歳と協調するコー(co)エイジングといった方が、無理のない自然な響きを感じる。
豊かな経験を積んで歳をとることで、深く理解し愉しめることがたくさんある。
歳と協調し人生を謳歌できることが、長い人生の波濤を乗り越えた、老人への素敵な贈り物になる。



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