2006・5.31(水)


早い時間、久しぶりに、俳優の大木正司さんが、島田さんと来店した。
赤塚公園の方へ、散歩に出かけた帰り道。
まだ、板橋の赤塚辺りは、雑木林や藪など、武蔵野の面影を残す。
さすがに、最近の建築ブーム。

ほのかに香る笹の子の甘い香
小山は崩され、藪は整地され、次々と、マンションや一戸建てが建つ。
赤塚辺りで、初夏の香、笹の子を摘んで、お土産に持ってきてくれたのだ。
暫らくすると、お客様もみえたので、早速、焼き網にのせて焼いた。
赤塚山の里の香、竹皮に包まれた、泥付の細い笹の子。
ガスの火に焼かれ、竹皮は最初は褐色に色づく。
映画やテレビの悪代官も、今は優しい笑顔
裏表にひっくり返しながら、さらに焼く。
やがて、竹皮の中から湯気が上がり、笹の子の芽から、ポタポタと熱い雫が落ちる。
火から降ろし、器へ。
アツアツの竹皮をスルリと剥くと、薄黄緑の笹の子が顔を出す。
焼き焦げた懐かしい香。
子供の頃の焚き火の香。
旬の味覚は最高!
口に入れ、歯で噛むと、しんなり、むちリ。
初夏の里の恵み、笹の子。
噛むと、柔らかく、ほんのりと甘く、かぐわしい。
笹の子がよんでくれたのだろうか。
先客万来の楽しい一日でした。
季節の旬、大地の霊力が、きっと存在するのだろう

<大木正司さんの略歴>
劇団俳優座養成所(7期)に入所。
同期生に、上田忠好・田中邦衛・露口茂・藤岡重慶・井川比佐志・山本學・藤巻潤らがいる。
1958年、映画「純愛物語」に初出演。
その後は時代劇や戦争映画、テレビドラマに数多く出演。
声優としても活躍。
現在は、劇団青年座に所属。
1961に公開された、黒澤明監督「用心棒」の清兵衛の子分助十役は懐かしい。