築地米三郎監督との楽しい時間

7/17<火>


ダボさんと築地監督
先週の金曜日のこと。
「大怪獣ガメラ」、「秦の始皇帝」、「コメットさん」など、
日本の特撮映画の大御所、築地米三郎さんが来店した。
午後の六時頃、友達のダボさんから電話が。
「築地さん、7時頃みえるよ」
スタジオ経営とジャズ・ベーシストのダボさんと築地監督が来店した。

築地監督と井上さん
築地監督は84歳、とてもそんな歳には見えず、矍鑠、元気いっぱい。
二人はビールを飲み始める。
「マスター、良いね。どこか横須賀の匂いがする。
海の香りが漂い、遠くで船の汽笛が聞こえそうだ」
そして、エビスビールを飲みながら、酒談義が始まった。
さすが、映画生活、62年、酒やカクテルのことも詳しい。
そこへ、ガメラファンの井上さんが、ガメラの写真を持って登場。
早速、築地監督にサインを頼むと、喜んでサインをしてくれた。
嬉しいことには、私の分まで写真を作って来てくれた。

そして、お酒を飲みながらの映画談義が始まる。
築地監督、ますます絶好調!
口跡正しく、流暢な語り、そして、言葉に力が漲っている。
日本の映画の歴史、裏話、さまざまな秘話を語ってくれた。
10月には1時間半の映画を撮る予定だ。
シナリオ台本も見せてくれた。
84歳、まだまだ現役。
「マスター、私は活動屋なのよ。
昔の映画人はみんなそう思ってる。それに誇りを持ってるのよ」

築地監督と私
先日、九重裕三子が、築地監督のところへ。
コメットさんの40周年記念で、旦那と一緒に訪ねて来たらしい
そして、「先生、今度は50周年記念を祝いましょう」って言ったらしい。
「俺言ってやったよ。俺幾つだと思っているの。もう、この世にいないよって」
そこで、私も「築地さんだったら大丈夫ですよ。100歳でも現役、ばりばりじゃないですか」
すると、築地監督、「マスター、いい顔してるね。その表情が良いね。言葉も綺麗だし」
いちどう、吃驚!

頂いたサイン
「マスター、映画人の私が言うのだから間違いないよ。何か昔やってた?」
「8年ばかり、新劇ってやつやってました。そして、自分で」劇団を作ったり」
「そうだろ、そういう顔してるよ。存在感があって、どこから見てもいい顔だ」
「照れちゃいますね」
「その笑顔も実にいい!今度来る時、カメラ持ってくる。
そして、その写真を、俺の知ってる事務所に持ってってやる」
「ほんとうですか?芝居をやってたっていったって、30年以上前ですよ」
「マスターのその存在感、その味が良いのだよ。絶対に役者にするから」
現在、還暦クラスの存在感のある役者が、不足しているそうだ。

「これから、マスターのこと、座長って言わなければ駄目だよ!」
ダボさん、井上さん、「分りやした!」
日本映画界の巨匠、特撮の神様の鶴の一声!、その時から、私は座長になった。
そして、築地監督は、「マスター、役者だからね」と言う言葉を残して店を出た。
とにかく、満面に笑顔、そして、勢力的で、情熱的な84歳であった。
これからも、100歳をめざして、生涯現役の映画人でいることだろう。
築地米三郎監督の作品<特殊技術・特殊撮影・>
青竜の洞窟<1956>・豹(ジャガー)の眼<1956>・宇宙人東京に現る<1956>
日蓮と蒙古襲来<1958>・海軍兵学校物語 ああ江田島<1959>・黒い十人の女<1961>
秦・始皇帝<1962>・風速七十五米(メートル)<1963>・ど根性物語<1964>・銭の踊り<1964>
あヽ零戦<1965>・大怪獣がメラ<1965>コメットさん<1967>・宇宙怪獣ガメラ<1980>