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DECEMBER 2004−12

12/30<木>
昨日は今年初めての雪。
目を覚ましてカーテンを明けたら、雪景色でビックリ。
天気予報が当たったのも、これまた2度ビックリ!
年賀状作りに追われてながら、夕暮れ時に店に向かう。
徳丸辺りは一面の銀世界。
雪はまだ降り続いている。
この師走のせわしない時、店に行けば雪かきが舞っている。
少しばかり気が重くなる。

大山駅に到着。
すでに雪はやみ小雨模様だ。
アレレ、すでに雪は解けているではないか。
あまり、降り積もった形跡もなし。
かつて、区役所の人に聞いたことがある。
板橋区の地図を広げて、直線距離をはかったら、
何処のポイントからはかっても、8キロ以内だと言っていた。
でも、徳丸地区と大山地区は、こんなにも気温が違うのだから驚き。

夏には灼熱の太陽、冬にはわた雪。
日本の四季は美しい。
だが、そんなにも美しい日本の季節が失われていくのは、とても寂しいこと。
そして、四季折々の草花や自然に育まれた、
日本人のしなやかな感性も、いずれは消えていくのではと、考えただけでも悲しいこと。

12/26<日>
新聞を読んでいたら、とても良い詩が紹介されていた。
堀口 大学「人間の歌」より。
<石は黙ってものを言ふ
直に心にものを言ふ。
雨には濡れて日に乾き
石は百年易らない。
流れる水にさからつて
石は千年動かない>
まさに、日本庭園の石の美を語っているようだ。
何処かで、日本庭園とじっくりと向きあってみたいもの。
石はす。

12/24<金>
今年は、モルト・ウィスキーの消費が前年比で、11%も伸びたようだ。
ブレンデッド・ウイスキーは5年連続、前年比で7.3%落ち込んでいるのだから、
やはり、モルトウイスキーのちょっとしたブームは続いている。
でも、過去10年で2倍以上伸びたといっても、市場全体の4パーセントなのだからまだまだ。
でも、モルトにはモルトの良さがあり、ブレンデッドにはブレンデッドの良さがある。
タイプのまったく違うウイスキーを、同じ土俵に上げて良し悪しを論じるのは意味の無いこと。
それぞれのウイスキーの持ち味や本質を、じっくりと味わってもらいたいもの。

12/19<日>
先日のこと。
「マスター、今日は」
「やー、久しぶり。こんな時間、珍しいね」
「うちの弟です」
「わざわざどうも。噂には聞いてました」
「マスター、何時ものやつ。オンザロックで。おまえは何にする」
「兄貴と一緒でいいです」
「じゃ、マスター、二つ」
私はブレンデッド・スコッチのフェイマス・グラウスを二つ、コースターの上へ。

「何か、あったの?」
「うちの親父、先月亡くなっちゃって。いろいろ大変でした」
「それで、すべてかたずいたの?」
「それが、これから葬儀なんです」
「遅いね」
「病気が結核なんです。法定伝染病なんで、いろいろ手続きやら検査やらで大変でした」
「なるほど。それでだいぶ時間をとられた訳だ」

「そうなんです。葬式のお寺さんも決まって、やっと一息です」
「そうなんですか。でも何とか収まって良かったですね」
「葬儀のことで、寺に相談に行ったら、住職がなかなか冗談のキツイ人で参りましたよ」
「如何したの?」
「葬式、いくら位になるんでしょうかって聞いたの」
「そりゃそうだよね。初めてのことだし」
「そしたら、(金がかかるよ、葬式って物は)って言うの。いろいろ事情があって、あまり無いって言ったの」
「そしたら」
「(そりゃなんだな、親父の葬式なんだから、女房質に叩き売ってでも用意しなきゃ)って言うの」

「そりゃ、キツイ冗談だね」
「そしたら、となりの女房、シクシク泣き出しちゃうし参りましたよ」
「坊主も少しは気を付けてくれなくちゃね、まったく。悪い冗談だよ」
「葬式って、結構大変ですね」
「でも、つまらない冗談を真に受けて泣き出すなんて、今時いないな。そんな純真で純情な人」
「そうですかね」
「捜してもいないと思うよ。奥さん大切にしなくちゃ」
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12・10<金>
12/8<水>のこと。
昔馴染みのアカネちゃんが来店。
「マスター、何か気のきいたカクテル下さい」
「しょっぱなから、漠然と言われても難しいね」
隣のお客さまヒロアキさん、「今日は真珠湾攻撃の日ですよ」
「お!そうなんだ。それで行こう」
マスターはシャカシャカとシェーカーをふり、カクテル・グラスへ。
「綺麗!なんて言うカクテル?」
「パールハーバー」

またしても、博識のヒロアキさん、「今日は、ジョン・レノンの命日ですよ」
「そうか。今度は手ごわいな」
「イエスターデイなんかどう?」
「そうね。オリジナルで行くか」
アカネちゃん、「面白いかも」
マスター、しばし熟考。
またしても、シャカシャカ。
オンザロック・グラスに注ぎ、大きな氷をポトリと入れる。

グラスの縁にはミントチェリーを、カクテルピンで刺されたパイナップルを飾りつけ出来上がり。
「マスター、これ僕が飲んでいいの」
「OK。イエロー・サブマリーン」
「オリジナル?」
「いいえ。カクテルブックにものってるよ」
「メロンとパイナップルの味が絶妙。美味しいです」
12/8に掛けたカクテル遊びも楽しいですね。
12月の特選

2/4<土>
秩父の夜祭は最高だった。
まだ昨日の余韻覚めやらぬ秩父神社前を、午後3時過ぎに発つ。
祭りはまだまだ続くが、我々は帰路につく。
さすがに、秩父は寒い。
だが、秩父人の気持は厚い。
人の情の深さに触れ、祭りの熱気で、
体内に溢れる英気と迸る血流を注入されたようだ。

12/1<水>
ホテルのマッサージ師の話。
「都心の高級ホテルだと、色んなお客様がいるでしょう」
「そうですね。やはり、外国人が多いですか」
「倶利伽羅紋紋のお兄様なんかもいる?」
「いますね。脱いでみたら、びっくりですね」
「そんな時、びびんない?」
「仕事ですから、平気です」
「へー、そんなものですか」

「意外と地方の人が多いですね。それに、紳士的ですよ」
「揉んでる感じは如何なの」
「それが、何となく違うのですね」
「どんな具合に?」
「刺青のところに触ると、何故かひやーって、冷たい感じがするんですけど」
「墨が入っているから、皮膚呼吸が出来ないのですかね」
「そうかもしれません。でも、揉んでいると、だんだんと、絵が浮き出るようで見事ですね」
マッサージ師は、何時ものオールド・クローのオンザロックを、美味しそうに飲んでいた。
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