二日酔いとカクテル

酒は、程よく飲めば、百薬の長にして、酒は憂いの玉箒。
浴びるほど飲みすぎれば、百害あって一利なしであり、酒は命を削る鉋ともいわれる。
飲み過ぎの宴の後は、猛烈な二日酔いとともに、堪えきれないほどの下痢に悩ませられることは請け合いだ。
でも、飲んでるときは、楽しくて美味くて気持が良くて、何拍子もの揃い踏み。
明日は、野となれ山となれ、来れるものなら何でも来い!
気持は天に昇るほどに、大海原も一跨ぎの勢いは誰にも止められない。

目が醒めれるば、頭ズキズキ、目元フラフラの腹下り、トイレは連発の苦しさよ。
あんなに飲まなければ、あそこで止めれば、あそこで帰ればよかったと後悔はしきり。
しかし、咽喉元過ぎれば何とやら、夕方になれば、また飲む算段。
古川柳にもある、「酒のない国へ行きたき二日酔い、又三日目に帰りたくなる」
酒飲みとは、いかほどにも、罪のない懲りない面々だ。


二日酔い(宿酔い=
hangover)の時は、
取り敢えずは栄養のあるものを食べるのが最善だが、なにせ、食欲がない。
そんな時、
pick-me-up(元気を回復させる飲料)を飲むに限ります。
まずは、栄養を補給し、脱水状態から逃れるために、水やジュースなどの水分をとる。

栄養をつけるなら

ノンアルコール・カクテルのプレイリー・オイスター
PRAIRIE OYSTER)はいかがでしょうか。
オールド・ファッションド・グラスに、卵黄だけを崩さずに入れ、
トマトケチャップ1バースプーン、ウスターソース1バースプーン、
胡椒1ダッシュ、ビネガー2ダッシュ加え、一気に飲む


死体も生き返るカクテル
corpse-reviver
死人を生き返らせる飲みものなんて、げに恐ろしい言い方もあります。
取り敢えずは、二日酔いに効くカクテルやお酒は如何?

RED EYE(レッド・アイ)
トマト・ジュース・・・・・・1/2
ビール・・・・・・・・・・・・・1/2

冷えたジュースにビールを注ぎ、軽くステア。
仕上げに、栄養タップリの卵黄をポトリと入れると、更に効果はテキメン。

ウォッカにビーフ・ブイヨンを加えたのが
「ブル・ショット」
北欧の日曜日は、たてまえ上、全面禁酒の戒厳令。
そこで、レストランなどでは、人知れず酒を飲むための、苦肉の策が「ブル・ショット」
人は、如何してでも、酒を飲みたいもあさはかな動物。
ブイヨン・カップに入れて、
まるで、コンソメ・スープを飲む振りをしながら、こっそりと、ウォッカを飲む。

○ウォッカの代わりに、
シェリー酒にして飲んでも、とても二日酔いに効きます。
シェリー酒には、そんな効用もあるようです。

○特効薬は、いや特効酒は、なんたっても
アンゴスチラ・ビターズ
この酒は、ドイツ生まれのフランス人軍医シーガート(Johan Gottlieb Benjamin Siegert)が、
南米のベネズエラのアンゴスチラ町(現在のシウダード・ボリヴァル)のアンゴスチュラ英国陸軍病院で、
1824年に開発した、れっきとした医薬品。
やがて、ベネズエラの政情不安により、トリニダード・トバコに移住し、ラム酒として、1958年に販売し現在にいたる。
ラム酒に、りんどうの根からとる苦味成分ジェンチアンに、ニッケイ、キナ皮などを浸漬し配合している。
当時は、軍人のための健胃・強壮剤であった。

タンブラーにタップリの水を注ぎ、アンゴスチラ・ビターズを数滴垂らせばOK。
これは、本物の薬にして、最高の迎え酒でもある。
バーで気持ち悪くなったり、胃が痛くなった時、バーテンダーは、さりげなく、サービスで提供いたします。
バーには絶対に欠かすことのできないリキュールです。

ビールに一滴垂らすだけで、味はふくよかに広がりコクが増します。
さらに、アイスクリームにワンダッシュ、甘味が膨らむから不思議です。

アンゴスチラ・ビターズは、究極の隠し味と言えます。