芋焼酎のヌーボー

鹿児島では、1月の苗床造りに始まり、8月から12月まで収穫、
11月は芋焼酎の最適品種・黄金千貫の収穫最盛期。
芋は傷みが早いので、朝収穫したものは、細かく選別し、
すぐ洗って蔵元に送り、その日の内に仕込まなければいけない。
少しでも、キズがついた芋を使うと、味が落ちるほど、とてもデリケート。
多くの芋焼酎は、蒸留してから、素焼きの甕などに熟成するのだが、
この時季にかぎり、全国の本格焼酎の4割を生産する焼酎王国鹿児島では、
蒸留したての、焼酎の新酒・ヌーボーが登場する。
昔から、鹿児島では秋の風物詩。
量も少ないので、現地だけの特産品であったが、最近は全国的な焼酎ブーム。
東京でも、何とか努力すれば、手に入るようになったみたいだ。
甕熟成したものに比べ、やはり、アルコールが立ち刺激的だが、
香りはフレッシュで、鼻腔を華やかに抜けていき、
そして、芋の甘さが口の中に、ふっくらと広がり、
何時までも、まったりとした余韻を残す。