AUCHENTOSHAN/オーヘントッシャン

現在、ローランドにはシングルモルトの蒸留所は、4箇所存在している。
オーヘントッシャン蒸留所は、スコットランドの随一の大都市グラスゴーから、
16キロ北西にある、キルパトリックの丘の麓に流れる、クライド川に沿ってある。
オーヘントッシャンとは、ゲール語で「野原の片隅」という意味がある。
昔は、この草原にビールの蒸留所があり、後に、アイルランドで起きた、
18世紀の大飢饉が、スコットランドへの移住を誘発し、
蒸留技術を持ったアイルランド人が、この地のビール蒸留所を
モルトウイスキーの蒸留所に変えた。
オーヘントッシャンの特徴は、3回蒸留にある。
初めの蒸留で、モルトビールを濃縮し、2回目のインターミディエイト・スチルで、
55度のスピリッツを造り、3回目で81度のウイスキー原酒を造る。
般的には、一回目のウォッシュ・スチル(初留釜)でビールの濃縮液を造り、
スピリット・スチル(再留釜)で再蒸留し70度前後までの強度の酒を造る。
3回蒸留にする事により、酒質の柔らかくエレガントなウイスキーができあがり、
また3回蒸留をする事により、大変にウイスキーの熟成が早くなるとも言われている。
オーヘントッシャンは、とてもソフトでスイートなウイスキーなので、
初心者には最適かも知れません。
しかし、やや個性に乏しいと言う人もいる。
第二次世界大戦の時は、ドイツ軍の空襲を受け、蒸留所は大破され、
熟成していたウイスキーは全てクライド川に流れ出し、川は琥珀色に染まったそうだ。
蒸留所は大戦後に再建され、現在はサントリーの所有となる。