奥多摩湖畔
青梅・奥多摩湖
2007.12.2(日)


12月2日(日)、青梅に出かけた。
最近は好天に恵まれる。
今月はこれで関越は3度めだ。
高速沿いは紅葉に彩られる。
だが、群馬県の紅葉の鮮やかさには叶わない。
真っ直ぐな関越、快調に車は進む。
やがて、遠くに、秩父連山が霞む。

渋滞さえなければ、やはり、高速は早い。
30分くらいで、鶴ヶ島ジャンクションに着いた。
左にカーブして、圏央道へ。
この道はとても見晴らしがよく、気分は爽快。
畑あり、こんもりと小高い丘あり。
木々の紅葉も美しい。

紅葉と椿

やがて、30分も経たないうちに、青梅インターに到着した。
インターを降り、暫し進むと、国道411号・青梅街道に出た。
多摩川の清流に沿って進む青梅街道。
進むに従い、微かに開けた車の窓から、清涼な空気が吹き込む。
くねくねと川沿いの街道は、緩やかな登り道。
右手の高台には、青梅線が走っている。
やがて、青梅の銘酒「澤の井」の看板が、あちらこちらに目立つ。
そして、「澤の井」の小澤酒造近くに到着。

この近くには、川合玉堂美術館もあるはずだ。
青梅の地をこよなく愛した、日本画の巨匠の終の棲家は、この地であった。
蔵元の主人との心温まる交流。
そして、地元の人々との触れ合い。
青梅のすべてを愛した足跡を辿れる、
川合玉堂記念館は、ぜひとも訪れなければならないだろう。

「澤の井」の食事処、山女でもつまみに、「澤の井」をぐびりとやる。
多摩川の清流、木々の紅葉が燃える。
冷涼な風に、ひらひらと枯葉が舞い散る。
想像しただけでも、口の中には涎が充満する。
だが、今日の目的地は奥多摩湖。

「水と緑のふれあい館」前の公園
青梅線の日向和田、二俣尾、軍畑を過ぎ、
さらに、登りの青梅街道を進むと、御岳に到着した。
すでに、御岳登山を終えた人たちだろうか、
登山靴にリュック姿の中高年の人たちがいる。
御岳行きのケーブルカー駅にも、そこそこの老若男女がそぞろに。
停車する事もなく、横目にしながらさらに進むと、御岳渓谷。
渓谷沿いの紅葉狩り、
大勢の人たちが、鮮紅色に彩られた散策道へ進んで行く。

さらに、街道を進むと、眼下に渓谷、エメラルド色の岩畳。
そして、青々とした、多摩川の清流が、紅葉の木の間から見える。
青梅街道は紅葉街道。
色鮮やかに、紅葉は耀き、山々の木々は、錦秋の綾を織りなす。
そして、さらに進むと、すこし、寂しげな街道は二差路。
左にきって、楕円を描くように進むと、奥多摩湖があった。
大勢のバイカーやドライブの人たちが、湖畔の公園で休憩していた。

我々は、さらに奥へ進んでみた。
その先は、どうやら、山梨に続く峠道。
そのさらに奥は、大菩薩峠。。
引き返して、先ほどの公園で休むことに。
湖の彼方、小河内ダムが見える。

小河内ダムへ続く堤防
すでに、日もだいぶ翳り始め、空気も冷たい。
暫らく、公園で休息のあと、来た道を戻る。
ところが、戻るつもりが、違う方角へ。
しかし、それが幸い、
先には、見晴らしの良い整備された公園があった。

小河内ダム
駐車場に車を止め、公園内を散策。
湖畔伝いに進めば、小河内ダムに到達する。
ダムに続く巨大な堤防へ。
このダムに来たのは、今回で2回目だ。
15年位前、このすぐ下辺りで、
店のお客さま達と、キャンプをしたこともある。
そして、その縁で一組のカップルが誕生し、その後、結婚した。
その繋ぎ役の青年は、2年後、22歳にして、交通事故で他界した。

最初に、小河内ダムに来たのは、
たぶん、50年くらい前、世田谷の小学校の遠足だ。
しかし、50年経った今、まったくの記憶がない。
でも、来たことがあるという、微かな記憶だけで、
何故か懐かしく、愛着を覚えるから不思議だ。
湖上には銀鱗のさざ波。
紅葉した山々に夕日が落ち始めた。
湖畔に吹き渡る風も、
どこか、悲しげに、そして、肌を刺すほどに冷たくなって来た。

奥多摩湖の巨大な堤防。
湖の反対側を望めば、眼下、数十メートル、
巨壁の下に発電所があり、その向こうに多摩川が流れていた。
時間はすでに4時を回っていた。
堤防を引き返すと、目の前に、「奥多摩・水と緑のふれあい館」があった。
中に入るとセンター・ロビーがあり、案内係の女性が2人、坐っていた。
外の冷気に冷えた身体が、
部屋を温める暖房に包まれ、膨らむようで気持が良い。

3階へエスカレーターで登る。
レストランは閑散としていた。
隣の土産物売り場には、地元名産品が置いてあった。
ママはお土産を買う。
湖畔を見渡すベンチに座り一休み。
そして、螺旋の下り通路を降りながら、
小河内ダムの建設の歴史、
奥多摩の風景、伝統、民俗芸能などを紹介する、
幾つかの部屋覗きながら、元の中央広場へでた。

「水と緑のふれあい館」
外へ出ると、すでに、日は完全に落ち、夜空には無数の星が耀く。
夜空に煌めく星、幾星霜、人類が誕生した時から変らぬ耀き。
都心を少し離れただけで、こんなにも素晴らしい自然がある。
地球にもたらされたかけがいのない自然。
人類は大切にしなければいけないのだろう。