小さな旅&日記

清澄庭園から、浅草へ
10.8<日>

何時ものこと、起きてみれば昼過ぎ。
天気も良いし、何処か出かけるか。
あてもあるわけでもないけれど、外に出て、美味しい空気を吸わなければ。
何時も、家と店の往復。
休みの日は、家にいるのが惜しい。
3時頃、家を出て、江東区にある、清澄庭園へ行くことにした。
都立の公園だから、たぶん、着いた頃は、すでに、閉園しているだろう。
今日は、高速に乗らず、下の道を行く。
やはり、下の道は楽しい。
町の風情があり、人の温もりを感じる。

中仙道を上り、日本橋方向へ。
目的地は、浅草の先のはず。
地図も見ず、殆どあてずっぽうで進む。
別に、急ぐ必要もない。
道に迷うのも、いろいろと発見や驚きもあって、かえって新鮮。
思いもよらないところに、歴史的で、有名な建造物あったりして楽しい。
銀座のメーンストリートは歩行者天国。
迂回して、日本橋から、豊洲の方へ。
方向的には、かなりの大回り。
やはり、浅草を突き抜けて、真っ直ぐ行くのが正解かなと、少しの後悔。
でも、豊洲から、抜けて行けば、東陽町へ行く。
そして、江東区に入れば、たぶん、清澄庭園はある。

21階のアサヒスカイ・スカイルーム
やはり、秋の日は短い。
大きく、日が傾いてきた。
明るい内に、目的地に着きたい。
思ったとおり、目的の庭園があった。
車を置いて、ぷらりと散策。
やはり、すでに、庭園は閉まっていた。
門の扉越しに中を眺める。
なかなか、趣のある庭園のようだ。
場所は覚えたので、日を改めて、また来ることにしよう。
前の公園では、練習を終えた、野球少年たちが遊んでいる。
風に吹かれて、落ち葉が、音を立てて舞い踊る。
風も秋風、冷やりと肌をさす。
日はすっかりと落ち始めている。
いちおう、今日の、小さな目的は達した。

21階のアサヒスカイ・スカイルーム
そして、浅草へ。
吾妻橋のアサヒビールで、美味しい生ビールでも飲むことにしよう。
30分ほどで、吾妻橋へ。
すでに、日はすっかりと落ち、浅草の夜は華やいでいる。
地下の駐車場から、21階の「アサヒ・スカイルーム」へ。
入口のレジで食券を買い、窓際の席へ。
正面には、黄金色に耀く満月。
そして、高速道路と隅田川。
川沿いを東武鉄道が蛇行しながら、浅草駅に飲み込まれていく。
駅の向こうには、浅草寺が浮き上がり、境内の五重塔が煌びやかに耀く。
口に含む生ビールの泡は、粉雪のように白く柔らか。
口に含み、ごくりと飲み込むと、するりと喉を潤おしながら、身体のなかへしみこんでいく。
ホップのほろ苦くもせつない、すーっと淡いミントのような戻り香が楽しい。
ママはコーヒーを飲みながら、小ぶりだが、もちもちしたピザとソーセージで、軽い食事。
私はさらに。黒ビールの生を飲む。
浅草のネオンは、まだまだ、賑々しく、きらきらと耀いていた。

ピーポッポからチャンピオン
10/5<木>

「マスター、彼、山口っていうの。マスターの店のこと言ったら知ってるのよ」
「へー、誰に聞いたの?」
「小泉さん、建武官館の」
「そうなんだ」
「マスターの店、格闘家が結構来るでしょ。だから、連れてきたの」
「嬉しいね。小泉さんも、かつて、空手インターハイ・チャンピオンだったからね」
「へー、それは知らなかったですね」
「それから彼は、ボクシングに転向したの」
「そうなんですか」
「フェザー級の人気ボクサー。日本タイトルへは2回挑戦した。相手は、横田と葛西。2人とも名チャンピオン」
「僕も、建武館で、空手を教えて貰いました」
「ところで、ジムはどこ?」
「FIジムです」
「福田さんのところ?」
「そうです」
「トレーナーのヒロシさん、知ってるでしょ?今はいないけど」
「はい、岩永先生には、教えて貰いました」
「そうなんだ。彼とは10年くらいの付き合いになるかな」
「僕が東洋ランカーと戦った時、セコンドについていただきました」
「そうなんだ。彼には、チャンピオンを育てて貰いたかったんだけど」
「先生に、伝えておいてください。一緒に飲みたい言っていたと」
「伝えておくよ」
「マスター、山口君、11月に試合があるの。だから、のんびり出来るのも、今日が最後」
「そうなんだ」
「フライ級のA級トーナメントです」
「それじゃ、頑張らなくちゃ」
「はい、頑張ります」
「僕の店から、まだ、1人もチャンピオンが出ていないのよ。
チャンピオンだった人も、タイトルを取られてからだし」
「マスターの店、竹原慎二や鬼塚勝也も来てるみたいよ」
「最近は、忙しそうで、ご無沙汰だけど。昔は、よく来てくれたな」
「そうなんですか」
「僕らが応援してた、竹原さんの親友・田中光吉も、日本ライト級1位で頑張っていたんだけど。
3回タイトルに挑戦したけど駄目だったな。少し、運もなかった」
「田中さん、何回かお会いしました」
「そして、小泉さんの親友の前田宏明が来た時もそう。
4階級制したら、僕のところへ、ウェルター級のチャンピオンベルトを持ってきてくれるって、約束したのだけれども、駄目だった。
がから、誰か、早く、チャンピオンになって欲しいな」
「頑張ります」
「目指すなら、大きな目標を持って欲しい。目標が大きく、具体的なら、どんな苦しいトレーニングにも耐えられる。
そして、結果として、目標を達成した時、自分でも見えなかった世界が見えてくるはず」
山口選手は、澄んだ瞳でしっかりと、私の言葉に聴き入ってくれた。
性格の良い人間、他人に愛される人間は、どの世界でも大成する。
礼儀正しく、笑顔が可愛い青年だが、リングの上は、まさに、生死をかけた四角いジャングル。
私も、日本タイトルマッチで、KO後、選手が死ぬのを目撃している。
危険な命がけのスポーツだが、ぜひとも、山口選手には、大きな夢を実現して欲しい。

山口伸一
戦績9勝<3KO>2敗2分
H18.11.7東京出身
2006.10.8<日>
2006.10.1<日>ー2<月>


城ヶ島へ10.1<日>

 
奇岩・馬の背洞窟
今日は城ヶ島へ。
生憎の空模様。
2時頃、家を出る。
首都高から、最近、なじみになった、高速横羽線から横横線へ。
何時もなら、朝比奈インターで降りるのだが、今日はその先、衣笠インターで降りる。
天気を除けば、高速は快適。
雨の中、一気に、2時間足らずで、衣笠インターに到着。
三浦縦貫道から、国道134号へ。
道路標識には、目的地、城ヶ島が出現する。
何処か寂しげな町を抜け、片側1車線の、道を進む。
そして、左に丁字路を曲がり、真っ直ぐ進むと、城ヶ島大橋が出現。
有料代金100円を払い通過。
橋の向こうには、雨に咽ぶ海が、青黒く見える。
  
旅館のベランダから見た景色
左に、緩やかなカーブを切りながら進む。
やがて、道の両サイド、土産物屋さんが建ち並ぶ。
日曜の4時30分、そして、降り続く霧雨。
人気はなく、店の佇まいも寂しい。
やがて、正面に、広い駐車場。
地図を見れば、左の道を行くはずなのだが。
しかし、そこは、狭く、両サイドに、土産物屋が犇く。
とりあえずは、右手に行くが、そこは、行き止まり。
引き返して、最初に見た狭い道へ。
思い切って進入。
車が1台入れば、いっぱいいっぱいの道。
でも、進入禁止ではなかった。
ゆっくり、おっかなびっくり進む。
急な坂を上がったところに、間違いなく、目的の民宿「港屋」があった。
車を止め、なかへ。
 
旅館近くの城ヶ島灯台と銅像
宿の女性に、宿の説明を聞きながら、2階の部屋へ。
綺麗に整った部屋は、新鮮な畳の匂い。
荷物を置いて、扉を開け、広いベランダへ出る。
夕靄のなか、眼前には、広い広い岩畳。
その向こうには、穏やかな暗い海、薄黒く、光を失った墨色の空。
浴衣に着換えて小雨降る中、木下駄を履いて、玄関から外へ。
急な階段をとぼとぼ上り、露天風呂へ。
さすがに、露天風呂には、誰もいなかった。
身体を洗い、広い湯船に足を投げ出す。
日は暮れ始め、小ぬか雨が優しく降り注ぐ。
竹で編んだ柵越しに見る彼方の海。
岩畳の岸壁に、波が打ち寄せ、波が微かに白く泡立つ。
空はどんよりと重く、雲が垂れ込め妖しい残光。
音もなく、雨は降り続く。
晴れていれば、遠くに見える島影。
満点に輝く星空に照らされ、美しいシルエットをみせるのであろう。
広い湯船に、思い切り足を伸ばし、海辺の冷気を、身体一杯に吸い込む。
 
城ヶ島公園の見晴らし台
そろそろ、夕食の時間が近づいている。
風呂を出て、部屋に戻り、広い畳敷きの大広間へ。
すでに、他のお客様は食事をしていた。
席につき、まずは、生ビールで乾杯。
黒塗りの大皿には、刺身が盛り込まれている。
鯵の活け作り。
身をそがれた鯵が、必死に、パクパクと呼吸をしている。
外国人でなくとも、やはり、活け作りは残酷。
今更ながら、人間は業が深い動物。
サザエの刺身。
雲丹。
三崎であがった、本マグロのトロと赤身。

旅館の刺身・大皿盛り
鯵の目は透き通るような、マリーンブルーに光る。
パクパクともがくようで苦しげな呼吸。
ママは最後まで、箸をつけない。
残酷な活け作り。
だからこそ、全て、綺麗に食べ尽くさなければ、鯵に申し訳ない。
身を箸に取り、すりおろしたたての生姜醤油に。
口に入れて噛むと、ぷちぷちと弾けるようだ。
新鮮この上ないのだが、硬直して、鯵本来の旨味がない。
やはり、死後硬直していて、身が引き締まり過ぎる。
魚は野〆にして、適度な時間が経過した方が美味い。
時間が経過し、口も動かなくなり始めた頃、本来の鯵の旨味が味わえた。
本マグロの大トロ。
口に含み、歯で噛んだ瞬間、ぶじょーっと、口の中を、甘くとろリと旨味が溢れ、咥内を一杯に満たす。
大理石のように、幾重にもいりくんだサシの和牛、サーロインステーキのレアにも負けない程の、旨味が充満する。
そして、マグロのカマ焼き、骨の間の身をほぐし、軽くレモンを絞って醤油に。
ほくほく、もこっと、口の中に。
マグロのカマの野趣に溢れた、大胆な味わい。
 
城ヶ島公園の猫と景観
旅館の名物「カワハギの骨酒」を飲む。
カリカリに焼かれたカワハギの香が、熱燗の酒に広がる。
でも、何処で飲む骨酒も、酒が甘過ぎるのが気になる。
骨自体の旨味成分、さらに引き立てるには、かえって、辛口の酒がふさわしい。
心地よく、酒を飲み、旅館の手作りの料理を堪能。
あとは、部屋で、酒を友に、豊かな、まどろみの時を過そう。
部屋に帰り、ベランダの椅子に腰掛ける。
冷たいビールを飲みながら、遠くに微かに灯る明かりを眺める。
雨足は少し強く、空は漆黒、勿論、月も見えない。
海は薄黒く、盛り上がりながら、岩に打ち寄せる。
何所で鳴いているのか、鈴虫の音が響く。
 
城ヶ島公園の岩場
ゆったりとした、悠久の時の流れ。
大自然は、人間に英気と叡智を与えてくれる。
これまで、自分の人生の持ち時間など、考えもしなかった。
しかし、雄大な自然と向き合っていると、残された時間、
何か創造的な、有意義なものにしなければと、ただ、漠然と感慨に浸る。
買い付けていた日本酒を飲みながら、とりとめもなく、想像力が膨らむ。
12時半ころ、「凱旋門賞」。
それを見て、今日一日は完了にしよう。
ディープインパクトが出走する。
日本の悲願、ぜひとも、優勝して欲しい。
だが、結果は無念至極の三着。
  
城ヶ島公園の奇岩
10.2<月>
翌日、7時頃目を醒ます。
早速、露天風呂へ。
やはり、まだ、雨はしとしとと降り続けている。
さすがに、天気が悪いとはいえ、朝の風呂からの眺めは優美だ。。
遠くに大きな島が、靄に霞みながら横たわる。
どんよりと、灰色の空、薄黒い雲海。
トンビが風に乗りながら旋回する。
吹き渡る風も、何処か、雨交じりで冷たい。
風呂に足を伸ばし、大きく、磯の香いっぱいの空気は甘くふくらむ。
どこか、空の雲も明るさを取り戻しそうな気配が漂う。
折角の旅、雨だけは上がって欲しいものだ。
8時から朝食をとり、9時過ぎにチェックアウトを済ます。
外に出れば、すでに、雨はあがっていた。
車に荷物を載せ、近くの城ヶ島灯台へ。
 
城ヶ島公園の奇岩
壊れかけた石段を登ると、瀟洒な灯台があった。
朝の灯台、人気ない。
白亜のこじんまりとした灯台の向こうに、太平洋が広がっていた。
だんだんと、空も弱々しい光を取り戻し、雲海も明るく輝きはじめた。
きっと、今日は、素晴らしい、旅日和になるかもしれない。
旅館の駐車場から、車1台がやっとの道を出て、土産物屋で買い物。
そして、緩いカーブの道を進んで行くと、暫らくして、城ヶ島公園に到着した。
440円払って入園。
すでに、空はすっかり澄み渡り、青く高い。
雲海は銀色に輝き、たくさんのトンビが旋回していた。
時代劇に出てくる、丸く刈り込まれた松林の中、石畳の道を真っ直ぐ進む。
程なくして、視界が開け、遠くに見晴らし台が見える。

城ヶ島公園からの眺め 遠くに見える、城ヶ島大橋
舗装された広い道を進む。
晴れ上がって、少し汗ばむほどの好天気。
空には、ピーヒョロロと、たくさんのトンビが、大空の気流に乗りながら旋回している。
道には、猫達が気持よさそうに日光浴。
この公園には、あちらこちらに、たくさんの猫たちがいる。
野良猫特有の警戒心もあまりなく、おどおどと臆病な仕種もない。
結構、愛くるしくて、人懐こい。
猫好きには、応えられない公園だ。
展望台の階段を上がる。
晴れ上がった空。
瑞々しく、きらきら光る青い海原。
小さな漁船が、陽光を浴びながら、洋上に点在。
展望台の下から、岩場まで階段が続く。
狭く、急峻な階段を下ると、そこは、絶景が広がる岩棚。
 
城ヶ島公園の花々
満潮時、きっと、この岩場は海中に沈むのだろ。
まだ、波に洗われて、海水が溜まっている岩場もある。
乾いた岩に腰を降ろし、海上を吹き渡る、磯の香をのせた風を吸い込む。
大自然に抱かれると、生きていることを実感できる。
でも、その豊かな自然が、日常である人には、この素晴らしさは当たり前のこと。
きっと、あまり、感動する事もないのかもしれない。
自然を失い、都会に育ったからこそ、この雄大で荘厳な自然に、ただ感動できるのだろう。
 
城ヶ島公園の向日葵と、丸く刈り込まれた松
来た道を引き返す。
ママはかなりきついようだ。
私は、普段のトレーニングのせいか、いたって快調。
遅れるママに歩調をあわせながら、上りきる。
そして、海鵜の繁殖地、さらに、馬の背洞窟へ。
狭く、細く、昨日来の雨でぬかるんだ、潅木に包まれた小道を下る。
木々に囲まれ、さらに狭い、獣道のような下り坂。
急な階段を下りると、目的の岩場があった。
気の遠くなるほど永い時が紡ぎ出した、波涛と岩の芸術作品。
抉りとられた岩が、ぽっかりと大きな口をあけている。
今にも削り落ちそうになった岩。
それを、馬の背にみたてているのであろう。
空洞の向こうには、青く輝く海原と、澄み切った、高い秋空が広がっていた。
  
馬の背の向こうに広がる、海と空
ママは磯で貝殻集めをしている。
岩場には近づくと、無数の海に生息する生き物が蠢いていた。
秋の陽光を浴び、浜風に吹かれ、彼方に広がる海を眺める。
大自然は、人間の存在が、なんと、ちっぽけな存在なのか、思い知らしてくれる。
人間は、いつも、自然に対し、傲慢な挑戦をせず、謙虚に、そして、崇敬の念を持ち続けなければ、
取り返しのつかない、大きな過ちを犯すことになる。
すでに、11時を回り、太陽は中天に昇り、鰯雲が幾重にも陽光に輝く。
来た道、険しい道を上り、駐車場に戻らねばならない。
空に舞うトンビの数は増え、無数に舞い踊る姿は優美。
甲高くいピーヒョロロの声は、高く澄み切った空に響き渡る。
 
空を旋回する、たくさんのトンビ
駐車場を出て、油壺マリーンパークへ。
20分くらいで到着した。
駐車場にはあまり車もなく、閑散としていた。
中は、あまり人影もなく寂しそうだった。
マリンパークの正門で、案内板を見る。
いろいろなイベントがあるようだが、どれも、子供向きのようだ。
あまり時間もないので、素通りする事に。
これから、三浦海岸を通り、横浜に抜け帰ることに。
空はますます高く、抜けるように青く、雲海も耀く。
30分ほどで、三浦海岸に到着。
久しぶりに見る三浦海岸。
  
奇岩・馬の背と辺りの風景
高校3年の時、クラスの連中と、京浜急行で、海水浴にやって来た思い出がある。
当時は、デイトナビーチ三浦海岸とか言っていた。
とりあえず、海岸沿いの駐車場に車を停める。
12時半、昼食の時間だ。
どこか、美味しそうな料理屋はないものかと探すと、大きな看板が見えた。
出かけてみると、本日は定休日の札が掛かっていた。
少し歩くと、「魚敬」の看板。
案内通りに、海岸端を歩いて行くと、瀟洒なお店があった。
店内は、うっすらと明るく、民芸風の趣。
海岸の見渡せる窓際の席は塞がっていた。
席に着きメニューを見る。
私は、生ビールとランチ。
ママは刺身御膳を注文。
三浦海岸へ降り注ぐ陽光を、眺めながらのビールは美味い。
ゴクゴクと喉を滑り落ちる快感はたまらない。
城ヶ島近くの海鵜の生息地 奇岩・馬の背へ向かう小道
やがて、本日のランチ、「鯵の定食」
鯵の目はマリンブルーに輝き、串打ちされた身に、大根のつま、大葉。
盛られた鯵の刺身は甘くしっとりとし、心地よい歯ごたえ。
小鉢に盛り込まれた、トビウオのナメロウ。
小骨と刺身を叩いて、絶妙の粘りとさくさくの噛み味。
生姜醤油に付けると、生姜の爽やかな辛味と、ナメロウの旨味が引き立てあう。
そして、鯵のてんぷら、佃煮、味噌汁、ご飯、香の物。
これで¥750とは嬉しい。
ママも、新鮮な刺身御膳¥1600に大いに満足。
店を出て、近くのコンビニで缶ビールを買い、海岸で暫し休息。
浜風を浴びながら飲む、昼下がりのビールは、最高の醍醐味。
秋空の下、沖には漁船が点々と浮び、人のいない広い浜には、海鳥が歩いていた。
 
鯵のランチと刺身御膳