小さな旅&日記

初詣は明治神宮へ 
2005.1.5<水>

燦然と輝く本殿

元旦はママの希望で明治神宮へ。

自宅から、車で一時間たらずで着く。

さすが新年、道路は空いている。

都内の道路事情は何時もこんなならよいのだが。

原宿からの表参道は規制されていた。

仕方なく、澁谷方面に向かう。

公共パーキングがあった。

少し遠いが我慢して駐車。

トコトコと線路沿いを原宿方面へ。

以外と人出が少ない。

破魔矢を持って帰る人もなし。

道を間違えていないか、少し不安になる。

やや!岸記念体育館が見えた。

方向に間違いはなし。

代々木体育館前の陸橋から。露天マーケット風景

陸橋を渡ると、左手に露天商がずらりと店を構えていた。

でも、此処はたんなる正月特設の露天のようだ。

さらに少し進むと、人並みがドカッと一方向に流れていく。

流れについて進むと、大鳥居があった。

やっと着いたのだなと一安心。

玉砂利をザクザクッと歩く。

道脇の樹叢には、昨日の雪が残り、枯山水の侘びの風情。

だいぶ日も落ちてきた。

歩いた先には、人の波、参拝の大行列が待っていた。

南神門前の鳥居。まだまだ、まだまだ遙遠い。
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この時間、元旦といえども空いているのだろうとの、甘い期待は一瞬にして瓦解。

逃げ出したくなるほど、本殿は気の遠くなるように遙かかなた。

横に大きく広がった人の列、縦の列の先はは見えないのだから、検討もつかない。

でも、これでよいのかもしれない。

神様に頼むのだから、あまりにも安易に本殿で柏手を打つのは、あまりにも都合が良すぎる。

永い永い時間の果てに、やっと実現することに意味があるのだな、一人で納得。

それにしても、正月だというのに、着物姿の女性も男性もいないのは寂しい。

正月は、日本人にとって、一年のハレの日。

車で来る途中の町々、正月のお飾りを玄関先に飾る習慣も薄れてきているようだ。

日本の古くからの季節の情趣も、崩れ始めてきたのかもしれない。

やっと南神門までやってきた

参詣の列は牛歩の歩み、少しずつ少しずつ前へ。

大きな液晶画面が見える。

明治神宮に関する、さまざまの映像が、企業のコマーシャルをはさみながら流れる。

背伸びをして、列の頭越しに見ると、どうやら、スクリーン前で、列が右方向にターンしているようだ。

と言うことは、あそこから更に列は何十列も続いているのだろ。

日はすっかり落ち、冬の冷気が辺りを包み込み、吐く息も白く煙る。

しかし、人の群れ、人の熱気で寒さを感じないのだから不思議。

やはり、人が全て。

人が少なくては、経済も尻つぼみになる。

すっかり、少子化の道をたどる日本の将来に、少し暗澹たる気持ちになるのは思いすぎか。

南神門前の人ごみ

やっとのことで、スクリーン前にたどり着いた。

背伸びすると、遙か遠く、南神門の鳥居が見える。

きっと、あの先に本殿があるのだなと、勝手に想像。

だんだんと、列がきちきちに凝縮されて、身動きが出来ない。

まるで、満員電車だ(私の人生、ほとんど、満員電車は経験してないのだが)

押され押し合いながら犇くように、狭い鳥居を通り過ぎる瞬間、急に列の歩みのスピードがあがる。

ドドッと潜り抜けると、前方に金色に燦然と輝く本殿が鎮座していた。

本殿内から、ドードーン、ドドーンと太鼓の音が響く。

警視庁の警官が拡声器で誘導する声が、幾重にも大きく聞こえる。

「お賽銭は、人に当たらないように投げ入れてください」

「参拝した方は、向かって左方向へお進みください」

「押さずに、順番に進んでください」

やっとのことで、本殿が近づいて来た。
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まるで、幼稚園児の誘導のようだが、こんなときは簡単明瞭が最善。

制帽の前に、賽銭除けの透明な合成樹脂のフルフェース姿もコミカルだが、

年始からのお仕事に、ご苦労様と思わず言いたくなる。

縦列はザザッと横に広がる。

あとわずかで目的地に近づく。

一時間半は掛かっただろうか。

中央最前列にやっとの思いで無事到着。

無心で柏手をパンパンと打つ。

やっと目的達成、何故かほっとする。

やはり、願い事をするには、これくらいの努力苦労をしなくては、
神様のご加護もあるはずも無いのだろう。

参拝の後は、押し出されるように、誘導路へ。

道のの両サイドは警官にがっちりと囲まれているので、すんなりと境内へでる。

着物姿の女性の横のママ
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今年も元気で頑張ります

ママとすんでのところ、はぐれそうになる。

辺りをキョロキョロと見渡すがママが見えない。

何処にいるのか少し心配になる。

この人だかり、はぐれたら大変なこと。

新年早々、迷子でなくて、はぐれママでは笑いにならない。

ママも心配だったのだろう。

私を見つけて、嬉しそうに飛んできた。

私も内心、ほっとした。

帰り道、境内の縁起物の売店で、ママは交通安全のキーホルダーを。

私はお御籤を百円で購入。

此処のお御籤には吉凶の運勢が無い。

大御心のご託宣が書かれている。

家に持ち帰り、大切に保管するように書いてある。

ポケットにしまいながら、ぷらぷらと屋台廻り。

縁起物のお札、破魔矢、御守りの販売所

たこ焼き屋、ラーメン屋、焼き鳥屋やら、縁日なら何処ででもある屋台。

決しておいしい代物ではないのだが、縁日で食べる味はまた格別な物。

私達は、明治神宮食べ物市場で少し休憩をする。

ママはやっと吸えるタバコを美味そうに、スパーッスパーッとくゆらせている。

既に7時を過ぎ、だいぶ寒くなってきた。

こんな時はやはり、熱燗でキューッといきたいもの。

案の定、一合瓶のお神酒と書かれた日本酒が、たくさんお湯で燗つけされている。
400円は少し高いなと思いながらも購入。

寒さで凍えた私の五臓六腑に、キューッと熱燗が染み渡る。

やはり、冬場は熱燗が一番と感じ入るのだが、

お神酒に文句もつけたくないが、この酒は熱いだけで、なんともひどい酒だ。

400円より高くてもいいから、もう少し美味い酒にしてもらいたいものだ。

正月早々、ケチをつけるのも縁起でもないので、此処は我慢我慢と合点する。

一息ついた私達は、神宮の森の霊気を感じながら、帰り道をトコトコと歩く。

神宮の森は深く静謐。

深く深呼吸をすると、森の木霊が答えるようで気持が良い。
きっと、今年は良い年になってくれるだろ。