小さな旅&日記

お花見と酒の楽しい一日
 4/25<日>

根津神社 紫紅、白、朱、黄 ツツジ饗宴
亀戸天神 薄紫の藤棚 妖艶な夜の藤

25日の日曜日、予定通り花見に出かける。
まずは根津権現のツツジ見物。
さすが、駐車場も一杯で順番待ち。
やっとの思いで駐車。
参道は、縁日のように露店が建ち並び、人でごった返している。
少し危なげな気配の露天や屋台は、お祭りの気分を演出してくれる。
最近、お祭りもなにやら健康的になりすぎて、いささかつまらなくなっている。
やはり、ハレとケ、健康と不健康。

そして町には悪場所もあって、はじめてデリケイト・バランスを保てるもの。
小さな赤鳥居のトンネルを潜り抜けると、そこには一面のツツジの饗宴。
赤やピンクや白や黄色のツツジの花が、小高い山一面に咲き乱れている。
あちらこちらで、ツツジを背景に写真を撮っている。
私たちも、負けずにクシャ、クシャ、ママの写真を撮影。

「これ、黄色、綺麗ね」
「ほんとだ、初めてだね、黄色いツツジを見るのは」
ぷらりぷらり、ツツジの花に誘われて、ツツジ満開の苑」をそぞろに漫遊。
そして、権現様にお参り、柏手をパチッと打って、都合よくも勝手な願い事。
さてと、帰り道、露天の回廊の通り抜け。
「焼き鳥を食べない?」
「あったっけ?」
「ほら、あそこ」
「目ざといね」
ママは、大好きなカワを2本とカシラ。

私はレバーを頼みたかったのだが、残念の売れきれ、タンを2本塩で注文。
少し硬くて、味もイマイチ。
しかし、此処で味をとやかくなんて、野暮は言わないのが江戸っ子。
さー、次は亀戸天神。
春日通りを真っ直ぐ行けば、厩橋にでる。
昔なつかし、かつての地元池之端・湯島を抜け、上野広小路へ。
さらに、一路、浅草へ。
おっとどっこい、道を一本間違え、稲荷町に出てしまう。

合羽橋とは地元の長老は絶対に言わない菊屋橋を右に折れ、
寿町を抜けて春日通りを左折。
後は、真っ直ぐ何処までも直進。
厩橋を渡りながら、墨田の川風に吹かれ、
左手にアサヒビールの得体の知れない奇妙なモニュメント見ながら、快適に疾走。
本所を抜け横川に到れば、そこはもう亀戸。
くにゃくにゃ路地を抜けて、亀戸天神の東門、車を入れると駐車場があった。
交通整理のオジサンが車を誘導、スムーズに駐車。
オジサンに、「料金はどちらで?」
「無料ですよ。そのぶん、はずんでください」

今時、なんともキップが良いこと、ありがたくて涙がでそう。
初詣の鎌倉なんて、一時間停めても、すべて1日料金。
セコイトコトこの上なし、さすが下町器量が違う。
池の周りの藤も、境内の藤も見事に満開。
薄紫のたわわに咲き誇った藤の花が、風に吹かれ、
右に左にゆっさゆっさと揺れる様はなかなか妖艶。
太鼓橋を渡り、一面の藤を見渡せば、まさに藤花の桃源郷。
下の池には、亀がぷかりぷかり浮んだり潜ったり。
なかなか長閑で満ち足りた優雅な時間。

またもや、せっかくの天神様。
柏手パチンパチンと願い三昧、なんとも日本の神様は心が広い。
池の周りやら、境内やらを散策。
日も落ち始めた。
露天の店も、そろそろ店じまい。
寂しげになった露天道を抜け、船橋屋で名物の葛餅でも食べて一服。
残念無念、すでにホールは店じまい。
仕方なく、土産だけ買って、店を後にする。
このままでは、何か間が抜け物足りない。
ぷらぷら散歩。

赤提灯がドカッ、目に、そしてホルモン焼きのメニュー。
ガラリッと戸を開け、カウンターへ。
まずは、私は生ビールを、ママは車の運転、ウーロン茶を注文。
レバー、カシラ、タン、ハツを2本ずつ塩でオーダー。
馬刺しをつまみながら、夕暮れ時の一杯は堪えられない。
どの串焼きも、ホクホク、ジューシー、なかなかの美味。
特にレバーは申し分なし。
今度はタレで4本注文。

咽喉も潤い、〆にはグイグイ、焼酎をダブル・ロック。
名残惜しいが、第一陣はこれで切り上げ、まだまだ夜は長い。
会計を済ませ、外へ。
すでに、日はとっぷりと落ちている。
さてさて、これから車を飛ばし、
第二弾、上板橋のケルビンの店へ直行。
コンビニで買ったビールを助手席で飲みながらのドライブ。
何時やっても気持が良く、満たされた気持。

8時30分頃、FGK@FEに到着。
当日はライブの日。
日本人や外国人でゴチャゴチャ盛り上がっている。
カウンターに近ずくと、おやおや偶然にも、カーネルおじさん。
ジュニアと一緒にいるではないか。
「驚いたね、カーネルさん。ここ、すぐわかった?」
「説明とおり、簡単に来れましたよ」
「何時来たの?」
「開店と同時。まだ、ケルビンさん、スタンバイの最中。

ピーポッポのこと言って入れて貰ったの。先に、楽しませてもらってますよ」
「ケルビンさん、久しぶり。生ビールくれる。ママは何にする?」
「わたしは何かジュースを下さい」
私は生ビールを飲み干し、ペルーのビール・クリスタルをオーダー。
(ペルーのビール生産量は50万KL−60万KL。
その約半分の30万KLを、バッカス&ジョンストン社が生産。
その、メインのビールがピルスナー・タイプのクリスタル)
黄金色のすっきり爽やか、飲み口はさっぱりさらさら。

当方にはいささかあっさりしていて物足りない。
さらに赤ワインをグビリグビリと飲み始める頃、
こちらのメートルもぐんぐん上、ライブも盛り上がり始めた。
中年オネ-チャンやら、本物オネーチャンやら、白人ののっぽオネーチャンやら。
ベリーダンスやデタラメダンスを踊るやらの大騒ぎ。
負けじと、カーネルさん、
昔仕込みのオリーブ臍入れベリーダンスのお披露目。
これがなかなかセクシーでユウモラスたっぷり。

感動したお客がジーンズの中へ、1000円札をねじ込む。
私もオネーサンに誘われ、昔懐かしいゴーゴーダンスまがいのヘボ踊り。
連中の輪へ飛び込む。
まだまだ、ノリはこれから。
無情にもママ、「もうそろそろ、約束の時間、行こうか」
「じゃー、此処で待ってるから、連れてきて。
そしたら出かけることにしよう。此処で待ってるから」
そして、ママは家に戻り、娘を連れてFGK@FEに帰還。

娘も一杯飲み、私も更に赤ワインを飲み心地よくほろ酔い気分。
だが、更に今日の本番、家族で三次会、居酒屋へ。
居酒屋では日本酒の樽だし生酒を飲み、刺身でもつまむのだが、既にだいぶ酩酊。
店もラストオーダーでしぶしぶ退去。
帰りがけ、酒屋で焼酎を買い、家でトリプルロックでグビグビ飲むが、睡魔が直撃、布団でゴロリで一巻の終わり。
花見のはしごに、酒のチャンポン、何とも楽しくも愉快で、感動的、花見と酒に明け暮れた満足な一日でした。


初めてのCTスキャン
4/19<月>

このところ、左後頭部と首の付け根の辺りが、ズキズキの鈍痛。
そして、時々左手の指が微かに痺れ、握力も入らない時があり、
硬いボトルの栓を開けるのもに苦労する時がある。
今日は、特にズキズキ頭が痛む。

ママに、「今日、俺医者に行ってこようかな」
「そんなに痛むの?」
「うん、チョットね」
「じゃ、今から行く?」
「いや、まだ、新聞読んでないから」
「じゃあ、何時?」
「2時半頃、どう?」

そして、予定の時間に近くの病院へ。
「じゃあ、ここで」
「私も行く」
「え!止めてよ、恥ずかしいじゃないか」

受付を済まし、しばしの待機。
私の名前がスピーカーから流れる。
「如何しましたか?」
「最近、頭のこの部分がちょっとズキズキするのですが」
「この辺りですか?」
「ええ、そうです」
「別に、なんともないようですが」
「血圧を測ってみましょう」
私は上着を脱ぎ、台の上に腕を出す。
「上が128、下が83、良い数値だね」
「チョット前は何時も、上が150位、下が110位あったのですが」
「左も計って見ましょうか」
「お願いします」
「127の82、やはり同じで、なかなか良い数値だ」

去年から始めた、血圧に良く効くブラブラ体操のせいなのだろうか、高かった血圧が大きく下がったのは嬉しい。
医者には、もう少し血圧が高くなったら、薬を飲んで下げましょうと言われていた。
「そちらのベッドに横になって下さい」
私は仰向けになる。
ゴムのクッション付きの金鎚のようなもので、膝やらをポコッポコッと叩く。
「痛くないですね?」
「ええ、大丈夫です」
ベッドから起き、元の診察の椅子に戻る。

「別に問題はないようですね。多分、この首の骨に少し障害が出て、神経を圧迫してるのだと思いますよ」
「そうですか。脳には異常はないですかね」
「大丈夫だと思いますよ。首にあまり強い衝撃を与えないように気を付けて下さい。こんな感じの、柔軟体操でもするといいですね」
「柔軟体操ですか?少しキツメのはダメですか?」
「例えば?」
「片手片足腕立て伏せを左右10回、2本指たて伏せ10回とか」
「凄いですね。別に、問題ないでしょう」
「良かった。習慣になってるものですから、やらないと気持ち悪くて」
「そうですか。なんでしたら、CTでも念のためにとって見ましょうか」
「そうですね。お願いします」

私は、簡単な書類を持って、地下のCTスキャンの撮影室へ。
しばし待つと、すぐに私の番が来た。
細長いベッドが部屋の真ん中にある。
「靴を脱いで、ベッドに横になって下さい」
私は言われたとおりに横になり、黒い硬そうな枕に、頭を乗せ仰向けに寝る。
黒い枕に頭をしっかりとセットし、身体にベルトを胸と足の辺りに巻きつける。
ベッドはほのかに暖かく、枕も温シップしているようで、なかなか気持ちよい。
出来るものならば、このままウトウト居眠りでもしていたいほどに、なかなか宜しい。

「目を瞑ってください。始めますから、リラックスしてください」
ベッドがスーッとスライドしているようだ。
相変わらず、ほの暖かくて気持が良いが、何が始まっているのか、
目を明けて見てみたい、好奇心の誘惑に負けちゃいそうだが、此処は我慢。
グイーン、バチャン、始まったようだ。
グイーン、バチャーン、きっと頭の断層写真を撮っているのだろう。

10分位経過したのだろうか。
撮影は終わり、地下のレントゲン室の受付で、今撮ったばかりの写真を受け取り、元の診察室へ写真を届ける。
名前を呼ばれ中へ。
映し出されたネガ写真で、生まれて初めて、少し不安げに、自分の脳の中身を見る。
確かに、今まで高校の生物か何かで教わった通りの形をしている、何か不思議に得心が行った。
それも、横からバッサリ切り取った断面を見るのは、何か可笑しな恐いような、変な感慨を覚える。
「写真を見ても、何処も異常が見られませんね」
「そうですか。この、頭の痛みはいずれ取れるというう事ですか」
「そうですね。薬を出すほどでもないですが、ビタミン剤を2週間分出しておきましょう。多分、それで治ると思いますよ」
でも、何が原因でこうなったのか分からずじまいだが、取り敢えずは大事にならず一安心の1日でした。


「人間て素敵だな
4/6(火)

昨日は、エライ目に会った。
久し振りに、初夏のような陽気に誘われ、スーパー銭湯に出かける。
ジャグジー風呂やらサウナやら露天風呂にユックリ浸かりながら、
半分は寝椅子で日光浴をしなfがら、ウトウトと寝転んでいる。
強い陽射しで、顔がヒリヒリと焼けているのがわかる。
普段、あまり陽にあたらないせいなのか、きっと肌が陽に弱くなっているのかも。

3時間も経つと、段々と込み合ってきた。
私達の商売柄、人ごみにはメッポウ弱い。
風呂を出て、生ビールでも、風呂上りに一杯なんて行きたいところ。
でも、昨日少し飲みすぎ、今日は冷たいソフトドリンクで我慢しよう。
身体を拭いて着替え、階下の食堂兼居酒屋兼休憩所へ。
メロンフロートなど柄にもないものを頼み、奥のテーブルへ。

歩きながら、グラスにスプーンを入れた途端、アレレレレ、泡が吹いて床にこぼれた。
近くのテーブルにグラスを置き、ダスターを取りにカウンターへ。
そして、こぼれたソフトクリームの泡を右手で床を拭き始めた。
ギク!アッ!肩が外れた。
蹲りながら、何とか肩が入るのをじっと我慢するが、いっこうに入る気配なし。
回りの人が、皆こちらを見ている。
いったい全体、どうしたんだろう。
あの人、何してんだろうと怪訝な顔。

恥ずかしいどころではない。
グギッと痛いことこの上なし。
額からは、脂汗がタラリタラリタラリ。
近くの年配の三人連れの一人が、「大丈夫ですか?」
「何とか、もう少しで入ると思うのですが、イタタタ」
「辛そうですね、大丈夫?」
「何とか、もう少し、頑張ってみます」

しかし、一向に入る様子はなし、痛みは増してくる。
「すいません、ちょっと荷物を見ていてください」
「分りました」

私は、マッサージの受付に行く。
「済みません、肩が外れてるので、誰か入れられる人、いませんか?」
そこに居合わせた、マッサージ師の人が、「此方へドウゾ」
マッサージ室に案内された。
一番奥の布団へ案内された。
奥の部屋に、「肩が外れたそうなので、お願いします」
ガッチリとした体躯ではあるが、黒い瞳がやけに優しそうな、マッサージ師の人が出てきた。

「チョット、椅子を持ってきて」
私は椅子に座る。
「如何です、此方には曲がりますか」
「イタタ、駄目です」
「此方へは」
「イタタタ、駄目です」
「此方には」
「駄目です」
「此方へは」
「アッ!入りました」
コキンという音とともに、スポッと肩に収まった。
「有り難う御座いました。楽になりました」

「よく外れるのですか?」
「10年以上も前は、よくやったのですが、最近はなかったのですがね」
「気をつけた方がいいですね。昔、千代の富士も脱臼に泣かされましたから」
「何か、体操をしてますか?」
「毎日片手片足腕立て伏せを、右左10回ずつやってますが」
「肩の筋肉を付けるには、こんな体操が有効ですよ。できれば軽いウエイトをもってやれば、更にいいです」
彼は、私の前で実技をして教えてくれた。
「如何もいろいろ有り難う御座いました。代金はどう致しましょうか?」
「とんでもありません、代金なんか」
私も失礼かとは思ったのだが、咄嗟のことで、他にいい手立てもないので、仕方なく切り出したのだが。

「本当に、有り難う御座いました」
「手をつらなくても大丈夫ですか?」
「大丈夫だと思います。有り難う御座います」
「お大事に」

私はテーブルに戻り、一休みしてからホールを後にする。
三人連れに、「先ほどはお騒がせしました」
「よかったですね」
玄関に近いマッサージの受付に、先ほどのマッサージ師の人が立っていた。
「先ほどは、有り難う御座いました。おかげさまで、肩がとても楽になりました」
「それは良かったですね。お気をつけて」
「有り難う御座いました」

人間っていいなー素敵だなー、肩はまだ痛いのだが、なんとも晴れやかな気分!
素晴らしい人間の優しさに触れたようで、とても嬉しい1日だった。