小さな旅&日記


酒はいつも「百薬の長」でありたいもの
11/20<木>

今日は第三木曜日、二の酉にして、ボジョレー・ヌーボーの解禁日。
ボジョレーは多くが、ガメイ種の葡萄の単一のワイン、
とてもフルーティーで、すこし冷やして飲んでも美味しい。
ヨーロッパの酷暑・熱波の異常気象、今年は大変に出来が良いそうで楽しみ。
美味しいからといって、ついつい飲みすぎてしまい、
翌日は身体は重く、頭ガンガン、ひどい下痢に襲われそうな嫌な予感。

なんでこんなにまで飲んでしまうのかと、自分ながらはなはだ呆れかえり、
よしこれからはもっともっとスマートに、飲むぞなんて思う事しばしば。
しかし、咽喉元過ぎれば何とやら、トップリと夜が更ければ、元の木阿弥。

赤ワインにはポリフェノールがタップリ。
動脈硬化や心臓病を防ぐ効果がある。
ポリフェノールは糖分の変化したもの、タンニンや赤い色素のアントシアンも同類。
葡萄の皮と種にたくさん含まれるため、白ワィンの十倍以上、赤ワインには含まれている。

しかし、酒は適量飲めば「百薬の長」、飲みすぎれば「百害あって一利なし」
毎日飲むワインの適量は、タンブラー一杯位です。
季節感がなくなった昨今、招福開運のお目出度いお酉様にあやかりながら、
初物のヌーボーを飲めば、昔から言い伝えられてるとおり、
「初物を食べれば寿命が七十五日日延びる」と行きたいもの。

だが、飲みすぎにはくれぐれも気をつけないと。
一週間に二回位の休肝日を是非ともとりたいもの。
出来なければ、せめて、一回、駄目なら、二週間に一回位は最低でも欲しいのだが。
でも、これがなかなか、酒飲には難しい相談。


早起きは、人の輪を大きくする
11月9日<日>

11月5<火>紀尾井小ホールへ出かける。
開演は2時からなので、当方には結構大変な時間だ。
でも、たまの赤坂、麹町界隈、江戸っ子の当方には、胸がワクワクもの。
昼時の赤坂ひとつぎ通り、ランチタイム時、人で溢れ、食べ物屋さんは何処も大繁盛。
赤坂は、以外に食事どころは少ないのかもしれない。
並んでまで食事はしたくないので、ぶらぶら散歩でもしながら時間つぶし、日枝神社でも参拝してみよう。

かつては、まだヒルトンホテルと言ってた頃、よくホテルサービスに出かけたものだが、
神社の前を素通りするだけで、参拝するのは初めてだ。
正面の広々とした石段を上がる。
お昼時、あちらこちらで、若者達が階段に腰掛けながら、何処かで買い求めたお弁当を広げ、
秋のやさしい陽光を浴びながら、美味しそうに食べている。
境内に入ると、さすがに立派な社がどかりと、威厳をもって正面に控える。
型どおりに参拝する。
東京十社というものがあるようだ。
日枝神社・根津権現・王子神社・亀戸天神・富岡八幡神社・白山神社・品川神社・芝大神宮・神田明神・氷川神社・
とりあえずは、白山神社と品川神社だけは、近日中に参拝してみよう。
私の十社廻りは完成するなどと思いながら、神社の急な裏階段を下りて、赤坂のひとつぎ通りへ。

先ほどの賑わいはもうなく、イタリアンレストランで食事をとる。
店の従業員の若者たちが、はきはきと元気に働いている姿は、見ていても気持がよいもの。
私にしては、珍しい外食での昼食、時間をとても得をしたような気がする。
この時間、まだ熟睡している事も度々、やはり早起きは何かの得なのだろう。
腹ごしらえもしたし、まだ開演まで時間がある。
折角だから、すこしぶらぶら散策をしよう。
弁慶橋をわたり、交差点を左に折れ、ホテル・オータニの前を過ぎて左に曲がり、
紀尾井坂を登れば、そこが目的地。
でも、まだ時間に余裕がある。
右に曲がって麹町に行ってみよう。

だらだらと上り坂を登りきれば、そこは麹町、赤坂とは一味違う商店街が開ける。
方向音痴の山勘で、ひだりに曲がり、てくてくと歩く。
秋の昼下がり、赤坂・麹町散策はなかなか気持がよいもの。
はて、もう時間もあまりない。
このあたりで、左にまがれば、多分紀尾井坂に出るはず。
すこし不安ながら、だらだらくねくねと坂道を下る。
間違えたらそれこそ大変、きっと出るはずと心に言い聞かせながら歩く。
ほっと一息、紀尾井坂の交差点に出た、俺の山勘、当りじゃないかと少し誇らしい気持になる。

坂を登りきると、まだ少し時間に余裕がある。
ホールの前の小高い土手は、紅葉でとても綺麗、ちょっとだけ紅葉かり、休んでいこう。
急峻な狭い階段を登ると正面、彼方にはには迎賓館が見える。
日本の秋はこんなにも美しいのかと、少しばかり安っぽい感傷に浸りながらベンチに腰を暫しおろす。
そろそろ制限時間いっぱい、ホールへ出かけなければと向かう。

ホールのエレベーターで4階へ、受付でチケットを貰い、席へ。
すでにかつての仲間たちが着席をしていた。
なかには、30数年ぶりの再会、外であってもお互いまず分らないなと、ヘンに納得しあう。
この歳になると、何処か病気自慢になってしまう。
癌で入院して大変な思いをしたやら、糖尿病になったやら、
胆石の手術をしたやらで、健康上の辛い思いをみなしてるみたいだ。
いたって健康にして、毎日片手片足の腕立て、右左10、親指と人差し指の2本指で腕たて10回、
そして、他人様にはとても見せられない体操を、欠かさずやる私目は、
なんとも肉体に関しては、いたって健康にして恵まれる事この上なし。

いよいよ「語座」の幕がスルスルと上がる。
かつての仲間、喜多川 拓郎、我らの通称デンちゃんが登場。
ヒョウヒョウとした持ち味で、原作志賀直哉「清兵衛と瓢箪」を語る。
前回の語りより、今回の方が聞いていてとても心地よく伝わる。
2回めの公演なのせいなのか、少しリラックスし自然体で語るものだから、
こちら側にも、無理なく伝わってくるのであろうか。
原作藤沢 周平「夜消える」語り・横尾 まり、
原作東野 圭吾「マニュアル警察」語り・目黒 光祐、そしてトリを、山本 周五郎「松の花」語り・槙 大輔。
何と閉演まで2時間半近くもの時間が、あっという間に過ぎた。

言葉のプロが語る美しい日本語は、聞いていてとても気持がよいと共に、何処か心に安らぎを感じる。
最近はとみに日本語が乱れ、聞くに堪えないような表現が多くなってきている。
言葉のプロが一語一語大切に、丁寧に語る言葉を聞きながら、
「そうだよなー、昔、日本人はこんなに美しい言葉を、普通に話し語っていたのだよなー」
こんな当たり前なことを気づかせてくれるのが、この「語座」の会かもしれない。
いつもだっらた、飲み屋でいっぱいというところだが、今日はみんな時間がないようだ。
私もお店がこれからあるし。

四谷で夜の部に来る仲間と合流する事になる。
とろとろと土手沿いの道を歩きながら、7,8分で四谷駅に出る。
暫らくぶりの四ッ谷駅、綺麗なビルが正面にドカ。
すでに仲間がカフェ・レストランで待っていた。
みんな、酒は飲まず、コーヒーやらジュースを飲みながら、とり止めもなく雑談。
すると、仲間の一人が役者さんを紹介してくれた。
「山田 レイコさんです。一人芝居をやって頑張ってる人です」
彼女のことは、以前、仲間から聞いていたが、会うのは初めてだ。
なかなか気さくで、サクッとして好感が持てる人だ。
「次の公演はぜひうかがいます。ぜひ連絡をしてください」
山田 レイコさんは平成11年度芸術祭賞演芸部門で、
「山田 レイコひとり舞台」の成果に対し、優秀賞が送られている。
その年の演劇部門の新人賞は野村 萬斎、演芸部門の新人賞は一石堂。
早起きをして出かけ、人に会うと言うことは、人の輪を大きくするものなのですね。