アルコール依存症と断酒会

日本はアメリカなどに比べると、アルコールの法的規制がとても緩やかである。
アメリカはピュ-リタニズム等の影響もあり、大いなる悪法の異名をとってしまった
「禁酒法」に見られるように、酒に対する規制はいまだに厳しい。
路上で酒を飲む事は勿論、ゴールデンタイムにTVのコマーシャルで、
お酒の宣伝を放映するなど論外である。
日本社会においては、酒が社会的な存在として、社会や組織において強制され、
酒の飲めない人を、「付き合いの悪い奴」「下戸」として蔑み、
アルコールハラスメントを引き起こす事さえある。
社会的な結合のシンボルとしての酒を、意識的に飲む事により、
精神的な苦痛を避け、やがてはアルコール依存症になり、
重度のアルコール中毒患者にもなる。
あれほど酒に寛容だったはずの社会が、
一転し「集団のスケープゴート」として、酒におぼれた落伍者として、
社会的制裁を加え、冷酷にもアルチュウとして断罪を下す。
アルコール依存症の私も、永い間来る日もくる日も、
性懲りもなく酒を飲み続けていました。
或る日のこと、突然、コーラ色の真っ黒の尿が出て、
まったく動けなくなりました。
それからは、酒を飲む事もままならず、毎日点滴を40分欠かさずに、
半年間打ちつづけました。
今は何とか身体も良くなってきたので、医者に止められてる酒を、
凝りもせずに楽しく飲んでいます。
酒を飲まないでストレスをためるよりか、少しづつ命をちじめるのとどちらが良いのか、
比較にならない比較をした結果、なかなか難しいのですが、
上手にお酒と付き合う方を私は選びました。
しかし、点滴を打っていた7年くらい前から、
何故か昔ほど酒が飲めなくなっているようで、
限りなく、身体には優しくなっているようです。


断酒会の基本的な考え方

. アルチュウとは酒の奴隷だ。
. アルチュウは心身の病気だ。
. アルチュウは断酒会でなおる。
4. 今日一日だけやめよう。
.例会に必ず出席しよう。
6.語る事は最高の治療。
7.例会では断酒の話しのみ。
.宗教と政治は語るなかれ。
.断酒会で商売をするな。
10.酒害者のために働こう。
11.立派な家庭人になろう。
12.奥さんは最良の治療者。
13.酒害者には卒業がない。
断酒会の誓い

1.私どもは酒の魔力にとらわれて、自分の力だけでは、
どうにもならなかったことを認めます。
2.私どもは、過去の過ちを悟り、
迷惑をかけた人々に、できるだけの償いをします。
3.私どもは互いに助け合い、酒癖に打ち勝って、
由々しく新しい人生に挑戦します。
4.私どもは酒癖に悩む人々の相談相手となって、
酒をやめるように勧めます。
5.私どもは宗教や思想に関係なく、
断酒会の同志として団結します。
「酒飲みの社会学」清水 新二氏より
アメリカでは、アルコール依存者や中毒者が治療して回復して、
社会復帰をした人に対しては、大変に高い評価が下されているそうです。
日本も、アルコール依存症から回復した人たちに対して、
そんな優しい眼差しを持った社会が一刻も早くやってくるといいですね。
全日本断酒連盟
久里浜アルコール症センター