高校を卒業し、はや半世紀!!
(母校都立千歳ヶ丘高校18期同期会レポート)
2015年4月19日

ツツジもほころぶ春日を浴びながら、懐かしい上野へ出かけた。
上野は私を社会人にしてくれた町である。
31年前まで上野広小路にある料理屋で、9年の間、支配人をしていた。
仕事を終え湯島への帰路、上野の夜桜を眺めた。
初夏も近い頃、仕事への道すがら、清水観音堂から、蓮の葉そよぐ不忍池の風情を、愉しんだものである。
今日はその上野公園にある精養軒で、高校の同期会がある。

精養軒も私の勤める店と同じ、上野のれん会の会員で、当時の社長は福島静子さんと記憶する。
久々に降り立つ上野駅は、想像以上に賑やかで、豪華に変貌していた。
公園に向かう階段の傍らに、昔ながらの似顔絵描きたちが、客待ちをしていた。
階段を上り葉叢も爽やかな、桜並木を行くと、遠くに精養軒が見えた。
精養軒を写真に収めていると、同級生の女性に会う。
そして二人で話しながら玄関を入ると、すでに仲間たちの笑顔が見える。

会場の3階へ階段を上ると、受付に今日の同期会を進行する、3・4組の幹事たちが迎えてくれた。
会場にはすでに、大勢の同期生たちが集まっていた。
50年もたつと、昔の仲間のほとんどの顔は、可笑しいほどに不鮮明である。

挨拶を交わされ、名前を聞いても、記憶は朧である。
そのような名前の人はいたかなと、不確かな記憶が微かに甦る。
胸に3年のクラスと名前を記す札を付け、自己紹介をしながら、参加者の多くは照れ笑いをする。

本日の参加者は92人、卒業生が440人くらいであるから、その参加率はとても高い。
12時に予定通り開宴し、本日の同期会幹事の挨拶があり、乾杯をする。
そして会場は和やかな空気に包まれた。

やがて1組から9組まで、会場の前へ順番に並び、短い自己紹介が始まる。
それぞれがユーモアを交え、過去、現在、そしてこれからの展望などを語る。
今年68歳になる我々の世代は、若々しくエネルギッシュである。

勿論、すでに鬼籍に入った同期生もいる。
だがいまだ現役で仕事をしたり、ボランティア活動を、精力的にしている友も多い。
全クラスの自己紹介が終わるころ、宴も終りに近づいてきた。
2時間の同期会は、談笑とともに愉しく過ぎた。
そして最後に恒例の校歌合唱になる。
全員に校歌の書かれた紙が渡され、早稲田大学グリークラブの指揮者であった、仲間の指揮で合唱する。

校歌を歌う全員の顔に、半世紀前の高校時代の思い出が溢れている。
そして同期会は終宴し、2次会へ移り2階の会場へ。
そこには65人が参加していた。
先ほどまで何処かすまし顔の面々も、ほろ酔い機嫌でリラックスしている。
あちらこちらへお酒を片手に、旧交を温めていた。
古き友と再会し飲む酒は美味し!
会場の外は眩しいほどに陽光が注ぎ、若緑も鮮やかに輝いている。
昔なら私たちの歳は、十分に老人であった。
腰が曲がり杖をつき、しゃべる言葉もおぼつかなかった。
だが今も社会に参画し、様々な活動に、情熱も燃やしている友たち。
元気で矍鑠と長く生き、次の世代へ培った経験を伝える責務が、私たちにはある。
今日ここに参加している同朋たち全員、溌剌として躍動的である。
これからの人生、元気でいることに感謝し、微力ながら社会に還元したいものである。
そして二次会も終わり、さらに三次会へ上野の町に繰り出した。
三次会には幹事の面々も参加し、愉しい時間を過ごさせていただいた。