小さな旅&日記


気配りのない社会は、嫌だね!
7/26<土>

大暑も過ぎたと言うのに、いっこうに暑くならない。
梅雨寒の毎日が続く。
凌ぎやすいのは結構な事だが、暑い季節には暑く、
寒い季節は、やはり寒くなくては、世の中の景気や景色も狂ってしまう。
昔、東京の下町では、殆どの家庭には内風呂など無かった。
たとえ、お金もちで内風呂があっても、銭湯に出かけたもの。
私が支配人をしていた店の旦那も、
「支配人、これからチョックラ、湯屋(ゆや)に行ってくるから、よろしく」
下駄を履いて、ソクサクと出かけたもの。

時には、銭湯で、板さんやコックさんまで見つけてきた。
チョット前の話、老人が湯屋でお湯につかる時、
「ひえもんだよ、ごめんよ」
と言ったそうである。
自分は老人で身体が冷たいから、湯に入ると、
お湯が少し冷めるけど、「ごめんよ」と断りを入れたのである。
時々、スーパー銭湯に出かける。
露天風呂の寝椅子に横になって寝ていると、
隣の椅子が空いた。

すると、若者が手桶に一杯にしたお湯を、バチャー!と椅子に勢いよくかけた。
綺麗な満天の星のロマンに耽っていた、
ロマンチストの私の顔にもビシャーッ!と飛沫が飛んできた。
フザケルナー、バカヤロー!と怒鳴りたいところだが、
そこは紳士でダンディーな私め、グッと我慢。
なんとも、礼節や礼儀を重んじる日本人もここに極れり、
なんとも腹立たしくもなり、哀しくもなる。
もう少し、他にたいして思いやりや優しさのある社会になってもらいたいもの。


燃えず、怒らず、静かになったな、俺達。
7/14<月>

そろそろ、梅雨も終わるのか。
毎日、雨模様のぐずついた日が続く。
今日はなんとか、雨があがりそうだが、やはりパッとしない。
それにしても、なんとも肌寒い日の連続。
半袖だけでは風邪をひきそう。
海の向こうのヨーロッパ、フランスでは演劇週間。
南仏プロバンスでは、「アビニョン演劇祭」が開かれる。

例年、世界各国から多数の劇団が参加し、
カンヌ映画祭にもひけをとらないほどの国際的なイベント。
しかし、今年の第57回の祭典は中止になってしまい、おおいに残念な事。
演劇関係者の多くは、公園期間以外は定職を持たない季節労働者。
フランス政府は、年507時間以上働けば、一年間の間、失業保険を給付し、
かげながら演劇関係者を保護していた。
しかし、フランス政府はこの制度を廃止、給付をストップする事となり、
演劇関係の労働者が抗議、全面的ストに突入するに至った。

文化や芸術に対し理解と愛情が深く、伝統に庇護のあついフランス政府も、
背に腹はかえられず、暴挙に走ったのであろうが、
敢然と立ち上がるフランス演劇関係者に、日本から大きなエールを送りたいもの。
フランス人演劇関係者たちに漲る、熱い血に羨望の念さえも感じる。
それに比べて、今の日本は、悪徳や腐敗や堕落などに怒らなくなってしまた。
昔は、人はもっともっと不正義に対し、大きな声で「NO」を叫び、身体で抗議をしたもの。