Kさんの結婚式の司会以来、23年がたっていた! 2017年5月6日 Kさん夫妻が久しぶりに、来店してくれた。 ゴールデンウィークは、思わぬ人たちが、来店してくれるので嬉しい。 Kさんが、私の店に来たのは、30年くらい前に、なるであろうか。 Kさんの仲間たちと、大勢で来店してくれた。 大晦日、除夜の鐘が終わる頃、仲間たちと新年の挨拶に、やってきたことも懐かしい。 そして、ある日のこと、Kさんが来店し、私に。 「マスター、彼女ができる、良い方法はないですか?」 そこで私はメスカルの、グサーノ・ロッホを取り出し「このお酒を飲みほし、中の虫を飲むと、幸運が訪れるらしいよ」 するとKさん「飲みますッ! 飲み干して、虫を食べますッ!」 それ以来、来店するたびに、メスカルを飲み、飲み干して赤虫を食べた。 そして、数か月後、現在の奥さんと来店した。 「マスター、本当でした。彼女ができました」 Kさんが笑顔で、彼女を紹介してくれた。 私はお祝いに、彼女の誕生日に、オリジナルカクテル「散る桜」をプレゼントした。 それは1994年4月11日のことである。 その後、私の店へ二人で来店した、ある日、二人に結婚式の司会を頼まれた。 そして結婚式の当日、神田明神近くにある、会場のホテルへ出かけた。 神田駅を降りると、祭りばやしの音と、神輿の威勢の良い掛け声が聞こえた。 その日は、山王祭、深川祭と共に「江戸三大祭」の一つ、神田明神の大祭・神田祭の5月14日だった。 二人の結婚を、江戸の祭りが、華やかに祝っていた。 それからすでに、23年の歳月が経つ。 現在、Kさん夫妻には、二人の息子がいる。 長男は成人し独立、次男は大学生である。 二人の笑顔に、あたたかな家庭のぬくもりが溢れていた。
|