電話を取ると、かとちゃんからだった。 「マスター、今日、みーの誕生日なんだけど、ケーキの持ち入りいい?」 「もちろん。それはおめでとう!」 暫くして、みーさんと、かとちゃんがやって来た。 「みーさん、おめでとう!」 二人はカウンター席に着いた。 かとちゃんが持ってきた、スウィーツは、ROLL MADUのロールケーキだった。 さっそく箱を開けて、それぞれのお皿に分けた。 そこで、主役のみーさんのケーキに、ロウソクを立てて火を灯す。 私はお店の照明を落とした。 ゆらゆらと、幻想的に、誕生日を、炎が演出してくれた。 そして、みーさんが、ふーっとロウソクの炎を吹き消した。 私たちは、もちろん、おめでとう!と言った。 みーさんは笑顔で、ありがとうと返してくれた。 そして、私も、桃のたっぷりと入った、ロールケーキをいただいた。 ロールケーキはしっとりと繊細な甘さ。 生クリームは爽やかに、気品を感じさせる滑らかさ。 さくりと、ケーキの中の桃を噛むと、口の中は、甘美に匂い溢れた。 あらためて、お誕生日、おめでとうございました! そして、ご馳走さまでした。 |