チリビールとチリ産ビールの間違えが、オムレツに変わる!
2016年6月18日

久し振りにSさんが来店した。
私は「いつものブナハーブン12年ですね?」
「お願いします!」と笑顔でこたえた。

そしてさらに同じものを追加し、竹鶴17年とカリラ12年を飲む。
Sさんは私の店に、13年くらい前から来店している。
その頃はまだ22歳で、ウイスキーは飲まなかった。

だが深夜遅く、私がブナハーブン12年を飲むのを見て、すっかりこの酒のファンになった。
それ以来、飲むお酒はほとんど、シングルモルトウイスキーになる。
そして最後の一杯に、チリビールを注文した。

私はチリビールと聞き、メキシコの唐辛子入りのビールかと思い、グラスに注ぐ。
「マスター、ピリ辛ですね!」
「そう、このビールは辛いから、何か食べながらじゃないと、少しきついかな」

「チリのビールじゃないのですか?」
「えッ!? このビールじゃないのッ? 南米のチリのビールッ?」
「でも、マスター、このビールはピリ辛だけど、美味しいです」

「それは失礼!」
「マスター、何かこれにあう料理をください」
そこで私は、具だくさんのオムレツを、作ってさしあげた。

赤色のパプリカ、ピーマン、タマネギ、ジャガイモ、そしてウィンナーソーセージの具だくさんオムレツ。
「チリビールにぴったりです! これで帰りに何も食べなくて済みます」
チリビールとチリ産のビール、気をつけなければと、少しばかり反省した。