多趣味なKさんと機械式腕時計・タカノ
2014年7月15日

Kさんの本職は花屋さん。
東京と福岡に会社があり、忙しい毎日をおくる。
だがその合間をぬうように時間を作り、大好きなプロレス観戦を欠かさない。

去年は108回の観戦とは、驚異的な数字である。
すでに今年も現在まで、65回の観戦を記録する。
だがそれだけでない。

歴代のプロレスラーのサインも収集する。
その数も800を越す膨大なものである。
さらにジーンズのリーバイスに関して、プロ級の詳しさは驚嘆に値する。

そしてまた、今は無きタカノ(高野精密工業)の収集も、膨大なものであると聞く。
タカノは1899年に名古屋で、掛け時計の製造を開始した歴史ある会社である。
その後
1957年9月10日から、 機械式腕時計の製造を開始

そして1962年8月1日までの僅か4年11ヶ月で、腕時計の製造を終えた。
或る日のこと、Kさんが何時もとは違うアタッシュケースを持って来店した。
そしてカウンターに座り、馴染みのカナディアン・クラブの水割りを飲む。

しばらくすると、先ほどのケースを取り出し開けた。
その中にはタカノの腕時計が、整然と並んでいた。
その時計は奇麗に磨かれ、それぞれの表情で輝いていた。

だがこのケースのコレクションは、所蔵の一部。
どうやら総数は170本を越すようだ。
その他にアメリカンウォッチ&スイスメイドを合せると、300本になると言う。

私は時計のことはあまり詳しくない。
だがKさんと話していると、機械仕掛けの腕時計の魅力が伝わる。
そして時計にまつわる様々な歴史や物語を聞き、時計職人の素晴らしさと魅力を教えてもらっている。