20年振りのご来店
2012年4月14日

11時頃だろうか、中年男性が3人来店した。
3人の内の1人、Aさんの話を聞けば、私の店に来店するのは、20年振りだと言う。
かつて、大山駅から数10秒に、昔ながらの木造2階建てのアパートがあった。

そのアパートに、Aさんは大学を卒業した後も、何年か住んでいた。
当時のアパートは、4畳半1間とか、6畳半1間で、共同のトイレに洗面所が普通であった。
そのアパートも、かなり前に取り壊され、現在は時間貸の駐車場になっている。

その駐車場も、近々ビルに代わるようだ。
Aさんは現在、実家のある石巻に住んでいる。
やはり東北大震災は、凄まじい体験だったようだ。

一緒に来店した友達は、お母さんを津波の犠牲で失ったと言う。
私のお店に来店したお客様で、肉親を亡くした人に、会うのも聞くのも初めてであった。
1年の歳月は重く苦しいものであったのであろう。

本人の口から、母親の死を語る言葉は、穏やかで静かだった。
それは死を受け入れることが、筆舌に尽くしがたく深く悲しい体験であることをしるす。
かつて10年以上も住んだ大山を、20年振りに訪ねてみれば、かつて在った店は、今ではほとんど存在しない。

ひょっとしたらと思い、私の店を訪れた。
すると昔と変わらない佇まいで、ショットバー・ピーポッポは存在した。
そして懐かしさのあまりに、私の店を訪れてくれたのだ

私の店も、今年で28年になる。
これから先、何年営業できるかは、神のみぞ知る。
昔の大山の、古き良き俤を残すためにも、これからも出来る限り頑張ります!