Mさん、8年ぶりの来店
2012年02月11日


7日のこと、お店に電話が入った。
それは広島からだった。
広島弁で話す声は、懐かしいものであった。

「マスター、分かりますか? 広島のMです。久しぶりです。今度の11日の土曜日、店は開いてますか?」
「もちろん、日曜日以外は大丈夫だよ」
「それなら、今度の土曜日、店に行きますけん。ママも元気ですか?」

「毎日、元気で店に出て来ているよ」
「なら、ぜひ行きますけん、待っといてください」
そして、土曜日の11時半頃、お店にやって来た。

H大学のボクシング部に所属するMさんは、私のお店のすぐ近くに住んでいた。
当時、ボクシングの練習の後、経済界の大物が集まる、銀座にある有名な会員制クラブで、アルバイトをしていた。
その頃は、経済界にも元気があり、アルバイトで稼ぐ給料も驚くほどであった。

やがて、2部に降格されていたボクシング部を、Mさんが主将になり、1部リーグに復活させた。
そして大学を卒業し、大手の観光会社に入り、ツアーコンダクターになった。
Mさんは大のアメフトのファン、夢はスーパーボール見物ツアーを企画して、お客様と共にアメリカへ旅することだった。

そして、その夢は実現され、第29回のスーパーボールを、お客様と共に、貴賓席で観戦した。
そこには、世界的な歌手や映画俳優、スポーツ選手などの大スターが、隣り合わせて座っていた。
ボクシング選手だったMさん、マイクタイソンを倒して、世界チャンピオンになった、ホリfヒールドを見つけ、早速、写真を撮った。

それもすでに20年くらい前の話になる。
その後、彼は尊敬する両親のいる、愛する故郷の広島へ戻った。
その後、2度ほど東京に来た折に、私の店を訪れてくれた。

そのMさんも今年で46歳になる。
今では2人の息子さんもいて、熱い夏には、瀬戸内海で、息子さんたちとカヌーを楽しんでいる。
Mさんは何時もお洒落が好きだった。
学生時代から、アルバイトしたお金で、嫌みのない、さりげないお洒落を楽しんでいたのを思い出す。

今日はかつての旅行代理店の仲間たちとの、久しぶりの再会で、東京にやって来た。
そのついでに、私の店に日比谷花壇で購入した花を持って、訪ねてくれた。
Mさんたちが集まったのが銀座だから、きっとこの花も、日比谷花壇の本店で、わざわざ買い求めたものであろう。

花瓶に収まった生花は、ずしりと重かった。
近くに住むIさんと私たちは、Mさんとの再会を楽しんだ。
そして、私たちを招待しますから、ぜひ広島へ遊びに来て下さいと、嬉しい言葉を頂いた。