オリジナルカクテル「サンライズ大山(
sunrise ohyama)」を作りました!
2013年6月21日

一昨日、若いカップルが初めて来店した。
マスターのお薦めのお酒はと訊かれたので、男性にイチローズモルト・秩父ポートパイプを。
女性にはオルバル・ビールを出して差し上げた。
2人とも初めてのお酒だったので、それぞれ感動していた。

さらにお酒が進むに従い話が盛り上がる。
そして深夜になった頃、彼ら2人の故郷の話になった。
2人とも青森市の出身であり、そこで知り合い上京して4年。

そして大山熊野町に引っ越してきて、私のお店に来店したのだ。
バーは少し敷居が高いが、思い切って入ってみたとのことだった。
すると彼女が「マスター、カクテルのジョア作れますか?」と訊かれた。

そのカクテルはかつて見たこともなく、聞いたこともない名前だ。
勿論私は知りませんねと答えた。
「そのカクテルをどちらで飲まれたのですか?」
「青森のバーで飲みました」

そこで私は早速Iパッドを取り出し、彼女の前で検索をしてみた。
すると青森県青森市本町にあるHawaiian Bar Alohaで、オリジナル・カクテルとしてメニューに載っていた。
彼女にその店のHPを見せると、バーの名前が違うし広さも違うと。

そこでさらに検索すると、ソーシャル・ネットワークのミクシーで、「そのカクテルは私が作りました」というコメントがあった。
どうやらその店のようである。
ウォッカをベースにオレン・ジジュースと牛乳を加えて作り、その味がヤクルト・ジョアに似ているので命名されたようだ。

次回来店した時、彼女に作って差し上げることにした。
さて振り返ると何時のことになるのであろうか。
私の店に高知大学出身の人達が、大勢で来店してくれていたことがある。

その内の1人Sさんに教えてもらったカクテルがある。
その名前も「マダム・ロゼ」
カシスにグレープフルーツ・ジュースを加えたカクテルである。

朱色を帯びた深紫のビロードのような高貴な色のカクテルは名前に相応しい。
このカクテルは高知県では、誰もが知る有名なカクテルである。
高知県で開かれたカクテル・コンペティションで優勝し、一気に人気を博し広まったとのこと。

Sさんの実家は佐賀県だが、とにかくサーフィンが好きで高知大学に行き、黒潮の大きな波を楽しんだ。
しかし余り楽しみすぎて、大学生活を7年も過ごすことになった。
4年間は親が仕送りをしてくれたが、あとの3年は自力でアルバイトしながら無事卒業した。

その時の仕事がバーテンダー。
やがてバーを全て任される店長になってしまった。
その時憶えたカクテルが「マダム・ロゼ」。
私の店に来るとマダム・ロゼをオーダーし、懐かしそうに飲んでいたことを思い出す。

さらに1991年の昔、こんなこともあった。
ひょんなことからお客様に教えて頂いたカクテルがレゲエ・パンチ。
「マスター、桃のリキュールに烏龍茶を加えると、紅茶の味がしますよ」

確かに色も香りも味も、紅茶にそっくりである。
そして私はレゲエ・パンチのことを調べ、私のHPにアップした。
すると暫くしてレゲエパンチを作ったという黒澤亮一さんからメールが届いた。

それは「私のオリジナルのレゲエ・パンチをご紹介いただきありがとうございました」と言うお礼のメールであった。
だが一つだけ訂正をしていただきたいと、メールにかかれていた。
それは私が書いたバーの名前が2件目の店の名前で、レゲエ・パンチを作った時のバーの名前が異なっていたのである。

そこで早速訂正し、そのことをメールで送った記憶がある。
今ではレゲエパンチは全国区の知名度があり、福島ではモモ茶と言われ、
青森ではピーロンと言うと先程の青森の女性が教えてくれた。
そこで私もご当地カクテルを作ることにした。

その名も「サンライズ大山」
板橋区大山はかつて大山阿夫利神社の参詣道に当たり、
江戸時代から中山道の板橋宿と川越街道に挟まれた古い歴史を持つ町であった。
そこでその大山阿夫利神社に由来する、板橋区大山の地名を付けたオリジナルカクテルを作ってみました。

神奈川県にある大山山頂から眺める初春のご来光をイメージし、さらに板橋区大山の繁栄と輝きをモチーフに作りました。
ピーチツリー・リキュールにグレープフルーツ・ジュースを加え、グレナデンシロップを静かにたらし元旦の日の出を表現する。
そして仕上げにオレンジ・スライスを飾ります。

今週の火曜日、私の店が取材されました。
来月の7月4日に角川マガジンズで出版するムック保存版「大山ウォーカー」です。
その記念カクテルの意味合いを込めて作りました。
機会がありましたら本のご購入と、オリジナル・カクテル「サンライズ大山」を愉しんでください!