ジャニス・ジョプリンが愛した酒、サザン・カンフォートSOUTHERN COMFORT
ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin1943年1月19日 - 1970年10月4日)



SOUTHERN COMFORT(南部の歓び)なる洒落た名前のリキュールがある。
ボトルのラベルには、長閑なミシシッピ川沿いに建つ、砂糖きび農園の邸宅が描かれている。
このリキュールを、南部の出身のバーテンダー、M.W.HERN(M.W.ヘロン)が、1860頃発明したと言われている。
ニューオリンズでバーテンダーをしていたヘロンは、樽詰バーボンの味に満足できなかった。
そこで、このバーボンに、甘味や桃の香りなどを加えて作ったのが、サザン・カンフォートの誕生秘話である。
やがて、18889年、メンフィスでバーを開業し、このリキュールで評判を取り、さらに、セントルイスへ移り、瓶詰で売り出した。

もともとは、バーボン・ウイスキーをベースにしていたが、現在は糖蜜を蒸留した中性スピリッツを使用している。
それに、桃を主体に、レモンなどなどの多くのフルーツ・エキスを配合し、さらに、桃の核から抽出したアーモンド・フレーバを加えている。
それを、樽に6カ月間熟成させたあと、瓶詰し出荷をする。
現在のアルコール強度は21度だが、初期のサザン・カンフォートのアルコール強度は、50度近いものであったと想像できる。
1997年頃のアルコール強度は40度、1999年頃は38度と、世界の趨勢か、年々、アルコール強度は低くなってきている。

このサザン・カンフォートは、伝説的なロック・シンガー、ジャニス・ジョプリンがこよなく愛した酒だ。
だが、その頃のサザン・カンフォートは、かなりハードで、パワー溢れる酒であったことだろう。
彼女のステージには、何時も、マルボロの煙草と、この酒があったという。
1970年10月4日、アルバム「バール」の収録中に斃れるまで、覚醒剤やヘロインでさえ、彼女の孤独と疎外感を救うことは出来なかった。
だがこの酒が、ジャニスの引き裂かれた魂を癒したのだった。
現在は、バージン諸島、アメリカ領サント・クロア島で生産され、バーボン生産大手のブラウン・フォーマン傘下にある。

サザーン・カンフォートのカクテル


スカーレット・オハラ(SCARLETT O’HARA)
サザーン・カンフォート・・・・・・1/2
クランベリー・ジュース・・・・・・1/3
ライム・ジュース・・・・・・・・・・・1/6
シェイクしてカクテルグラスへ



カンフォット・マンハッタン(COMFORT MANHATTAN)
サザーン・カンフォ・ート・・・・・・3/4
スウィート・ベルモット・・・・・・・・1/4
アンゴステュラ・ビターズ1ダッシュ
ステアしてククテル・グラスへ
レッド・ッチェリーを飾る



シシリアン・キッス(SICILIAN KISS)
サザンカンフォート ・・・・・・・・・ 2/3
アマレットディサローノ・・・・・・・・・2/3
氷を入れたロックグラスに入れ、ステアする


サザーン・カンフォートの入ったグラスを片手に、「メルセデス・ベンツ・MERCEDES BENZ」「サマータイム・SUMMERTIME」を、
そして、彼女の声の未収録の「生きながらブルースに葬られ・BURIED ALIVE」の演奏を聴いてみてはいかがでしょうか・・・・・・。