福岡県八女の地酒「繁枡純米大吟醸」をありがとう! 2014年4月8日 先日お酒が届いた。 それは福岡県八女に享保二年(1717年)に創業した、轄kエ商店「繁枡純米大吟醸」であった。 かつて福岡の某大学で、数学の教鞭をとっていたH氏からの贈り物だった。 H氏は実家が私の店の近くにあり、高齢の母親のもとへ帰省した時に、店に立ち寄ってくれる。 或る日のこと、シングルモルトの好きなH氏と、福岡の地酒の話になった。 私は八女の地酒「繁枡」が好きですねと話した。 その時は丁度「繁枡純米無濾過生原酒」を飲んでいた。 今でも福岡をこよなく愛するH氏も、「繁枡」は大の愛飲酒。 福岡に旅行に出かけたり学会があった折に、私のもとへ福岡から「繁枡」を送ってくれる。 宅配便で送られた「繁枡」を受け取ると、手ごたえがずしりと重かった。 翌日は日曜日。 飲んでいる群馬県藤岡市の地酒「純米吟醸流輝」も残りわずか。 次に何を飲もうか考えていた。 その時タイムリーに送られて来た酒を見て、思わず頬が緩んだ。 そして仕事を終え自宅に帰り、早速「繁枡純米大吟醸」の入る化粧箱を開けた。 化粧箱から「繁枡」を取り出すと、ずしりと嬉しい重さが伝わる。 金色の紙封を切り、金属の封を外し力を入れて開栓をする時、空気と触れぽんッ! と心地よい音がした。 グラスにどくどくどくと音を上げながら酒が注がれる。 揺れながら優しく注がれた酒を、右手でグラスを優しく回す。 グラスの中を酒紋を描きながら、光を受けきらきらと輝いている。 鼻先に近づけると、微かな芳香が広がる。 口の中に含むと、舌先に朝露のように盛り上がる。 ころころと舌の上にころがすと、柔らかく高貴な香りが溢れる。 大吟醸であるのに、決して重くなく爽やかでさえある。 それは酒造好適米の山田錦を、40%まで精米しているからであろう。 熟成し始めた果実の艶なる味わいが、口の中に端麗に漂う。 そしてごくりッと呑みこむと、高雅な戻り香となり、鼻先を華やかに包む。 「繁枡純米大吟醸」は、九州一の穀倉地帯・筑紫平野に位置し、矢部川の伏流水で醸される。 その八女の水は 名醸地・灘の宮水のように硬度も高い。 酒蔵は現在年間約3,000石を醸す。 いまでも蔵人により 櫂は混ぜられ、手間暇を惜しまず、昔ながらの手造りに拘る。 その酒造りに込められた小さな酒蔵の情熱が、飲む者の心に深く伝わる。 八女の地酒「繁枡純米大吟醸」を、ありがとうございました! |