ルイ・アームストロングと夏の宵!
(そして「キッス・オブ・ファイア(Kiss of Fire)」・カクテル)

先日、お客様からルイ・アームストロング(Louis Armstrong, 1901年 - 1971年)のCD2枚組を頂いた。
早速、プレーヤーで聴いてみた。
久しぶりに懐かしいルイの嗄れた声が店内に響く。

音楽とは不思議なもので、ルイの声が流れる瞬間に、店内の空気が一変し、懐かしい時代へタイムスリップする。
そしてその曲が流れていた、昔の時代が彷彿と脳裏に蘇る。
かつてアメリカ合衆国は、激しい黒人差別が行われていた。

その差別と戦い差別のない社会のために、決然と差別社会へ抗議し、
暗殺されたマーティン・ルーサー・キング牧師(Martin Luther King, Jr. 1929年 - 1968年)の姿も懐かしい。
そんな差別社会の中にあり、白人に愛され黒人にも敬愛され、
子供から老人まで、全ての人種の人に愛されたルイ・アームストロングは偉大である。

小太りなユーモア溢れる体型で軽妙洒脱に踊り、何時も満面に笑みをたたえている。
その人懐こく愛嬌に満ちた存在が、アメリカはもとより世界の人々を魅了したのであろう。
差別社会に生まれて生き、その悲しみや苦しみの果に、音楽を通して人間愛の素晴らしさを、世界に伝えたのである。

夏のさやけき月明が冴える宵、ルイの声が時に切なく、そして哀愁に満ちながら、人間への賛歌をうたいあげる。
ルイはサッチモ (Satchmo) の愛称で誰からも慕われ、20世紀を代表するジャズ・ミュージシャンの一人である。
そして偉大なトランペット奏者であり、サッチモの奏法は独特で、誰も真似ることはできなかった。

ウィントン・マルサリス(Wynton Learson Marsalis)やマイルス・デイヴィスマイルス(Miles Dewey Davis )も尊敬していた。
1950年代にヒットしたサッチモの「キッス・オブ・ファイア」を聴きながら、日本生まれのカクテル「キッス・オブ・ファイア」を飲むのも小粋だ。
「キッス・オブ・ファイア」 は石岡賢司氏が、1953年に開催された第5回オールジャパン・ドリンク コンクールで、優勝した作品である。
それはルイ・アームストロングが歌う、キス・オブ・ファイヤーを モチーフにして作ったカクテルであった。

やがて店に帳が落ちる頃、1967年にメガヒットした「この素晴らしき世界 (What a Wonderful World)」を流してみよう・・・・・・。
私の店のお客さまが、高級クラブの閉店時に、何時もピアノで弾いていたという。
さらに仕上げの一時、サッチモが歌い1950年代にヒットした「バラ色の人生」を聴き、軽く酔いしれながら今夜を戯れるのも一興である。