バーに必須なオールド・オーバーホルト

私はストレート・ライ・ウイスキー・オールド・オーバーホルトを、マンハッタン・カクテル(Manhattan cocktail)に使う。
このウイスキーは1910年に、ドイツ系開拓民3世アブラハム・オーバーホルト(Abraham Overholt 1784-1870)により、
ペンシルバニア州ウエストモーランド郡で誕生した.
きりりとした本格派のライ・ウイスキーは、アメリカ合衆国で、ウイスキーの元祖的な存在である。

大西部時代、アメリカのサルーンで、格式あるOLDを冠した、ウイスキーの代表格でもある。
西部劇にたびたび登場するガンマン、ジョン・ヘンリー・通称ドッグ・ホリデー(John Henry“Doc” Hollidayド)も愛飲者だったようだ。
さらに南北戦争の時、北軍の将軍で、第18代アメリカ合衆国大統領になった ユリシーズ・シンプソン・グラント( Ulysses Simpson Grant 1822年-1885年)と、
第35代大統領ジョン・F・ケネディー(John Fitzgerald Kennedy 1917年-1963年)も愛飲した。

オールド・オーバーホルトは、 1888年にブランド名を、正式にオールド・オーバーホルトにし、ボトルに創業者の写真入りで販売した。
そのご経営者も変わり、合衆国禁酒法(1920年1月17日-1933年12月5日)の時代を迎える。
だがその苦境を、アメリカ財務省などの人脈を生かし、薬として流通させ、のり越えた。

この蒸留所は創業以来、生産を中止することなく、連綿と生き続けた、数少ない蒸留所である。
その後、ライ・ウイスキーの人気が低迷。
1987年に経営権は、ビーム社に移行し、ペンシルバニアからケンタキーで、ウイスキーは、生産されるようになる。
現在、ジムビーム社はビーム サントリーとなり、サントリーホールディングス株式会社が経営する。

またこのライウィスキーは、アルゴンキン・カクテル(Algonquin cocktail )にも欠かせない。
暑い季節に、ピッタリのカクテルである。
だが、このカクテルは、何時、誰が作ったのか定かでないが、
1930年代に、アルゴンキンホテルにちなみ、ニューヨークで誕生したらしい。

アルゴンキン・カクテル(ALGONQUIN cocktail)
ライウイスキー1/2
ドライベルモット1/4
パイナップルジュース1/4
シェークし、カクテルグラスに注ぎ、
チェリーかパイナップルを飾る

バリエーションとして、ビターを加えれば、複雑な香りになり、
パイナップルジュースの代わりに、パイナップルシロップを使うと、よりスイートな味わいになる。
ビターの代わりに、アブサンを加えると、妖艶なカクテルに変わる。

2022年6月24日