イタリアに行った人は、リモンチェッロのファンになる人が多い。 私の店でも、時々、リモンチェッロを、オーダーされる。 私の店がある板橋区と、イタリアの古都・ボローニャは、1981年以来、友好都市である。 区立板橋美術館で、ボローニャ国際絵本原画展が開かれたり、 ボローニャ市で、板橋区工業品の見本市が、開催されている。 その見本市に参加したお客様は、このリキュールの愛飲家になって、帰国するようだ。 ではこのリモンチェッロとは、いかなるリキュールか? それはイタリアのカンパーニャ州の、特産品である。 使われるレモンは、日本で見るレモンより皮厚で、3倍ほど大きい。 そのレモンの果肉と果汁を、利用したあとに残った、肉厚の皮から作る。 度数の強いスピリッツに漬けこみ、たっぷりの砂糖を加え、1週間から1ヶ月ほど熟成する。 日本の梅酒のような、イタリアのおふくろの味である。 イタリアのナポリ南部ソレントと、沖合のカプリ島に伝わる、伝統的なお酒である。 このリモンチェッロを、広めた貢献者が、カプリ島の名旅館の女将ヴィチェンツア・カナーレ。 彼女が経営する老舗旅館に、宿泊する常連客たちへ、自家製のリモンチェッロを振る舞った。 やがて女将のリモンチェッロは、大評判をとり、島の特産物になる。 その後、多くのリモンチェッロが、カンパーニャ州に、溢れ始めた。 だがリモンチェッロ・ディ・カプリは、リモンチェッロの元祖的存在で、商標登録もされている。 原料のレモンは、地元のカプリ産を使用し、化学肥料も農薬散布もしない。 1988年に企業化しても、伝統に従い忠実に、女将の味を再現している。 冷凍庫で冷やしたリモンチェッロを、ストレートで飲んでも、オンザロックでも美味しい。 2021年12月4日 |