新潟から新年の贈り物、日本酒「鶴の友」
2018年1月17日

正月明けの連休前、新潟からお酒が2本届いた。
かつて私の店に通ってくれた方からだった。
家庭の事情があり、新潟の実家に帰って、すでに20年くらい経つであろうか。

彼の実家は柏崎市西山町であり、私の母の実家の隣町であったのも、何かの縁であろう。
彼のお祖母ちゃんは、田中角栄氏と親戚で、私の母の実家も、代々、刈羽村の村長をしていた。
そして越山会の幹部をしていたから、知り合いだったかもしれない。

さて酒の話に戻る。
日本酒の銘柄は、 天保3年(1832年)創業、樋木酒造純米「鶴の友」
地元・内野町を中心に、新潟市で販売され、新潟県外には出荷されない。

社長の 樋木さんは、地酒屋としての、確固たる哲学を持つ。
醸された酒は、醸された土地で販売され、飲まれてこそ意味がある。
まさに地酒の原点である。

最近は地酒が、ナショナルブランド化し、地元でも入手困難な、珍現象が出現している。
樋木さんの頑固なまでの姿勢は、現代の悪しき傾向に、警鐘を鳴らしている。
早速、冷やで飲むことにした。

グラスに注がれた酒は、清澄で輝きに満ちる。
口に含み舌の上に転がす。
柔らかな酒のしずくが、舌にこぼれながら、芳醇に香りが広がる。

新潟の酒は端麗なイメージがあるが、「鶴の友」は豊潤で飲み応えがある。
ぐびっと飲み込むと、喉元をするすると、胃の腑に落ちていった。
寒い季節には、天保2年創業「にしまき」を今に受け継ぐ、「越後みそ西」の味噌漬けを。

夏なら新潟名物の、海の香り一杯、、もちもち、ぷるぷるの海藻料理「えご」を酒肴に、飲みたいものだ。
「鶴の友」は、人肌にして飲んでも美味しい。
酒室は柔らかく広がり、香りは華やかに膨らむ。