ビアカクテル・モナコ(Bière Monaco)は、パリで大人気!
2016年10月29日

先日、脳外科のお医者さんが、4人で来店した。
そのうちの一人は、学生時代からの付き合いである。
シングル・モルト・ウイスキー好きの二人は、シングル・モルトを飲み、あとの2人はカクテルを飲む。

やがてお酒もすすみ、話題が弾むころ、私の前に座る、初来店の方が、私に言った。
「マスター、モナコって言う、ビールのカクテル、作れますか?」
私は初めて聞く、ビールカクテルである。

「レシピーがわかれば、作りますけど」
「ライトビールに、レモネードを加え、仕上げに、グラナディン・シロップを加えます」
私はチェコを代表する、ピルスナー・ビールのバドバーを、グラスに注ぎ入れる。

そしてレモネードの代わりに、レモンジュースを絞り入れ、砂糖シロップを加える。
そのあとに、グラナディン・シロップを注ぐと、グラスは深い桃色に変化した。
そしてグラスを、お客様にすすめた。

お客様は、「もう少し、グラナディンを、お願いします」
私はグラスに、グラナディンを加えると、さらに濃く変化した。
お客様はグラスを、口に運び飲む。

「この味です。パリでは大人気で、どこでも飲めるんです」と言って、にこりと笑顔がこぼれた。
このカクテルは、ビールのカクテルの、パナシェ (Panachéー仏語で「混ぜ合わせる」の意味) の一種である。
イギリスでは、シャンディー・ガフ(Shandy Gaffーシャンディーと呼ぶことも多い)の、仲間になるであろう。

私も店が終わるころ、作って飲んでみた。
ライトビールが、レモンの酸味と溶け合い、ソーダー水が、爽やかな切れ味をもたらす。
そしてグラナディン・シロップが、柔らかな甘みを与え、さらにフルーティーな味わいを、愉しませてくれる。

さらにマドラーで、グラスのビールを撹拌してできた、純白な泡が、絹のように柔らかで心地良い。
その優雅な泡立ちは、滑らかなソフトクリームのようである。
フランスのカフェで、新聞「ル・モンド」を見ながら飲むと、様になるそうだ。