マスター&ママの小さな旅
白根山・草津・野反湖を旅して
2023年7月30-31日

(Part1) 30日快晴、白根山へ
白根山へ来るのは、何年ぶりだろうか。
前回は万座温泉に、宿泊する途中に、立ち寄った。
その時は警戒中で、湯釜を見ることができなかった。

今回はどうであろうか?
期待して向かった。
途中、険しい峠道を進む。

前回は深い霧のため、視界2メートルくらいで、あっただろうか。
前を進む観光バスが、喘ぐように峠を、上って行く。
今日は快晴、岩肌に溶岩石が露出し、荒涼としている。

そして強い硫黄の臭気が、一面に漂う。
峠を越しさらに進み、蛇行する坂道を進む。
やがて白根山レストハウスが現れた。

やはり前回同様、白根山は火山活動により、入山規制されていた。
レストハウスも、長い閉鎖で、かなり傷み、始めている。
車を路傍に停め、外に出る。

硫黄の強い臭いが、辺りを蔽っていた。
もちろん、湯釜へ行く道は、ロープで塞がれていた。
湯釜を最後に見てから、何年ぐらい経過して、いるだろうか?

最初に見たのは、私が大学2年の時だった。
湯釜に柵はなく、湯窯の縁まで近づき、見下ろすことができた。
最後に見たときは、展望台が整備され、厳重に柵で、仕切られていた。

レストハウス前を、乗用車やバイクが、次々と走り抜けて行く。
前回はここから、万座温泉に向かった。
今回は草津温泉で、宿泊する。

来た道を戻ることにした。
蛇行する国道292号線を下る。
青空が照り返し、遠くに山なみが広がる。

左手に寂莫とした山肌が、威容を示す。
その厳しい自然に抗うように、樹々が緑を湛えている。
道の前方をバイクの一団が、走り抜けて行く。

白根山から、50分くらいで、草津の湯畑に到着した。
湯畑は相変わらず、賑わっていた。
懐かしい湯畑の風景、草津温泉街は、情趣に溢れていた。

群馬県草津温泉街も、来るたびに、賑やかになっている。
栃木県の伊香保もそうだ。
だが栃木県の、鬼怒川や川治は、明らかにさびれていた。

その差は何なのであろうか?
歴史の深さや、景観では決して負けて、いないのだが。
草津温泉街の坂を下ると、湯畑の広場の前に、見慣れない建築物が、建っていた。

その奥に人だかりが見える。
建物を抜けると、子供たちの行列が見えた。
草津湯畑に接する、草津山光泉寺から、来たようである。

真言宗豊山派のこの寺は養老五年(721年)に、僧行基が開基し、
薬師堂は日本三大温泉薬師の一つである。
子供たちの列が、厳かに湯畑の広場を、通り過ぎて行った。
湯畑の前の、白幡の湯の前は、人だかりだった。

かつて湯畑前のホテルに宿泊したとき、草津温泉外湯巡りをした。
その一番めが、白幡の湯であった。
木造の趣のある建物の中に、湯船があった。

身体を洗い中へ入った。
その熱さに驚いた。
とにかく熱い!

根性試しのようだった。
我慢していると、どっと汗が噴き出したことを、思い出す。
湯畑の広場に、大勢の観光客が、記念写真を撮っていた。

二度目に草津温泉に、宿泊したとき、朝早く湯畑辺りを散歩した。
その時、湯畑の周りに、大勢の人が何かを見ていた。
その方向を見ると、カメラが回り、何かの撮影であった。

やがて湯畑に面した道路を、
渡瀬恒彦と伊東四朗が、何か話ながら歩いてきた。
私のすぐ目の前まで、歩いてきた。
渡瀬恒彦の顔を見ると、顔が黒ずんでいた。

私は瞬間的に、かなり肝臓が悪いのではと、勝手に想像した。
それからしばらくして、渡瀬恒彦は亡くなった。
湯畑は毎分4000リットルの温泉が噴き出す。

その湯が湯滝や湯桶から、奔流となって流れ落ちる。
湯畑をぐるりと一周する。
湯畑のエメラルド色の源泉の中に、長方形の木枠が見える。

木枠の中の源泉は、「御汲み上げの湯」と言われる。
江戸時代の八代将軍吉宗が、この湯を樽詰めにし、江戸城へ運ばせた。
石柵に沿って、散策道を進む。

立ち並ぶ土産物屋さんは、温泉街ならではの、雰囲気がある。
湯畑に陽光が降り落ち、エメラルド色を、反射する。
強い硫黄の臭気さえ、心地よく感じる。

足湯の前から、湯畑を見渡す、木の散策道を降りる。
湯畑の奥に、ホテルが立ち並ぶ。
夜になると、このあたり一帯が、ライトアップされる。

前回宿泊したホテルから見た、夜景の素晴らしさを思い出す。
湯畑を一周して、湯畑の広場に出た。
観光客を待つ、人力車が暇そうに、2台並んでいた。

湯畑の町並みを、散策しながら、駐車場へ向かった。
まだ草津は、外国人の観光客は少なかった。
これからインバウンド効果が、現れるのであろう。

湯畑近くの駐車場から、宿泊するホテルに向かう。
5分ほどでホテルにつき、チェックインした。
午後3時前、部屋の窓の前に、盛夏の緑が広がっていた。


Part2) 31日(月)野反湖から軽井沢へ
草津温泉のホテルで、朝湯に浸かる。
湯畑辺り特有の強酸性の、刺激臭はなかった。
だが湯はつるつるすべすべして、心地よかった。

露天風呂は、湯温が低めで、肌に湯が馴染む。
緑の木々から、小鳥の声が聞こえる。
まだ蝉は眠っているのだろうか、静かだった。


ホテルをチェックアウトし、野反湖へ向かった。
国道405号を進み、人気ない坂道を、車は進む。
谷は険しくなり、遥か彼方に、時おり市街地が、小さく見える。

野反峠を上りきると、真っ青な野反湖が見えた。
人気ない駐車場に、車を置く。
外に出ると、爽やかな風が、吹いていた。

ここから野反湖畔を、一周できるようだ。
この湖はダム湖だが、天空の湖とも、言われているようだ。
最近は天空が、もてはやされているようだが、
少しオーバーな表現のような気がする。

野反湖畔へ下る、散策道の路傍に、
高山植物が可憐に、咲いていた。
このあたりは、ノゾリキスゲの原生地のようだが、咲いていなかった。

ここからさらに行くと、野反湖展望台があるようだ。
時間があるので、足を延ばすことにした。
なだらかな坂道を行くと、前方左に簡素な建物があった。

駐車場に車を置き、建物に行ってみた。
そこが展望台だったが、戸はすべて閉ざされていた。
展望台らしきところへ行き、野反湖を望む。

が眺望は開けず、どこか寂しい風情であった。
建物の前に、バス停があり、発車時刻表を見た。
1日3便が記されていた。

そしてここから、軽井沢へ向かった。
距離は60キロぐらいあり、時間は1時間45分と、
ナビに表示された。

軽井沢銀座で、ランチでも食べることにした。
群馬県から軽井沢へ行く途次、
八ッ場ダム道の駅を、通過する。

この道の駅が評判らしい。
何回か立ち寄ったことがあるが、それほどにも感じなかった。
やがて旧軽井沢に入る。

昔ながらの風情を、醸しだしていた。
そして軽井沢に入り、何時も停める、
軽井沢銀座近くの、町営駐車場に、駐車した。

強い日差しが、軽井沢銀座を、照り返していた。
さすがに軽井沢、若者たちで賑わっていた。
軽井沢銀座を散策し、軽井沢銀座中ほどにある、
イタリアンレストランで、昼食をとった。