初夏の榛名湖へ
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初夏の水澤観音堂を訪ねて
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マスター&ママの小さな旅
榛名湖・伊香保・水澤観音を旅して
2023年6月25-26日

(Part1) 25日快晴、榛名山山頂へ

東京から2時間半ほどで、榛名湖に着いた。
本当に近くなったものだと、感心する。
ここへ来るのは、何回になるだろうか?

伊香保温泉に来たり、榛名神社のお参りもした。
神社への階段が、長く険しく、想像以上に、厳しい行程だった。
だからこそ、聖地なのだろう。

だが湖畔で休むことがあっても、何時も榛名山は、見るだけであった。
今回は山頂まで、行くことにした。
時間を見ると、すでに11時半頃だった。

湖畔に建つ、瀟洒なホテルのレストランへ、行くことにした。
ママは旅先のランチは、フレンチが好きだ。
中に入り、窓辺に座る。

残念ながら、ランチセットはなかった。
私はシーフッドスパゲッティー、ママはシーフッドリゾットだった。
スパゲッティーのボイルは、もう一つ硬めだったが、
魚介類はたっぷり、新鮮でプリップリッとしていた。

窓の外には、榛名湖が広がり、釣り人が糸を、垂らしていた。
食事のあと、榛名山頂へ行く、ロープウェー乗り場へ出かけた。
程なくして、駅に到着した。

すでにゴンドラを待つ人が、数人並んでいた。
紅白にデザインされたゴンドラが、山頂から戻って来た。
2連のゴンドラは、全国的に珍しいらしいらしい。

搭乗券往復
950円を払い、列に並ぶ。
やがて改札が始まり、搭乗する。
ドアを係員が閉め、ゴトゴトと動き始めた。

駅が遠ざかると、遠くに榛名湖が見える。
緑の山々に抱かれ、湖水が神秘的である。
2分50秒ほどで、山頂に着いた。

山頂はまだ、閑散としていた。
山頂駅をあとにし、榛名山頂に向かった。
なだらかな坂道を行く。

だが坂道は、急峻になって来た。
途中鳥居があった。
ここから聖域に、なるのであろう。

さすがにここから、坂道は狭く、険しい階段に変わった。
前のお年寄りは、青息吐息。
道ばたに腰を下ろす人もいた。

やがて前方に、神社が顔を出す。
ほっとしながら、階段を登りきると、神社があった。
コンクリ造りの、紅白の神社は、モダンな造りで意外であった。

1391メートルの山頂から、運が良ければ、
富士山や東京スカイツリーも見えるらしい。
だが晴天なのだが、遥か霞み、何も見えなかった。
山頂は狭く、休むところもなく、下ることにした。

下りの階段は、登りより狭く、凸凹していた。
足元に気をつけながら、ゆっくりと下った。
先ほど潜った鳥居を過ぎると、道はなだらか。

遠くに山頂駅が見えた。
駅に着くと、ゴンドラが山頂に、到着していた。
昼下がりの陽光が、燦々と降りそそぐ。

時おり風が吹き流れ、初夏の匂いを、運んでくる。
広場から遥かかなた、山々が広がる。
その奥に、富士山や秩父武甲山も、見えるようなのだが、
残念ながら、影も姿も見えなかった。

広場の四阿で、少し休むことにした。
強い日差しを遮り、四阿は気持ちよかった。
日陰の中から、外を眺める。

空の青と影の陰翳が、美しく映えていた。
一休みし、山頂駅に向かう。
途中、林の中にヤマツツジが咲き、
一輪のヤマユリの黄色が、眩しかった。

山頂駅から、ゴンドラが下る。
前方に榛名湖と、緑の山々が、照り映えている。
山頂駅に到着し、外へ出ると、観光客を待つ馬が見えた。

すでに時間は2時を、回ったいた。
そして伊香保へ、真っ直ぐに向かった。
ホテルでチェックインし、3階の部屋に入る。

部屋から、幾重にも折り重なる、上州の山々が見える。
一休みして、早速、温泉に向かった。
温泉は広く、茶色で、黄金の湯と言われている。

色のわりに、湯味は重くなく、肌に優しかった。
露天風呂に行くと、緑が迫り、遠くで鳥の声が聞こえた。
もうすぐ、蝉しぐれで、さらに情趣を深めるだろう。

Part2) 26日(月)坂東三十三ヶ所の十六番札所水澤観音へ

翌日、ホテルで朝風呂をを浴び、食事のあと、ゆっくりとチェックアウトした。
伊香保のホテルから、車で15分ほどで、水澤観音の駐車場に着いた。
徳富蘆花の小説『不如帰』で、浪子たちがワイワイと、伊香保から歩いている、距離である。

小雨上がりの駐車場は、空いていた。
そろそろ昼食の時間。
観光バスはも、水澤うどんの店に、立ち寄っているだろう。

伊香保に来ると、伊香保の石段街は、パスしても、
観音様のお詣りは、欠かさない。
ここに来るのも何回目であろうか。
この参道を歩くと、懐かしい思いがする。

納札堂を左手に、見ながら行くと、前方に鐘楼が見える。
前回来た時は、100円添えて、鐘を撞いた。
鐘楼を通り過ぎると、右手に十二支の守り本尊が並ぶ。

十二支方位を守る8体は、方位と同じ干支生まれの人の、
守護仏になり、開運・厄除けの守護仏になってくれるそうだ。
だが干支は12体だが、なぜ8体で4体少ない。

守護仏の2体が、四つの方位を守っていた。
十二支の守り本尊の前を行き、六角堂に着いた。
2人の老人が、六角形の台座を、太い棒を持ちながら、回していた。

六道輪廻を示す、地蔵尊が鎮座する台座を、
時計と反対回りに、3度まわる。
元禄年間に、建立されたお堂の、この台座を、
どれくらいの人々が、回したのであろうか。
現世の悩みや苦しみ、煩悩などから解脱し、浄土を願いながら……。

私たちもお賽銭を供え、台座を回す。
台座を回転する木は、木目が浮いている。
数えきれない人たちが、握ったことであろう。

両手で握ると、掌に吸い付くようで、ぬくもりを感じる。
ゆっくり確かめるように、台座を回す。
厳かに微かな音をたてながら、ゆっくりと回った。

3回はあっという間の時間であった。
地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間界そして、
天人界へ、辿り着けたのであろうか。

お堂の参拝を終え、本堂の観音堂へ行く。
観音堂の前の大香炉に、お線香を焚く。
身体に香煙を、心配な体の部位に、燻らせる。

階段を登り、本堂の前に立つ。
深く一礼し、紅白の綱を引き、鰐口を鳴らす。
ボワワ~ンッと響く下で、手を合わせた。

そして左手に回ると、朱塗りの御賓頭盧様が、鎮座していた。
長野の善光寺の御賓頭盧様は、
参詣の人たちの手で、擦り切れていた。
だがここの御賓頭盧様は、
朱色に光っていたので、手を触れるのは控えた。

その位置から、先ほど手を合わせた、天井に目をやる。
巨大な龍が、天井を飾っていた。
何度も火事にあった、水澤観音の災厄を、
守り続けた来たのであろう。

さらに本堂の裏手に回る。
人気なく、静寂。
都会の喧騒の中で、生きる都会人は、静寂に憧れるのだが、
静寂は一瞬、心に不安を覚える。

廊下を歩き、裏本堂の真ん中に来た。
すると太い格子の中が、燦然と金色に光っていた。
中にお釈迦様を真ん中に、三体が鎮座していた。

観音堂をお参りしても、ここを参拝する人は、少ないのではと思い、
何か得をしたような気になった。
そこでお賽銭を、添えようと思ったが、何も置いてなかった。

三体の仏さまに、深く手を合わせた。
そしてさらに行き、右手に回ると、六角堂が左手に見えた。
さらに少し進むと、本堂の十一面観音菩薩が、
板格子を透かして見えた。

すらりとして優雅な姿態が、神々しく眩しかった。
誰もいない廊下から、
静謐を湛える本堂の観音様に、手を合わせた。
廊下横に、小さな階段があった。

そこから境内へ出る。
杉木立に包まれた境内は、
初夏の爽やかな空気に、満ちていた。
境内に聳えるひときわ高い杉に、注連縄が飾られている。

水沢の観音杉と呼ばれ、樹齢700年、樹高38メートル。
その生命力に圧倒される。
その近くに仁王門へ下る、階段がある。

水沢観世音の朱色の幟がはためく。
最初に観音堂へ来た時、風神と雷神が祀られた、
この仁王門の前の、狭い駐車場に、車を停めた。
そしてこの急峻な階段を登り、お詣りをした。

そのあと、参道を歩いて行くと、大きな駐車場を、
発見したことを、思い出す。
境内の散策を終え、駐車場へ向か途中、鐘楼に立ち寄る。

階段を登り、100円を添え、鐘木を握り、鐘を撞いた。
1回だけ撞いたのだが、グワ~~~ンッ、
グワ~~~ンッと、辺りに響いた。
鐘楼を下り、木漏れ日の落ちた、参道を駐車場へ向かった。