渡辺博之さんの訃報に接して
2022年5月5日

私がshotbarピーポッポを、オープンして2年たった、1986年のことである。
昼ドラで、資生堂「愛の劇場」があった。
朝ドラや昼ドラなど、滅多に見ないのだが、その日は偶然、テレビをつけた。

すると「愛の劇場」の初回放送が、始まるところだった。
作品の名前は、「愛の嵐」であった。
そして番組が終わり、俳優や脚本家の名前が、画面に流れた。

ヒロインは大地主三枝家の令嬢ひかる、俳優は田中美佐子、それを慕う、下僕役が渡辺裕之。
やがて三枝家が没落し、大河原が三枝家の田畑を買収し、
ひかるに結婚を、執拗に迫る役が、長塚京三であった。

昼ドラが終わり、配役のあと、脚本大久保昌一良と、流れてきた。
私の大学時代の、クラブの後輩で、演劇科の学生であった。
それ以来、私は「愛の嵐」を、月曜から金曜日まで、約3か月の間、毎日みた。

その後、大久保昌一良は、人気脚本家になり、「水戸黄門」なども書いていた。
渡辺裕之たちも、「愛の嵐」以来、人気俳優となり、テレビや映画で、活躍するようになった。
彼らを映画や、ブラウン管で見るたびに、あの頃のことを思い出した。

私の店も、まだ軌道に乗らず、厳しい時だった。
今日テレビで、渡辺裕之さんの訃報を知った。
享年66歳、私より若い人の死は、残念でならない。