沖縄から25年ぶりに来店!
2022年4月15日

4月15日の6時過ぎ、Nさんが友達を連れて、25年ぶりに来店した。
カウンターに座り、お土産の石垣島ロイズ黒糖チョコを、出しながら、
「誰だか分かりますか?」と言った。
「沖縄のNさんでしょう」
「分かりましたか、嬉しいですね。長い間来てないから、分からないかなと、思ったんですけど。」

そしてNさんはモスコミュールを注文した。
むかし懐かしい、銅のマグカップとジンジャービアの、モスコミュールである。
そこへママがやって来た。

Nさんを見た瞬間、「Nさんでしょ、久し振り。よしこちゃんも元気?」
「ええ、女房も元気です」
Nさんが最初に、Shotbarピーポッポに来店したのは、30年くらい前に遡る。

当時Nさんは、レントゲン技士の学校へ、通っていた。
同級生の彼女、現在の奥さんと一緒に、週末になると、来店してくれた。
店は同年配の若者たちで、溢れていた。

噺家さん、ミュージシャン、ボクサー、カメラマン、劇団の役者さんなど、様々な職業の人たちと、仲間になった。
やがてNさんは、レントゲン技師の国家資格に合格し、彼女と結婚。
そして故郷の沖縄に、25年前に帰った。

彼の故郷は、宮古島だが、本島へ就職した。
それ以来、年賀状の交換だけで、会うことはなかった。
そして今日、都内で開催される、学会の途次、Shotbarピーポッポに、立ち寄ってくれた。

モスコミュールのあと、Nさんは大好きなバーボンを、注文した。
私はジョニードラムの、ニューボトルを開栓し、オンザロックで出した。

ママが「Nさん、幾つになったの?」とたずねた。
「53になりました」
私も「子供は2人だっけ?」
「いえ、3人います」

「早いものだね、53で3人の子持ちだなんて、信じられないな」
「そうですね。あっという間です」
「最近、どういううわけか、ピーポッポは、52、3歳の人が多くなってね」

かつて学生だった人たちが、社会人になり、その歳になっているのだ。
Nさんは現在、巡回医療に携わり、沖縄の島々で、医療活動をしている。
年間を通して、半分近く、家を空けているようだ。

南国特有のおおらかなNさん、何処の島へ行っても、土地の風土や住民に、順応するだろう。
聞けば、石垣島へも、よく出かけるそうだ。
ピーポッポのお客様で、石垣島の通販会社に、勤めてる女性がいる。

彼女は石垣島の特産物を、全国に販売している。。
「女性の苗字はIさん、機会があったら、訪ねて下さい」
さらに、波照間へも、仕事で度々行くようである。
石垣島からフェリーが就航し、30分くらいで行けるらしい。

「波照間にも、Hさんていう人がいますよ。
私の店では、何時もギネスビールを飲んでいました。
ひょっとしたら、ピーポッポで会ってたかもしれませんね」

その当時、Hさんは沖縄の大学時代の先輩たちと、大勢で来店してくれた。
振り返れば、たくさんいた沖縄出身のお客様は、全員、沖縄に帰ってしまった。
沖縄の時間の流れ、風土、気候、地縁関係などが、影響しているようだ。

Nさんはジョニードラムを、数杯飲み、オールドグランダッド114で〆た。
そして仕上げに、ジントニックを飲み、ピーポッポをあとにした。
ママは「よしこちゃんによろしく」といった。

「そのうち、一緒に来ます。マスターたちも、元気でいてください!」
「俺たちも歳だから、早めにね!」
Nさんと友達は、駅の方へ歩いて行った。

今日は池袋のホテルに泊まるようだ。
わざわざ、Shotbarピーポッポ近くのホテルを、選んでくれたのだ。
Nさん、近いうちの再会を、楽しみにしています!