ゆったりと日帰り温泉!
2021年5月30日

所用があり、埼玉県深谷市へ出かけた。
深谷市といえば、以前まで「深谷ネギ」が有名だった。
今は渋沢栄一で、話題が沸騰している。

帰り道、深谷市にある「美肌の湯・国済寺天然温泉」へ行く。
昼下がりの金曜日、駐車場はすいていた。
平日料金600円を払い中へ。

ママはすぐにお風呂に向かった。
私は井上靖作『孔子』を読んだあと、お風呂へ。
大浴場には、ジャグジー風呂、リラクゼーション風呂、冷水風呂、
2種のサウナ風呂と、冷水風呂などが揃っていた。

さらに高濃度炭酸風呂があり、さっそく入る。
高血圧に効き、心臓の湯と言われる風呂は、私の好きな風呂だ。
足を延ばす。

38度のお湯は体になじみ、体全体に炭酸の気泡が溢れる。
そのあと、源泉かけ流しの露天風呂へ。
黒石がきれいな、長方形の風呂に、人はいなかった。

ゆったりと湯につかる。
なめらかで優しい湯が、つるりと肌を包む。
少しぬるっとする、湯味が嬉しい。

湯温を見ると、39度であった。
露天風呂は多くの場合、湯温が少し高めで、42度以上ある。
ここは湯が低めなので、長湯ができ癒される。

泉質は無味無臭、無色透明である。
地下1134メートルから堀りあげる、美肌の湯という。
東京や近県の温泉は、腐葉土と強いヨード臭の黒湯が多く、
地下1500から1700メートルの深層で、湧き出しているところが多い。

しかしここの温泉は、深度も浅く無臭透明である。
深谷は隠れた、温の里かもしれない。
露天風呂を出て、隣のツボ湯へ。

どこでもツボ湯は人気があり、時間制限や順番待ちだったりする。
今日は好き放題である。
ツボ湯でリラックスしたあと、しばらく椅子で休む。

初夏近い夕暮れは気持ちよい。
爽やかな風が、吹き抜けてゆく。
そして大浴場に戻り、サウナ風呂へ。

扉を開け細い部屋に入ると、気の香り漂っていた。
中に人は少なく、静かであった。
日帰り温泉のサウナは、温度設定が低いところも多いが、ここの温度は高い。

高温遠赤外線サウナで、体から汗が噴き出した。
サウナを出て水風呂へ。
身体がギュッと閉まる。

さらにジャグジーや、様々な湯を楽しみ、仕上げに露天風呂へ行った。
すでに陽は落ち、一面の青空に、薄墨色がにじむ。
やがて薄い桃色を帯びた残光が、茜色に重なり光っていた。