ようこそ【Bookcover Challenge-No3】へ!
Yoko Gavernさんから【Bookcover Challenge-】へ招待されました。
#Yoko Gavernさんはアメリカ合衆国のサンタモニカ在住で、お会いしたことはないのですが、FBの友人です。
【Bookcover Challenge-とは、「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、
参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」と言うものです。
今日から1週間、私の好きな7冊の本を、ご紹介しますので、お付き合いのほどを。

【Bookcover Challenge-No3】は徳富蘆花『自然と人間』です!
2020年7月29日

徳冨蘆花(1868年-1927年)は、1907年(明治40年)東京府北多摩郡千歳村大字粕谷
(現・東京都世田谷区粕谷)に移り、20年間、この地で過ごした。
外界と遮断しながら、農業を営み、自給自足的な生活をしていた。

ロシア文学を愛した、キリスト教徒の蘆花は、トルストイ(1828年-1910年)に影響を受けたのであろう。
大作家となったトルストイも、後半生、ロシアの農政改革目指すが挫折。
自然と大地とを愛したトルストイは、遊行の旅の途次、生涯を閉じた。

徳富蘆花が生活した、かつての屋敷は、世田谷区立蘆花恒春園となっている。
私はその近くで育ち、子供のころ、蘆花公園で遊んだ。
夏が来れば、カブトムシ、クワガタや、蝉を捕まえた。

公園の周りは、田園が広がり、メダカが泳ぎ、真っ赤なザリガニが、大きなハサミを広げていた。
だが、近くにガスタンクができたころから、急速に住宅が建ち、田園風景が消えた。
自然を愛し、大地を慈しみ、生きとし生けるものと、共生した蘆花。

『自然と人間』で、蘆花が自然を観照し、自然に深く共鳴し、文章に記す。
蘆花のしなやかな感性が、自然に共振している。
私はこの作品を、自然描写に関する、私自身のバイブルにしている。

私は度々、伊香保に出かける。
伊香保は、徳富蘆花の『不如帰』の舞台になった場所だ。
若き主人公の川島武男少尉たちが、伊香保から水澤観音まで、山道を旅する。

その導入部門は、明るく快活で、躍動的である。
やがて、旧家の川島家に嫁いだ浪子は、明治時代の家族関係に苦悶する。
そして浪子を置いて、出征する夫川島武男少尉との、劇的な別れのシーンは、涙を誘う。

1900年に出版された『不如帰』で、ベストセラーとなった、作家が描く、
『自然と人生』の自然描写は、瑞々しく典雅で美しい。

読書を愛する#Yoko Gavernさんと皆様へ