マスター&ママの晩秋の京都の旅Ⅰ
家族で金閣寺へ
2019年11月17日


昨日、平安神宮で、娘の結婚式が、めでたく終わった。
15日に京都に来たが、平安神宮以外は、何処にも行っていなかった。
17日の帰京の前に、金閣寺に立ち寄ることにした。
 
京都駅近くのホテルを、10時前にチェックアウトした。
東京から京都へは、次女が運転した。
帰京は息子の運転である。

ママは運転から解放され、のんびりしている。

ホテルから30分ほど、市街地を走ると、金閣寺の駐車場に着いた。
3つある大きな駐車場は、すでに満杯である。
探すと駐車スペースがあった。
車を置き、金閣寺へ向かった。
京都はすでに、秋の観光シーズンが、始まっているのだろう。
  
たくさんの観光客が、金閣寺へ向かう。
金閣寺山門へ続く、広い参道は、すでに秋色に染まっている。
程なくして、山門を潜る。
参道は狭くなり、さらに行くと、拝観券を頂く、社務所があった。
拝観料は400円で、息子が払ってくれた。
拝観券は御札で、「金閣舎利殿 御守護」と書かれていた。
 
京都にしては、拝観料が安い。
さらに、お札をいただけるとは、粋な計らいである。
金閣寺は世界の観光スポット、世界中から参拝客が押し寄せる。
  
それ故、低料金が成立するのかなと、勝手な推測をする。
さらに狭くなる、参道を行くと、遠くに金閣寺が、陽光を浴びて、煌めいていた。
金閣寺の前に、鏡湖池が広がり、金閣寺を逆さ絵に、映し出していた。
風もなく穏やかな陽射しが、池に反射し、金閣寺舎利殿に、雅を添えている。
池に葦原島を始め、大小の島々が浮かび、有力大名が奉納した名石が、浄土世界を紡ぎあげる。
その向こうに、衣笠山が借景となり、鏡湖池の趣を深くする。
  
ここは、国の特別史跡・特別名勝に指定される、鹿苑寺金閣寺の、絶景ポイント。
たくさんの観光客が、記念撮影をしていた。
私たちも家族で、記念撮影をした。
  
子供たちが小さいころは、家族で旅行をすることは、あまりなかった。
盆暮れに、ママの実家の秩父へ、出かけるくらいであった。
娘が京都に嫁ぎ、平安神宮で挙式することになり、家族で京都旅行が叶った。
そして、池泉回遊式庭園を、金閣寺を見渡しながら、散策する。
庭園の木々は、秋色に染まり、モミジカエデの紅色が、陽光で輝く。
やはり、紅葉の赤は、秋の華やぎを演出する。
狭い散策路は、秋を愉しむ人で、溢れていた。
秋色に包まれた庭園を眺め、香り立つ空気を吸うからだろう。
人々の顔は、笑顔に満ちている。
金閣寺を右手に見ながら進むと、杮葺きのお守り売り場があり、色々のお守りが置いてあった。
そしてさらに行くと、緑深く包まれた、岩場がある。
その中を、清水が流れ落ちていた。
立札を見ると、「銀河の泉」義満公お茶の水と記されていた。
室町幕府3代将軍・足利義満の時代は、北山文化が爛熟し、まさにお茶は文化のシンボルになり始めていた。
心地よい陽射しのもと、散策道に木漏れ日が落ちている。
そして散策路に、人影が長く伸びていた。
遠くに金閣寺舎利殿が、紅葉の中に、燦然と耀いている。
紅が燃え上がり、黄葉が踊り、豊饒な景色を、造り上げる。
真昼の陽光は降り注ぎ、鮮烈な秋景色を、現出させていた。
そして木漏れ日が大地に、斑模様を刻んでいる。
木々の彼方、紅葉に包まれた散策道を、愉しむ人たちが、透かし見える。
柔らかな陽光を浴びながら、秋景色に包まれた、散策道は爽快である。
すると前方に、人だかりが見える。
近づくと、老若男女が、庭の中の鉢へ、柵越しにお金を投げている。
 
鉢の中にお金が入ると、幸運が訪れるようだ。
私も投げてみたが、入らなかった。
息子も投げたが、やはりだめだった。
 
さらに行くと、四阿のような、夕佳亭の前に来た。
絢爛な金閣寺の秋、日本家屋の落ち着いた風情が、安らぎを誘う。
その前を通り過ぎると、金閣寺不動堂が見える。
金閣寺の金彩の輝きと、対照される素朴な佇まいで、正面に控えていた。
建立は1225年(嘉永元)、ご本尊は「石造不動明王」で、弘法大師により、彫られたと伝わる。
その不動明王は、絶対秘仏で、1年に2回だけ、開帳される。
参拝の列に並ぶ。
そして垂れた太い綱を、両手で握り、鰐口を鳴らす。
無事に娘の結婚式が、終わったことに感謝した。
ママも長い間、手を合わせ、やはり同じことを、祈ったのであろうか?
参拝を済ませ、帰路につく。
露天の並ぶ石畳を通り、山門を潜る。

京都らしい情趣ある、築地塀に沿った、なだらかな下りの路地を行く。
空は高く澄み切っていた。
周りの木々は、秋色を滲ませていた。

 
やがて広い広場に出た。
そこから駐車場に向かった。
今回は半世紀を超す、金閣寺との再会であった。
 
今年になって、京都は3回訪れた。
今年の京都の旅は、今日が総決算である。
息子の運転で、東京へ向かった。