今年も秩父で正月を愉しむ!
2019年1月1日-3日

東京を午後1時頃出発し、のんびりと、元日の秩父路を愉しむ。
秩父神社に着いたのは、すでに日が落ちて暗い、午後5時頃だった。
このところ、元日に秩父神社に、初詣をしていない。

今年は新春の祈願に出かけた。
神社への参拝は、基本的に、陽が強いうちに行くのだが、今日は元日、特例にしてもらう。
神門を潜り、境内に出る。

初詣の人が、意外に少なかった。
拝殿前にならび、少し順番を待ち、初詣を済ます。
社務所前は、人だかりがし、賑わっていた。

破魔矢と熊手を求める。
秩父神社の裏手へ向かう。
左甚五郎作「繋ぎの龍」と、「北辰の梟」や「子育ての虎」が、ライトアップされていた。
 
秩父の冬は、さすがに寒い。
寒気が包む神社に、霊気が流れる。
神社を一回りし、境内に出る。

神門を潜る人も少なく、門越しに、露天の灯がきらめく。
正月はやはり、昔ながらの露店に、趣がある。
神社を出て、何時も立ち寄る酒屋で、初しぼり「秩父錦」と、初しぼり「武甲正宗」購入する。

そして駐車場を出て、ママの実家のある、小鹿野町に到着したのは、午後6時頃だった。
親戚の人たちに、新年の挨拶をし、仏壇にお線香を焚き、手を合わせる。
掘りごたつの上の、おせち料理をいただきながら、楽しい献酬が、夜遅くまで続いた。

翌日、目を覚まし、雨戸を開けると、強い陽が射し込む。
秩父の陽光は強い。
空気が澄んでいる、せいなのであろう。

布団の中で、陽だまりを愉しみながら、持参した文庫本を読む。
暫くすると、昼食の時間が来た。
2階の部屋から、1階へ降り、昼食をとる。

テレビは箱根駅伝を、放映していた。
食事を済まし、歓談したあと、また2階に上がり、読書を続ける。
窓外に目をやると、冬枯れの山の上に、青空が広がり、雲が流れる。

昔は秩父に来ると、札所やら名所旧跡巡りをした。
最近は何処へも出かけず、部屋の中で、ゆったりと読書することも多くなった。
何処へも行かず、読書したり、目の前に広がる、景色を眺める愉しさ。

そこに豊かな時間が、流れているように思える。
やがて陽が山影に落ち、山稜が反射する。
そして山脈が、漆黒に包まれた。

そのころ、階下では、遠方より親戚が、集まっていた。
掘りごたつのほかに、電気こたつが用意され、お節料理や、手作りの料理が並ぶ。
そして正月恒例の、祝宴が始まり、夜更けまで続いた

正月3日も快晴だった。
昼食を済ませ、ママの実家をあとにする。
帰りがけに、近くのお寺にある、ママの家のお墓に、お参りする。
 
そのあと、ママの小学校と中学で、同級生が住職を務める、般若山・法性寺へ出かけた。
この寺は秩父札所32番、聖観世音菩薩が本尊である。
花の寺ともいわれ、平安時代から続く、秩父を代表する名刹である。

紅白の幔幕に飾られた、鐘楼門(仁王門)を潜ると、正面に急峻な石段が、控えている。
階段を登りきると、本堂がある。
本堂に新年の挨拶をし、奥へ行く。

小高い所に、宝永4年(1707年)に建立された、舞台造りの観音堂が見える。
何時もは、お船観音が鎮座する、お堂まで登り、参拝する。
だが今日は諦め、住職に挨拶することもなく、東京へ帰ることにした。