真夏の宵、遊座ジャズ・ミニ・コンサートの贈り物
2018年7月26日
  
24日の午後8時ころ、ギターリストのKさんが、久しぶりに来店した。
Kさんは何時も、バーボンのテンハイを飲む。
昔、米軍キャンプで、演奏していたころ、アメリカ将校に、クラブで奢ってもらった、思い出のバーボンだ。
 
Kさんはバーボンを、飲みながら、明後日、板橋区立文化会館前で、ジャズライブがあると、教えてくれた。
そして26日、恒例の真夏の「遊座ジャズ・ミニ・コンサート」会場にやって来た。
このライブは、毎年、同じ会場で開催される。
  
今日のメンバーも、馴染みの顔ぶれである。
午後6時に、ライブは始まった。
ジャズメンは、ドラムス以外は、私より年上である。

  
往年のジャズプレーヤーで、現在もバリバリの現役。
真夏の午後6時、強い日差しが降り注ぐ。
だが時おり、文化会館を通り抜ける風が、心地よく吹き抜ける。
  
毎年この季節に集まる、メンバーの呼吸はピッタリッと決まる。
大山遊座商店街に、ジャズが響き渡る。
そして演奏が2曲終わると、紅一点、ボーカルの、うら若い女性が登場した。
 
女性が加わり、舞台は大いに華やぎ、メンバーの演奏も、さらにパワーアップした。
舞台も観客も、大いに盛り上がる。
そして、午後7時15分前に、第1部は終了した。
 
その幕間に、ベースギターに、サックス3管のメンバーが、演奏を始めた。
数曲演奏した後、午後7時に、第2部が始まった。
先ほどのカルテットの、バンドマスターも加わり、1曲演奏する。
そのあと、先ほどの熟年プレーヤーの、演奏が始まった。
すでに陽は落ち、舞台に照明が入り、商店街の看板が眩しく光る。
やはりジャズは、真夏の宵に似合う。
 
照明が入ると、会場に情感が溢れる。
ジャズの響きは、商店街を包み、文化の香り満たす。
紫色に染まり始める空に、月が耀き、ジャズの調べが、街に流れてゆく。
 
老境にさしかかる、プレーヤーは、哀愁の調べを奏でる。
長い人生を歩んだ、ミュージシャンの人生模様が、演奏に滲み出ているようだ。
私たちが若いころ、紫煙が燻るジャズ喫茶で、何時間もジャズを聴いていた。
 
新宿に「ピットイン」などのライブハウスがあり、ジャズが若者の心をとらえた。
演奏するものも、聴く側も若かった時代である。
だが、今は共に熟成し、ジャズの深い陰翳を、愉しむことができる。
 
私も店でジャズを聴くと、何故か心に安らぎを覚える。
やっとジャズの心が、少しだけ、わかって来たのだろうか?
それとも、私のジャズに対する姿勢が、僅かに成熟したのか……
 
真夏の「遊座ジャズ・ミニ・コンサート」の贈り物。
地元在住のジャズメンが、地元大山商店街で、熱く演奏する。
午後7時半ころまで、演奏は続いた。