日本一長い吊り橋、三島スカイウォークを訪ねて
2017年12月24日

正午頃に、静岡県三島スカイウォークに着いた。
先々月の10月のこと、伊豆稲取へ行く途中、ここへ立ち寄る予定だった。
が、台風の余波の悪天候。

駐車場まで来て、スカイウォークの吊り橋を、渡るのを断念した。
今日は快晴、青空が広がっている。
無料の駐車場へ車を置き、入場券を1000円で購入し吊り橋へ。

標高415メートルの広場を進むと、SKYWALKと書かれた、大きなロゴ看板が迎えてくれた。
照明装置が張られた看板は、暗くなるとライトアップするようだ。
さらに行くと広場があり、白と青も鮮やかな、SKYWALKの看板が現れ、その向こうに大吊り橋が伸びていた。
 
吊り橋を支える、真っ白な主塔の高さは、44メートル。
主塔に挟まれた橋の入り口から、400メートルの吊り橋を渡る。
吊り橋は真っ直ぐに伸びる。

橋の正式な名称は「箱根西麓・三島大吊橋」だが、親しみやすく呼びやすいように、愛称を公募したという。
その結果、採用された愛称が、三島スカイウォークであった。
開業は2015年12月14日。
 
着想から7年、3年8ヶ月の工事を経て完成した。
橋を歩くと微かに揺れる。
歩道の幅は1.6mあり、車いすもすれ違うことができる広さである。
  
左手前方に、僅かに冠雪した富士山が、雲間に見える。
陽光を浴びた山頂が、燦然と耀いていた。
下を見ると冬枯れた山肌が、寂寥を映す。
  
さらに左手遠く見渡すと、沼津の市街地が霞み、その彼方に伊豆の山並みが、幾重にも重なる。
足元を見下ろすと、メッシュとなり、眼下に山肌が見える。
約70メートル下は、冬日を浴び、枯れ葉色と黒い影が、深い陰翳を刻んでいた。
  
このメッシュ構造を、オープングレーチングと呼び、風速65メートルの強風に耐えられるという。
その吊り橋のワイヤーを、灰色の逞しい腕が支えていた。
長さ400メートルの吊り橋の終着に近づく。
右手前方に展望台が見え、見物客がのんびりと、眺望を楽しんでいる。
そして終点のゲートを通ると、広場が広がり、露天が数店建ちならぶ。
広場から先ほど見た展望台へゆく。
 
ウッドチップを敷き詰めた、階段を上ると展望台に出た。
右手前方、丘の彼方に、陽光を浴びた富士山が、神々しく輝く。
左手の彼方に、沼津の市街地が霞み、伊豆の山々が、空に溶け込んでいた。
  
真っ青な空と銀灰色の雲海が空を染め、常緑樹が繁る山と、美しいコントラストを描く。
その前に、巨大な主塔の純白が、陽に輝く。
そして時おり柔らかな微風が、心地よく吹き渡る。
  
展望台を降りて、先ほどの広場に戻る。
広場に置かれたテーブル席に座る。
頭上から降り注ぐ陽光が、爽やかで気持ちがよい。

穏やかなクリスマスイブの陽射しが、ほんのりとした温もりを、もたらしてくれる。
するとママが笑っていた。
後ろを振り返ると、サンタクロース衣装のおじさんが、手品をしていた。
 
その向こうに、巨大なコンクリートの、アンカレイジと呼ばれる台座が見えた。
そのコンクリートの塊に、吊り橋を支える、たくさんのケーブルがうち込まれていた。
そして一休み後に、大吊り橋を戻ることにした。

先ほどと異なり、大勢の人たちとすれ違った。
これからの時間が、この橋が本番を迎えるのかもしれない。
そして通行人の話す言葉に、アジア系の外国語が混じっていた。