お彼岸前のお墓参り
2015年9月13日

 
神奈川県厚木市にある霊園に、午後2時半頃に到着した。
駐車場の花壇に、陽光を受けた秋草の花が、色鮮やかに咲いていた。
なだらかな霊園の坂を上り、水汲み場で水桶に水を入れ、束子を持ってお墓へ行く。
 
ママはすでに、お墓の周りの雑草をむしっていた。
7月のお盆に来て以来の草むしりだが、野草の生命力には驚かされる。
お墓に水をかけ流し、ごしごしと磨くと、墓石が昼下がりの陽光に、照り返され眩い。
 
お墓には両親と兄嫁が眠る。
きれいに洗われた花生けに、お花を飾り、お線香を焚く。
立ち上るお線香の芳香が、柔らかな微風に揺れる。

そして瞑目し手を合わせる。
新年の挨拶、春のお彼岸、お盆の7月、そして秋のお彼岸。
今年も年末のお墓参りで、一年が終わる。

季節の節目に、お墓参りに出かけ、一年の時の流れを実感する。
時節は来たりて流れゆき、人はまた確実に老いてゆく。
今年もあと一度、年末のお墓参りで幕を閉じる。
 
霊園の木々の葉は、すでに紅葉しはじめ、秋の訪れを教えている。
遠く彼方の、幾重にも折り重なる山々は、朦朧と霞み、柔らかな陽を帯びた、青空が広がっていた。
そして流れ来る風は、清涼で心地よく美味しかった。