お彼岸近い梅匂う頃、お墓参りへ
2015年3月16日

近くの公園の紅白梅が、昼過ぎの陽光に燃えている。
絶好のお彼岸日和、厚木にある両親が眠るお墓へ、お参りに出かけた。
町田インターで東名を降り、通いなれた16号線を行く。

途中で昼食をとり、お墓に着いたのは、午後3時前であった。
霊園に人影はなく、小高い山に抱かれた霊園は、寂しげであった。
すると遠くから、野鳥の声が可憐に響いた。

霊園の管理事務所で、お線香をいただく。
受付の女性が笑顔で、「昼前には、大勢の方が、訪れていましたよ」と言った。
私はなだらかな傾斜道を上り水場へ行き、お墓を磨く水を桶にくみ、束子を持ってお墓へ。

ママはすでに、お墓周りの雑草を、むしり取っていた。
私は御影の墓石を、束子で丹念に洗い、水をかける。
すると昼下がりの陽光が強く差し、墓石がきらきらと反射する。

風もないうららかな陽気に誘われ、また遠くで野鳥の鳴き声が響く。
そしてお墓にお花を飾り、季節の供物を添え、お線香を焚く。
お線香の煙がゆらゆらと揺れ、やわらかな芳香が漂うなか、瞑目し手を合わせる。

こうして生きていることへ感謝し、家族親族の加護を祈る。
そしてお墓を磨き墓前にお参りすることで、人は何時の日か永遠に旅たち、土にかえることを実感する。
さらに避けることのできない最後の時へ、小さな覚悟を積み重ねることを知る。