9月は芸術の秋
「板橋区混声合唱団30周年記念演奏会へ」



13日は「豊島能の会」へ出かけた。
お客様の能のシテ役者さんが出演するので、池袋にある東京芸術劇場まで出かけた。
そして、20日(日)、板橋区混声合唱団、創立30周年記念演奏会へ。

ママさんの従妹が、今年入団して初めての発表会だ。
開場は午後2時。
2時前に、板橋文化会館へ出かけた。

すると、すでに、会館の前には長蛇の列。
最後尾はかなり後ろで、街路樹に隠れて見えないほどだ。
最後尾に並んでいると、ママが列の前へ、親戚の人達を見つけに行った。
そして、列の中ほどに、親戚を探し当て、我々も加えてもらうことにした。

やがて、2時丁度に開場した。
我々は1階の中程の席へ。
開演前、広い劇場は、2階席までいっぱいに塞がっていた。

2時半、客席の照明が落ち、薄明かりの中、舞台に照明が入る。
混声合唱団が、静かに、厳かに登場した。
女性は純白のブラウスに、黒のロングスカート。
男性は白いタキシードに、黒のスラックスを装っていた。

続いて、ピアノの女性と、混声合唱団音楽監督外山浩爾氏が登場。
指揮台に登り、演奏会は開演した。
板橋区愛唱歌「愛するふるさと」(作詞薩摩 忠 作曲山本直純)で幕開け。
ピアノの伴奏に合わせ、混声合唱団の声が、優しく華やかに、広い劇場に響き渡る。

やがて、本日の第1ステージが幕開く。
モーツァルト作曲のミサ曲ハ短調K427。
モーツァルトが、花嫁ウィーンツェ・ウェーバーとの結婚誓約として、
1783年、故郷のザルツブルグの教会へ、奉献された曲だそうだ。
荘重な調べに、清澄な合唱の声が響き渡る。
厳粛に荘厳に、神に捧ぐミサは、時には信仰の深さを讃えるように、躍動的に共鳴する。

やがて、ソプラノの透き通るような声が響き、さらに第二ソプラノが加わり、荘麗な二重奏となった。
さらに、テノールとの三重奏のフーガ。
板橋区混声合唱団が、がっしりとミサ曲の厳粛さを支えていた。

さらに終局、バスが加わり、聖なる曲は、神へのおおいなる賛歌で終わった。
混声合唱団の面々に、喜びと安堵と、表現し終えた者たちの、感動の微笑が浮かんでいた。
そして、20分間の休憩が終わり、第2部が始まった。

客席の通路には、合唱団のメンバーが、装いも新たに待機していた。
女性メンバーは、萌えるような緑のロングドレスの装い。
舞台には、黒のグランドピアノが置かれている。

やがて、ピアニストの女性と、指揮者の片野秀俊氏が登場。
ホール全員で、瀧廉太郎作曲「花」を、合唱することになった。
指揮者のユーモア溢れる語りの中、
パンフレットに挟まっていた楽譜のもと、音楽指導が始まった。

私も声を出して歌うのは、とても久し振りのこと。
やがて、試運転も終わり、板橋区混声合唱団と全員で合唱になった。
会場いっぱいに「花」の歌声が響き渡った。

そして、板橋区混声合唱団のメンバーは舞台に登り、
第2ステージ、中田喜直「日本の四季の歌より」は始まった。
早春賦、夏の思いで、小さい秋みつけた、雪のふるまちを、別れの歌。
思いで深く、懐かしい曲が、美しく、優雅に、情趣豊かに場内を包む。

やがて、エピローグを迎えた。
オーケストラも登場。
1994年の韓国親善演奏旅行のさい、日本語で歌うことが初めて許された、
板橋区混声合唱団の記念碑的な曲「懐かしい金剛山」が響き渡った。

南北に分断された朝鮮半島。
何時の日か、統一を夢見る切なる思いを、
38度線の彼方、北朝鮮に聳える名峰金剛山に託した曲だ。

そして、最後に、大地と働く民とを讃え、
全てを破壊する原爆の悲劇と怒りを表現する「大地参讃頌」
力づよく雄渾に、板橋区混声合唱団の声が轟いた。

ママさんの従妹のMさん、艶やかで新鮮な初舞台でした。
さすがに、大学時代、混声合唱団でみっちりと、鍛えていたのだなと改めて納得。
某医療大学学長の旦那さんも、大いに再認識。
若かりし頃のMさんを思い出したことことでしょう。

板橋区混声合唱団は、30年前、東京23区内で初めて、
区営アマチュア合唱団として誕生した歴史を持つ。
これからも、大いに活躍することを、楽しみにしています。
とても楽しい一日を、ありがとうございました。