新築祝いで取手へ

2009年2月14日(土)

久しぶりの連休。
土曜日は好天に恵まれた。
春近しといえども、まだ朝晩の冷え込みはきつい。
しかし、今日はうららかな陽気。
風もなくおだやか。
爽やかに空は青く晴れ渡り、
真綿がちぎれたように、白い雲が流れていく。

近くの公園の梅は陽光を愉しむように、
赤に白に桃色に咲いている。
今日は兄の家の新築祝い。
取手まで出かける。
まだまだ時間はたっぷりとある。
高速道を使わず、一般道をゆっくりと北上することにした。

中山道から環状7号を進み、やがて西新井大師を過ぎ綾瀬へ。
綾瀬警察の前のK&Mさんの住むマンションの前を通り過ぎ水戸街道へ。
街道をまっすぐに北上すれば、取手へ到着する。
約束の時間は午後4時。
立春を過ぎたので日はだいぶ長くなった。
4時近くになってもかなりの強い日差しだ。

やがて、常磐線藤代駅に到着した。
そして、兄の住む家へ向かった。
しかし、どうも昔の住所と違うような気がする。
駅近くの和菓子屋さんで、お土産を買うついでに、住所を調べてもらった。
やはり、引っ越していたのだ。
教えてもらった地図を頼りに、再度、車を走らせる。
だが、場所が分からず携帯電話をかけた。

すると、姉嫁が電話に出て、道を教えて貰いさらに進む。
すると、途中で弟が、迎えに来てくれていた。
駐車場へ車を停め、兄の家へ。
小貝川沿いの閑静な場所にあった。
中へ入れば、すでに私の兄弟姉家族が部屋に集まっていた。

兄が老後を過ごす終の棲家は、平屋で広々としていた。
階段はなく、トイレは2つもあった。
陶芸やテニスの仲間たちが。集まった時のために用意したらしい。
さすがに、友達思いの兄ならではの計らいだろう。

やがて、兄と兄嫁の心づくしの料理が、次々にテーブルへ。
大皿に盛られた豪華なお刺身。
大きな丸皿に盛りこまれた、色とりどりのお寿司のつややかな光沢。
鮎の甘露煮は香ばしく、そして甘くほろ苦い。
さらに、兄手製のおでんは、上品でさっぱりしていた。
煮物やら揚げ物などで、テーブルの上ははじけそうだ。

日本酒は勿論、昔ながらの八海山。
40年くらい前から、兄は蔵元直送の八海山を飲んでいた。
そのころはまだまだ、地酒の評価は低い時代。
兄の勤める財団の通人で名高い会長が愛飲していたものだ。
そのころから、私も八海山を愛飲するようになった。

かつての家族が、今はそれぞれに家庭を持ち離れ離れに暮らす。
すでに、我々の親たちは鬼籍の人。
我々も還暦を過ぎ、また還暦を近々に迎えものもいる。
どちらかと言えば、冠婚の目出度い席よりか、
葬祭などの不祝儀で、親族が集まることが多くなった。
兄弟親戚縁者が、目出度いお祝いで集まるのはとても愉しい。
美味しい肴を摘み、旨き酒にほろ酔い、取手の夜は過ぎていった。