お墓参り&江ノ島
2008年3月16日<日>


16日の日曜日、お墓参りに出かけた。
去年の秋のお彼岸以来だ。
今年はお彼岸前だが、早いにこしたことはない。
今年のお彼岸は、秩父で法事があり、遠出をしなければならない。
2時過ぎに、ゆっくりと家を出る。
高速を飛ばし、横浜町田インターから16号線へ。
相模大野から厚木方面へ。

相模川に架かる昭和橋を渡る。
ゆったりと川は流れ、川面が陽光に照らされきらびやかだ。
川沿いの1本道を進みきると、交差点がある。
左に折れて、山間の緩やかな上り道を進むと、愛川町。
都会からわずかな距離だが、かなり鄙びた土地だ。
街道沿いのまばらな集落を抜けると、目的の霊園がある。
午後の4時頃、到着した。
すでに日は傾いていた。

霊園にはほとんど人がいなかった。
両親と兄嫁の眠る墓石を、束子でごしごしと磨き上げ、
彫られた文字は歯ブラシで掃除をする。
ママはお墓の周りの草むしり。
磨かれて綺麗になったお墓に、たっぷりとお水をかけてあげる。
お墓が水に濡れ、ぴかぴかの笑顔。
子供の頃、お墓に触れることもなく、お墓は怖い存在だった。
でも、私自身が還暦を過ぎ、
寿命を実感できる歳になったせいなのだろうか、
お墓はとても近しい存在に感じる。
そして、両親に対して、強い感謝の念を抱く。

人の命は順繰り。
何時か必ず死は訪れる。
両親から頂いた大切な命。
充分に生を全うし、そして、できるならば、
世の中のために、少しでも、役に立てられればとの思いは強くなる。
綺麗になったお墓に、お花を添え、お線香を焚いて合掌。
やすらかに眠る霊に挨拶ができ、心も晴々。
遠くには丹沢の山々。
青空にたなびく雲海は、夕陽に輝き、黄金色に照り映える。

そして、帰りは何時ものコース。
寒川神社から、平塚へ出て、茅ヶ崎経由で江ノ島へ。
海岸沿いの国道へ出た頃、だいぶ日が落ち始めていた。
江ノ島の橋を渡り、何時もの駐車場へ車を停める。
さすが江ノ島、まだまだ、たくさんの観光客がいた。
参道正面に、どっかりと構える青銅の鳥居を潜る。
土産物屋や旅館が建ち並ぶ、狭い参道を上り、辺津宮へ向かう。
参道沿いの店々は、まだまだ賑わいをみせている。
やがて、辺津宮へ到着。
立ち寄らずに、少し進んで、八坂神社前から、
エスカレーターに乗り、中津宮へ。

このエアスカレーター「エスカー」は何十年ぶりだろうか。
子供の頃、乗った記憶がある。
そして、さらに、奥津宮へ。
すでに日は落ち、街路灯には電気が灯る。
さらに、江ノ島の裏手に回り、奥津宮へ。
急峻な狭い階段を下りると、正面に太平洋が広がる。
果てしなく広がる、洋々たる太平洋は暗く、
岩場には激しい波が襲い、千路に波飛沫が飛び散る。

最近整備された奥津宮への遊歩道。
少し前までは交通止めであった。
海岸べりの遊歩道を進むと、奥津宮。
お参りをすませ、さらに進むと、第一岩屋の入り口があった。
すでに、扉が下ろされ、中は真っ暗。
来た道を戻れば、今度は先ほど降りた険しい階段の上り。
すでに、階段沿いの店々は閉まっていた。
ママはだいぶ往生、へばっている。
私がお尻を押しながら、やっとのことで階段を上りきる。
展望塔前の公園のベンチで、
爽やかな夜風を楽しみながら、一休みをする。

すでに、人影はまばら。
日はとっぷりと落ち、風も何処か冷たい。
階段を下り、ところどころ、木々の合間から、江ノ島の海と夜景が見える。
海岸の街は煌々と輝き、海に浮かび上がる金色の蜃気楼のようだ。
曲がりくねった参道の階段を、一段一段と降りる。
あちらこちらに、人懐こそうな猫がいる。
何故か、何処の島にも猫が多い。
参道の店々の多くは店じまいをしていた。

時間はすでに8時過ぎ。
入る予定の店は閉店していた。
隣の店で夕飯をとった。
私は何時もの江ノ島名物・シラス丼定食。
ママはお刺身定食。
勿論、運転しない私は生ビールを2杯。
そして、帰り道、
何時も立ち寄る、鶴岡八幡宮の参道前の酒屋へ寄ろう。
亭主お勧めの日本酒は、美味しくて外れがない。
日本酒片手に、またしても、気楽なほろ酔い旅となるだろう。